11月30日歌舞伎座タワーにて、軟骨無形成症を学ぶ市民講座が開催。医誠会国際病院総合病院 小児科・北岡太一氏、モデル・俳優で軟骨無形成症当事者の後藤仁美氏、カリスマ保育士・てぃ氏が登壇した。北岡氏による講演、3人のトークセッション、会の最後には視聴者から質問も寄せられた。

北岡氏は「軟骨無形成症とは、軟骨がないわけではありません。成長軟骨帯の機能に問題が生じて、骨の成長が妨げられてしまうもの。頭部にある膜性骨化は妨げられていないため、頭が大きくなりがちです。合併症の危険性もあり、代表的なものは睡眠時無呼吸や肥満」と話し、周囲の人たちに向けて「どんな風に適切なサポートをするか考えてほしい」とコメント。

軟骨無形成症の当事者が直面する課題について聞かれると、後藤氏は「1つは周りからジロジロ見られること。学校行事で行動が遅くなってしまい、楽しめなかったこともある。着たい服が着られなくて寂しい気持ちにもなった」と振り返った。また、ジロジロと見られた際のメンタルの保ち方については「自分には大切な家族や友達がいてその人たちに大切にしてもらっているからと割り切っている」と語った。

当事者との向き合い方を聞かれると、てぃ氏は「過度な特別扱いを求めていない方もいる。子どもたちの世界は大人の世界よりも愛に溢れているから大丈夫」と保護者に伝えると話した。

生活のしづらさを聞かれると「切符を買う、ATMを使う、段差の高さを困難に感じていたが、モバイルで使いやすくなった。外に出やすくなった」と後藤氏は口に。バリアフリーについては「みんなが使いやすくするにはどうしたらいいか、みんなで考えていきたい」と前向きな姿勢を見せた。

てぃ氏はタイパやコスパが重視される世の中で褒めることが減っていると危惧。精神的な面について「子どもたちは自分がしてもらって嬉しかったから他の人に優しくするという順番で学ぶ。手伝ってあげなさいと指示するのではなく、日頃から周りの大人が『いつも助かっているよ』『〜してくれてありがとう』と伝えることが大事」と持論を展開した。

視聴者から「子どもに『自分はどうして小さいの?』と聞かれたとき、どのように伝えたらいいですか?」と質問が寄せられた。答えは状況やその子によるそうで、後藤氏は「私は母から『小さくて可愛くていいよね』と言われた」と回顧。続けて、「そのお子さんが今なんて答えてもらいたいかが正解。事実を伝えることも選択肢としてはあるが、どう言ってもらいたいのか寄り添ってあげられるといい」と説明した。

最後に、北岡氏は今成長過程にいる子どもたちに向けて「新しい治療薬も開発されているので未来はまた変わってくる。これからもいろんな情報を集めて、本人も親御さんもハッピーに毎日を過ごしていただけたらと思います」と締めくくった。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 家族で一緒に軟骨無形成症を学ぼう!市民公開講座開催