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頭痛のつらさや日常生活に与える影響の大きさは、想像に難くない。しかしながら、頭痛もちでない人の8割がパートナーの頭痛もちを「理解したい」と思っている一方で、当事者である頭痛もちの約半数は、パートナーにそのつらさを「共有しない」という(※大正製薬「頭痛もちに関する夫婦の実態調査」)。どうしてコミュニケーションギャップが生まれてしまうのか。このギャップを埋めることはできないのか。
解熱鎮痛薬「ナロン」シリーズにおいて、頭痛のつらさに寄り添い続けてきた大正製薬は、「頭痛もちと、その大切な人に寄り添いたい」をテーマに、動画「あなたの知らない私のこと。~頭痛、話し合いませんか?~」を公開。動画の企画背景や、撮影時にわかったこと、今後の展望について、大正製薬 マーケティング本部 ブランドコミュニケーション部 堀江紅葉氏に聞いた。
大正製薬の前身は、1軒の小さな薬局。大正製薬所を1912年に創業して以来、大衆薬(OTC医薬品)分野における基盤を構築し、事業を拡大してきた。現在では、OTC医薬品を中心に、健康食品、スキンケアまで幅広いラインアップを国内で展開する「セルフメディケーション事業国内」、東南アジア市場・欧州市場の2極体制で展開する「セルフメディケーション事業海外」、研究開発志向型企業として医療用医薬品を展開する「医薬事業」の3つの事業を展開し、生活者の健康、そして、より豊かな暮らしの実現に貢献している。
なかでも、「ナロン」シリーズは、1960年に「ナロン錠」を発売して以来、60年以上にわたり頭痛のつらさに寄り添い続けてきた。特に「ナロンエース」には、痛みのもとだけではなく、痛みが大脳に伝わることをブロックする特徴がある。その特性は、少しの刺激にも敏感で「痛み」として伝わりやすい(痛覚過敏)頭痛もちのつらさを緩和するのにマッチ。「ナロン」シリーズは、2022年から、頭痛もちのつらさを解消するためにアプローチを始めた。
そんな折、2023年に大正製薬が頭痛もちを対象に実施したインタビュー調査で、頭痛もちのつらさが社会的に理解されていない実情が見えた。「“本当は頭痛で会社を休みたいけど、頭痛なんかで、と言われてしまうから、熱と偽って休む”といった発言があったのですが、多くの方が共感されていました。頭痛もちのつらさが社会的に理解されていないために、副次的なつらさが発生しているのではないか」と堀江氏。
頭痛もちが日常生活においてどんな苦しみを感じているのか、まずは最も関係性が深い夫婦間でコミュニケーションをとってもらいたいと考え、動画「あなたの知らない私のこと。~頭痛、話し合いませんか?~」の企画に至った。
動画撮影には、頭痛もちとそのパートナーの夫婦9組が参加した。「二人で考える頭痛ノート」を用いて、頭痛にまつわる質問「何歳から頭痛で悩んでいたか」「頭痛が原因で一番辛かったこと」「頭痛で辛い時に、パートナーにしてもらって嬉しかったこと」などを含む15問に回答。パートナーがそれを確認した後、二人で頭痛に関して話し合ってもらった。
[https://youtu.be/NK-Cbl879XE]
ダイジェスト動画はこちら
[https://youtu.be/bWKPIDnAlj4]
大正製薬が行った2024年の調査で明らかになっていた「頭痛のつらさをパートナーに共有しない」という実態は、動画撮影のなかでも顕在していた。しかし、撮影を通じて、その理由は「お互いがパートナーを思いやった」結果だとわかる。「話してもわかってもらえないという自分本位な考え方というよりも、相手視点に立っているからこそ、“彼は頭痛もちではないから、理解しにくいだろう”と話し合いを諦めるといった理由が、共有しない理由として多く挙げられていました」と堀江氏は動画撮影の裏側を語る
頭痛もちが抱えていた不安が、対話によって解きほぐされていくなかで、頭痛もちではないパートナーからも、「体調が悪い時は、放っておいてほしい」と伝えられていなかった本音を打ち明けられるシーンも。「奥様のつらさについて、旦那様に発見や驚きを与えられたらと考えていましたが、奥様が旦那様について発見する場面もあり想定外でした。とはいえ、お互いに対する理解が深まる結果となり、コミュニケーションの意義を感じました」(堀江氏)。
なかには、理解を示すパートナーへの感謝の思いから、涙を流す頭痛もちの女性もいたが、1人で溜め込む精神的なつらさは耐えがたいものだ。堀江氏は「頭痛のつらさを解消するための一歩目は、まずは身近な方に話すことだと思います。我々の動画が、頭痛に関して話すきっかけになったら」と、動画に込めた思いを表す。
動画撮影のなかでもわかったとおり、頭痛もちが日常的に悩んでいる頭痛は、その大切なパートナーとの関係性にも影響を及ぼす。だからこそ、それらの悩みを当事者だけではなく、そのパートナーや家族、友人、ひいては、社会全体で解決していくことが課題だろう。日常的に頭痛に悩む頭痛もちの方や、そんなパートナーを持つ方に対し、堀江氏はこうメッセージを送る。
「頭痛で悩まれている方に対しては、“もっと周りに話して大丈夫” とお伝えしたいなと。発信することで何かが変わる可能性がありますので、肩の力を抜いて、まずは話してみてほしいです。その際には、症状を何かに例えてみるなど、自分の症状のつらさを相手と共有できるような表現で伝えられるといいかもしれません。
また、パートナーに対しては、頭痛に関する話を受けた時に、頭痛という症状が自分にとっては何にあたるのかを想像してみてほしいと思います。仮にパートナーの方が発言しなかったとしても、“気圧が低い時にはいつも辛そうだ…”など、小さな変化にも目を向けることで、解決のための会話が生まれやすい環境になっていくと思います」
頭痛もちも頭痛もちでない人も素直な気持ちを伝え合い、お互いに歩み寄るだけで今よりもっと良い関係が築けるのではないだろうか。今後もナロンエースは、頭痛もちとその大切な人に寄り添うために、さまざまな関係に目を向けた取り組みを行っていく。
大正製薬株式会社
マーケティング本部 ブランドコミュニケーション部
堀江 紅葉