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銀座エリア最大の商業施設「GINZA SIX」は2024年4月5日(金)〜2025年夏(予定)までの期間、施設中央に位置する吹き抜け空間において、社会的なメッセージとユニークさを併せ持つ機械彫刻や巨大彫刻を創作する日本を代表する現代美術作家・ヤノベケンジ氏による旅をしながら福を運ぶ猫「SHIP’S CAT」のシリーズともなる新作アート「BIG CAT BANG」を展示する。
「GINZA SIX」建物中央の大きな吹き抜け空間に作品はあるため、エスカレーターや通路から見える作品は見る位置によって異なりおもしろい。今回、この大きな吹き抜け空間を、地球を含む銀河と捉え、無数の宇宙猫が空を舞い、浮かぶ宇宙船は「太陽の塔」へのオマージュ。ビッグバンから現在までの宇宙のダイナミズムを新しい生命の物語として紡ぎ出す。
この企画とプロデュースを務めた後藤繁雄氏(写真右)は「ヤノベケンジは偉大な彫刻家で物語作家でもあると思います。この場所は銀座の中心地でもあり、時代に対するメッセージ性が必要だと思い、作品をお願いするのはヤノベケンジ氏しかいないと思いました。また、来年は大阪万博もあるので岡本太郎さんの精神を引き継いだアーティストにやってもらいたいと思ったことも大きいです」とコメントした。
ヤノベケンジ氏は1965年大阪生まれの現代美術作家で京都芸術大学教授も務めている。お披露目の場でヤノベケンジ氏は次のようにコメントした。
「猫はネズミを駆除するのにぴったりだと船に乗せられて、エジプトから世界に広まった動物です。エジプトでは守り神として大切にされてきました。そこで今回は宇宙服を着た猫として1つの妄想ストーリーを設定しています。太郎さんが言われた『芸術は爆発だ』という言葉通り、爆発的な想像力と創造力のエネルギーを爆破させるようなアートを銀座の真ん中から発信。宇宙が生まれるビッグバンから芸術が爆発していくイメージを与えられたらと思って制作しました。宇宙猫が搭乗する宇宙船が地球におりてきて生命の木を植え付け、命を生み出し、育み、守り、絶滅していくという妄想ストーリーを設定。その様子が作品となっています」
「この作品にはパンデミックや戦争もあり次の生命の絶滅の危機を人間が起こすのではないか?という俯瞰的なメッセージも込めています。そして、僕が今までつくった作品の中で最大級で今の時点で最高傑作の作品だと思っています」
「僕は彫刻家で普段は金属で作品をつくっているのですが、今回の作品は空中展示で重量の制約もあり、バルーンで表現。3日間の設営があったのですが、重量バランスを取りながら吊り上げるのにとても苦労しました。飛び出しているフライングキャットは400体あります。こちらは販売もしています。バルーンではなく、普段の僕の作品も見てもらいたかったので4階には『SHIP’S CAT』シリーズの作品も展示しています」
2017年から制作を始めた「SHIP’S CAT」シリーズは、福岡からはじまり、国内外の各地を旅するように巡ってきた。「SHIP’S CAT」とは、大航海時代に長い航海に乗船した「船乗り猫」のこと。宇宙を航海する未来の希望を予兆し、安全や出会いを助ける守り神となって、混迷する世界においても、人々や若者の旅を導いて欲しいという願いが込められています。
国内だけでなく、世界から人が集まる「GINZA SIX」で一際、目をひく巨大なアート作品。見る角度によっていろんな気づきがあるので建物内を移動している人が思わず見入ってしまう作品となっている。そんなダイナミックなアートはこれから注目と話題を集めそうだ。