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満員“大”御礼で迎えたこの日。バーのママで歌舞伎町の探偵・石破マリコ役の伊藤は「やっと皆さんにお届けできる日が来て、無事今日という日を迎えられてとても嬉しいです」と主役として封切りに笑顔。多忙ゆえに海外映画祭に参加することは叶わなかったが「人生初の海外映画祭は内田監督の『獣道』で、ここ(テアトル新宿)で舞台挨拶をさせてもらったので、このような形で戻ってこられて良かったです」と凱旋を喜んでいた。
プチョン国際ファンタスティック映画祭にも正式出品され、内田監督と片山監督が参加予定。内田監督は「海外映画祭に一緒に行こうと昔から約束していたけれど、沙莉さんはいけません。ごめんね!」と伊藤に謝りつつ、片山監督は「気楽に観ていただける作品なので、海外での反応が楽しみです」と期待を込めていた。
マリコの恋人で忍者に憧れるMASAYA役の竹野内は忍者役初挑戦となったが「忍者の練習はせずに、当日ぶっつけ本番」と明かして「忍者役は初めてだったし、お話をいただいたときは“どういうこと?”とわからなかったけれど、とても楽しませていただきました」と手応えを口にしていた。
伊藤との共演については「伊藤さんは現場の空気を和ませてくれる。ニュートラルな方なので、なんの構えもなく自然と現場に溶け込んでいくことができました」と感謝。伊藤は「竹野内さんのサンドイッチマン姿が似合うのが不思議でした。やはりなんでも似合うんだと衝撃的でした」と成り切りぶりに舌を巻いていた。
行方不明の娘を探す落ちぶれたヤクザ・戸塚六平役の北村は「最近は“冴えない”“パッとしない”という役ばかりだったので、今度は落ちぶれたのかと…。そのままやればいいと肩の力を抜いて演じました」と笑わせた。
ホストに恋するキャバクラ嬢・絢香役の久保は初共演の伊藤について「外での撮影の時に『寒くないですか?』と話しかけてもらったりして、お気遣いいただき救われました」と気配りに感激。伊藤は久保について「めちゃくちゃ可愛くて顔が小さくて。でも役になると空気感が違くなって幸が薄くなる。そこが素敵」と評すると、当の久保は「私はグループ活動でも幸が薄い担当というか、ファンの方からも幸が薄いと言われるので、それを感じ取っていただいてありがたいです」と喜んでいた。
また映画の内容にちなんで「探偵マリコに依頼したいこと、聞きたいこと」との質問が出題された。片山監督は「マリコの死生観を聞いてみたい」、内田監督は「この映画界で自分の進むべき道を教えてもらいたい」と笑わせた。その流れで久保も「今後アイドルとしてどう進むべきなのかを聞きたい」と人生相談。これに伊藤はマリコに代わって「迷うことはないです!そのまま突き進んでください!確実に大丈夫です!」とエールを送っていた。
一方、北村は「歌舞伎町でよく見るホストの宣伝トラックがどこから来てどこに帰っていくのか、マリコに尾行してほしい」、竹野内は「私は動物が好きなので、マリコにはツチノコを探してほしい。一度でいいからツチノコが存在するのか見てみたい」とそれぞれ個性的。そして伊藤は「SNSで尖った言葉を投げる人たちをマリコに見つけてもらって、その人たちの気持ちをほぐしてほしい。お酒を飲みながら“どうしたの?何がつらいの?”とほぐせたら、優しい世界になるはずだから」とSNS社会ならではの依頼をしていた。