イタリアのパスタブランド バリラ(Barilla)が主催する「バリラ パスタチャンピオンシップ アジア2025」が、来たる11月にマレーシアで開催される。今大会は、パスタ界のワールドカップとも称され、シェフたちが渾身のオリジナルパスタを競う頂上決戦。アジア大会の出場を懸けて日本全国から選考された6名のファイナリストが東京に集結、国内最終決戦となるジャパンファイナルが行われた。

頂点に輝いた芳醇な香りが抜ける澤田シェフのパスタ

審査員の満場一致でファイナルを制したのは、Convivio(東京・渋谷)の澤田隼人シェフの「Penne Rigate with Whisky Octopus Ragù(ぺンネリガーテ ウイスキー 蛸のラグーソース 絡まる風土を樽に込めて)」だ。

明石産のタコに明石のウイスキー「あかし」を使い、燻製をかけた香り高い一品。樽を模した器に盛り付けられ、薫香がさらに際立つ仕掛けだ。ペンネは穴の空いたショートパスタ。パスタの穴の内側にも燻製の香りが浸透し広がっていくのもペンネを用いた理由だと澤田シェフは話す。さて、気になるそのお味は……?

まずはなんといっても香り。いただく前から香ばしさが食欲を刺激する。タコとペンネに絡むラグーソース、ひと口で今度は香りが鼻から抜けていく。ペンネそのものも味わい深く昇華していた。そしてタコとペンネの異なるちょうどいい歯応え。そのおいしさに思わず目尻が下がる。澤田シェフが働くConvivioで今後メニューとして出される予定というから楽しみだ。

「このソースは後から一切、塩は加えていません。タコのみで、あとはケッパーの酸味、そのままです。そのバランスで、本来の素材が持っている力でまとめています。私は個人的にウイスキーがとても大好きで、静岡で酒の熟成キット(焼き上げた銘木スティック)を扱う方とお会いしたことも大きいです。香りが少し鰹節の雰囲気が出ていて、それがパスタとの相性が良いのではと思い、レシピに落とし込んでいきました。料理に対するエピソードや込めた思いを大切にしていきたいと思っています」と、レシピ発案について澤田シェフは話す。

そして、審査員の池田匡克氏(イタリアンウィーク100ディレクター)は、澤田シェフのレシピを次のように評した。

「ジャパニーズウイスキーを使っていて、海外に出た時にこの料理は日本らしさを感じられると思います。非常に新しいですし料理名も興味を引くものでした。70年代にウォッカのトマトソースというのがフィレンツェを中心に一世を風靡しまして、まさにそれもペンネでした。イタリア料理というのは常に温故知新なんです。過去に作られてきた料理をいかに新しく自分なりにアプローチして、現代風に提案にできるかは常にイタリア料理に求められていることだと思いますので。びっくりしました。おめでとうございます!」

審査員を唸らせた澤田シェフのパスタ。本戦は今年11月、さらなる飛躍が期待される。

老舗パスタブランド・バリラ(Barilla)には日本向けに開発したパスタがある

濃紺に赤いラベル、140年の歴史があるパスタの老舗ブランド・バリラ。大会名に「パスタ」を冠しており、あくまでパスタが主役となるレシピというのが大前提だ。澤田シェフの一品のペンネもしっかりと味わい深いものとなっていた。

このチャンピオンシップでももちろん、バリラのパスタが使われている。「CLASSICA」というプロフェッショナル向けのラインアップ。プロ向けはキッチンの効率化を図った2度茹で(下茹でと、提供直前の2度)仕様で提供する側のニーズを考慮しているという。

一般家庭向けにも、ロングパスタからショートパスタなど豊富なラインアップが並ぶ。ラインアップの中でも日本向けに開発されたという「No.4」はφ1.6mm。日本の家庭ではφ1.6mmのパスタが一番流通していて馴染み深いのだとか。「No.5」のφ1.8mmや「No.3」のφ1.4mmも人気だ。そして、バリラパスタの最大の特徴は、手軽にアルデンテが仕上げられるという点。自宅でも簡単にアルデンテがいただける。

今やパスタは日本の家庭料理のひとつにすっかり浸透している。シェフたちのような頂上決戦……とまではいかないが、オリジナルのお家パスタを楽しみたいものだ。

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 パスタの日本No.1はConvivioの澤田隼人シェフに決定! 「バリラ パスタチャンピオンシップ アジア2025日本大会」が開催