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ChatGPTは使ったことある。でも「API」って聞くとなんだか難しそう……。
そんな筆者のような人も多いのでは。今回は、『ChatGPT APIのビジネス活用入門』著者の3名にインタビュー。
執筆チーム3人にによる対談から、ChatGPT APIのリアルな活用法や、エンジニアでなくても始められるヒントを紹介します。
―――― まずは、この本を出すことになったきっかけから教えてください。
菅藤さん:みんな野球を観に行った日があって、そのときに「ChatGPTやAPIって、業務に使える本書けるんじゃない?」ってお酒飲みながら話をしてたんです。
佐々木さん:その翌日、僕が講談社の方と打ち合わせがあって、「AIの本書きませんか?」って提案されて。ちょうど、野球観戦に一緒に行ったメンバーの半分が本を書いた経験があったので「やろう!やろう!」って(笑)。
―――― ChatGPTとAPIって、どう違うんですか?
菅藤さん:基本的にAI、ChatGPTで何かするというのはAIと対話するイメージないですか。
そうじゃなくて、APIって何なのかっていうところで言うと、普通はウェブ上とかでカタカタ打ってから返事をもらって対話するんですけど、じゃなくって、システムの中に組み込むイメージです。
早川さん:“システム同士をつなげる仕組み”みたいな感じですね。ブログの入稿システムと、ChatGPTのシステムと、Twitterのシステムを結ぶようなのがAPIを使うとできますよ、というのがAPIの簡単な説明です。
―――― 実際、どんな場面で「便利だな」と感じましたか?
菅藤さん: たとえば会議の音声を録音して、それを自動で文字起こしして、さらに要約までしてくれる仕組みがあって。わかりやすい事例なのかな、と。
――― 技術に詳しくない人でも、APIやこの本は活用できるものなんでしょうか?
佐々木さん:それでいうと、一応できるように作っていて。まず、手元で簡単に動かす体験をしてもらえるように、例えば、ChatGPTも何か命令を入力したら返答がある体験が新鮮じゃないですか。
その成功体験を積んでもらえるように、動くものをサポートサイトに用意してあって、自分で実行できるようにしています。
菅藤さん:実は、日本語の部分だけ変えれば、そのまま動かせるコードを本の中に載せていて。サンプルとして、議事録のフォーマットとかもコピペで使えるようにしているので書き換えてもらえれば使えますよ!
―――― それぞれ、ご自身が書かれた章の中で「ここをぜひ読んでほしい!」というポイントがあれば教えてください。
佐々木さん: 僕は、7章を担当しています。7章では、大きく2種類あって。ひとつは、録音してある音源を入れたら文字起こし+まとめを作ってくれます。
人間の行動でいうと、今日みたいなインタビュー音源を聞きなおして、やってアウトプットのイメージを出力させるというか。その一連の流れですね。
あとは、僕は天文学者をしていて、そのころから「佐々木亮の宇宙ばなし」っていうポッドキャストをずっとやってます。第3回Japan Podcast Awardsでも賞をいただいてるんです。
そのポッドキャストの音源を半分自動で記事化してブログに掲載しています。
菅藤さん:ひろゆきさんと宇宙の対談できないかな(笑)
早川さん: 6章のデータ分析の章を担当しています。自分はデータの分析の仕事をずっとやっていて。
データ分析っていくつかのステップがあると思うのですが、データを集めたり、加工したり、集計して結果をみたり、とか。集計の方法をいかに効率よくやるか、というのは議論されていたのですが、集計結果を読み解くのは人じゃないとできないよね?……と言われていたのですが、生成AIの力を借りれば、分析を読み解くこともできてしまう、ということを紹介しています。
景気ウォッチャーという国が公開しているデータがあるのですが、そのアンケートからどの業界が伸びているか、分析できたり。
――― データがあれば使うことができるのでしょうか。
早川さん:そうですね。この本では公開されているデータを扱っているのですが、読者が取り扱ってるデータを使えば基本的には動かせるかな、と。
菅藤さん: 僕はフィットネスジムの比較例を書いてます。
例えば、フィットネスジムに通いたい、と思ったときに、どこのフィットネスジムがいいか気になりますよね?
このシステムを使うと、どのジムが「値段(高い・安い)」、「女性中心」、「筋トレ向き」「痩せたい」「立地重視」などの条件をAIに投げると、最適なジムを選んでくれる仕組みです。要約や情報収集といった、マーケティングらしい一般の人でも想像しやすい使い方を意識しました。
―――― 「ChatGPT APIのビジネス活用入門」の各自の推しポイントはありますか?
菅藤さん:僕は、コラムなんですけど、文字から画像を作ってくれる風間くんが担当した章ですね。画像を作ったりとか、スマホアプリのアイコンの作り方とか。
早川さん:これ、みんなあんまりやってないんですが、画像を言語化できるっていう紹介があって。外部の方にイラスト発注とかあるじゃないですか。
「ダイナミックな感じで」とか。うまく伝えられず、苦い思い経験したことないですか。
それを人間ぽく言語化して伝えれば大きな齟齬が減るんですよね。AIの能力をいい感じで使えてる章だと思っています。
早川さん:3章のディープリサーチとかできるようになったのですが、その裏側を垣間見れるかな、というところが興味もってもらえるんじゃないかと。
佐々木さん:僕はこの本を人に紹介するときは、分析のところを見せてますね。データの解釈って、AIにさせられそうだな、と、自分も思ってやってみたら欲しい結果が出たというか。僕らはデータのアナリティクスの仕事するから、書く意味があるな、って。
僕らみたいな仕事が、だんだん要らなくなる一歩ということもあるので。どんどん推進していってほしいから人にオススメしたい気持ちもこもっています。
早川さん:まだ世の中には浸透しきっていないので、この本がきっかけでこんなことが実はできるんだよ~と気づいてもらえるといいかな、と思います。
―――― ありがとうございました!
マーケティングをAIで超効率化! ChatGPT APIのビジネス活用入門
https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000409733
プロフィール:
著・編: 佐々木 亮
株式会社ディー・エヌ・エー所属 Senior Data Scientist 博士(理学)。専門は、宇宙物理学。国立研究開発法人理化学研究所、アメリカ航空宇宙局(NASA)の研究員を歴任。現在は、データサイエンティスト、中央大学にて研究員兼非常勤講師、作家。Podcast「佐々木亮の宇宙ばなし」にてApple Podcast科学カテゴリー日本1位達成、第3回Japan Podcast Awards受賞。著書に『超入門 はじめてのAI・データサイエンス』(培風館)、『やっぱり宇宙はすごい』(SBクリエイティブ)がある。Xでは、@_ryo_astroとして活動している。著・編: 早川 敦士
株式会社ディー・エヌ・エー所属 2010年よりデータサイエンスに取り組み、2015年に電気通信大学で修士を取得。エンジニア、データサイエンティスト、データアナリストのさまざまな側面から、データ活用に従事。 著書に、『データサイエンティスト養成読本』(技術評論社)、『Pythonによるはじめての機械学習プログラミング』(技術評論社)、『機械学習のための特徴量エンジニアリング』(オライリー・ジャパン)などがある。 Xでは、@gepuroとして活動している。著・編: 菅藤 佑太
株式会社ディー・エヌ・エー所属 2015年より自然言語処理に取り組み、2019年に慶應義塾大学で学士を取得。主にYouTubeのデータ分析や自身でYouTubeでの活動を行う。現在は、DeNAで全社生成AIプロダクト「SAI」のプロダクトマネジメントに従事。 Xでは @mrkeiosfc16no1として、YouTubeでは『まなびスクエア』として活動している。
マーケティングをAIで超効率化! ChatGPT APIのビジネス活用入門
著・編: 佐々木 亮 ,
著・編: 早川 敦士 ,
著・編: 菅藤 佑太 ,
著: 深田 裕一 ,
著: 風間 智裕
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