インドのヘルステック企業Ultrahumanが10月24日に発売したスマートリング「Ultrahuman Ring AIR」のレビューをお届けします。

睡眠・回復・運動を把握できるスマートリング

リング内側に光学心拍計の赤外線光電式(PPG)センサー、赤色LEDセンサー、緑色LEDセンサー、赤外線LEDセンサー、さらに皮膚温センサーと6軸モーションセンサーを搭載。心拍数や血中酸素濃度、ストレス、睡眠、運動を24時間モニタリングします。専用アプリ「Ultrahuman」を使うことで、睡眠時間や安静時心拍数、安眠度などから評価する睡眠スコアを確認できる他、HRVと心拍数などから算出する回復スコア、歩数、カロリー、代謝当量(MET)といった動きのスコアを表示。女性向けに、生理周期の分析や妊娠に関する健康管理をサポートする機能も搭載します。購入後はサブスクへの加入は不要。

リングの外装にはタングステンカーバイドでコーティングされたチタンを使用し、毎日の着用に耐える耐久性を実現しています。100m防水に対応するため、入浴や洗い物など水回りでも着用が可能。

USB-Cケーブルで接続した付属のクレードルにリングを装着して充電します。スペック上は、90分の充電で最大6日の使用が可能。電池の消費量は使用状況により異なりますが、筆者の場合は4日半程度電池が持つ印象。頻繁に充電する必要がないのは魅力です。

サイジングキットを試用して5色10サイズから選択可能

本体を注文する前に、サイジングキットを購入して10サイズからサイズを検討できます。用意されているのは米国サイズの5~14号。人差し指・中指・薬指での装着を推奨しているので、装着したい指に2晩ほど装着してサイズを検討します。

サイズが決まったら、サイジングキットの色見本から本体カラーを検討可能。ロータイタニウム、アスターブラック、マットグレー、バイオニックゴールド、スペースシルバーの全5色をラインアップしています。

筆者は右手中指に装着する11号を選択。カラーはマットグレーにしました。厚さはサイズにより異なり、2.45~2.8mm、重量もサイズにより異なり2.4~3.6g。軽く、フィット感は上々で、就寝中も違和感なく24時間快適に装着できます。

示唆に富んだ睡眠のアドバイスを提示

アプリを開くと、ダッシュボードに「睡眠」「回復レベル」「ムーブメント」の各スコアを表示し、各項目をタップすることで詳細な結果を確認できます。睡眠については、ダッシュボードから簡単なアドバイスを確認することが可能。この日は「もっと長く眠れますか?」と睡眠時間の確保を促しています。さらに、睡眠がどれぐらい不足しているか、今日は何時に就寝するべきかを示し、Ultrahumanが健康管理に睡眠を重視していることがよく分かります。

「睡眠」の項目をタップすると、睡眠スコアと推移、睡眠を評価する「総睡眠時間」「ベッドでの時間」「回復的な睡眠」「HRドロップ」の4指標を表示する他、睡眠スコアを決定する「睡眠効率」「温度」「リラックス度」などの指標、一晩の睡眠ステージと推移、一晩の心拍数の推移といった詳細なデータが確認できます。

Ultrahumanの睡眠評価指標でユニークなものとして、特に注目したいのが「HRドロップ」の項目。これは睡眠中に心拍数が最低の数値まで下がるのにかかる時間を評価するもので、時間が早いほど良好な回復状態であると判断されます。「HRドロップ」の詳細を見ると改善のためのアドバイスが確認できるのですが、自宅でよくお酒を飲む筆者は刺激物の影響でスコアが悪くなりがち。毎朝HRドロップの項目に注目し、回復が良好かどうかを確認するのが習慣になりました。「回復的な睡眠」はレム睡眠と深い睡眠の割合で、睡眠の早い段階でHRドロップに至るかどうかが関連しています。

心拍数から回復を評価

「回復レベル」をタップすると回復スコアの詳細画面に。回復スコアと推移、回復スコアを決定する「安静時心拍数」「皮膚温度」「7日間のHRVフォーム」「昨晩の心拍変動」などの指標、HRV(心拍変動)の7日間の移動平均トレンドのグラフ、就寝時のHRVのトレンドグラフを確認することができます。HRVは心臓の拍動間隔の変化を表す指標で、高い状態ほどトレーニングと回復のバランスがとれていることを示します。

使用を開始してから回復スコアは75~85程度とまずまずなのですが、安静時心拍数が高めなのが気になるところ。アルコールなど刺激物の影響があったり、有酸素運動により改善するそうなので、今後注視していこうと考えています。

ワークアウトの記録にも対応

「ムーブメント」をタップすると、運動スコアと推移、歩数、アクティビティ、活動時間、消費カロリー、1週間のワークアウト頻度を確認できます。

リング単体でワークアウトの記録機能が充実している点に注目。現在はベータ版となっていますが、ダッシュボードから「+」ボタンをタップして「ワークアウト」を選択すると、「屋外ウォーキング」「キックボクシング」など70種類以上のワークアウトを記録できる「トレーニングモード」が利用できます。リアルタイムに心拍数を記録して、心拍ゾーンの分布や心拍数チャートの確認が可能。

ダッシュボードのVO2 Max(最大酸素摂取量)の項目をタップすると、ワークアウトの結果に基づくVO2 Maxの値や心血管の回復評価、1週間のトレーニングの心拍ゾーン分布など運動に関する詳細を確認できます。ちなみに、筆者の心臓年齢の評価は60歳とのこと。実年齢に近づくように精進します……。

健康状態を把握して改善につなげるレポート機能

アプリの「プロフィール」から「毎週のリングインサイト」の「洞察」を選択すると、週単位で睡眠・運動・回復を振り返るレポートを参照できます。各項目について「改善されたもの」「改善する必要があるもの」をまとめて提示し、改善のためのヒントも示してくれます。たとえば総睡眠を改善する方法として、「マグネシウムの最適な補充はあなたを長く眠らせることが知られています」というヒントが。

一般に健康管理アプリはさまざまな情報を提示してくれますが、それらをどう理解してどう改善するのかというアクションにつなげるのが難しい印象があります。Ultrahumanなら何を改善して何をするべきかを分かりやすく示してくれるので、健康に向けた行動変容を促す強力なツールになるのではないでしょうか。繰り返しになりますが、これらの機能を利用するのにサブスクの加入は不要。リング単体を購入するだけで利用が可能になります。

Ultrahuman Ring Airは同社ウェブサイトとソースネクスト、SB C&Sを販売代理店としてビックカメラ・ドットコム、ヨドバシ・ドット・コム、トレテク!ソフトバンクセレクション、Yahoo! ショッピング、楽天市場で販売。価格はオープンで、希望小売価格は5万9800円(税込)です。サイジングキットはAmazonなどで2000円(税込)で販売されていますが、ソースネクストではリング本体とサイジングキットをセットにして6万1800円(税込)で販売しています。

製品提供:Ultrahuman

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 インドから来たサブスク不要のスマートリング「Ultrahuman Ring AIR」レビュー 睡眠・回復の把握と運動の記録に優れる健康管理デバイス