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マレーシアの首都クアラルンプール近郊のパナソニック・スポーツ・コンプレックス・シャーアラムで、2022年7月16日に『2022 盆踊り』が開催され、約50000人を集めるというスケールの大きさで、日本と変わらぬ「BON ODORI」を踊る様子にネットを中心に驚きの声が上がっています。
1977年に駐在員やその家族のために日本人学校で開かれたのが最初だったというこの盆踊り大会。以来、毎年恒例のイベントとなり、約35000人が参加するまでになりましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で2年間開催されていませんでした。
2022年になって2年ぶりの開催となったこの盆踊りですが、マレーシア政府のイドリス宗教担当大臣が「宗教的な要素が含まれている」としてイスラム教徒の不参加を呼びかけたことにより、現地では賛否両論が飛び交う事態になっていました。
クアラルンプール日本人会や在マレーシア日本大使館が主催しているこの盆踊り。2021年11月にマレーシアに移住したYouTuberの山中ありささん(@malaypan_tv)に、参加した感想や現地の様子についてお聞きしました。
――マレーシアでの盆踊りが一大イベントになっていると知り、しかも1977年から開催していると聞いて驚きました。現地ではどのくらい知られているのでしょう?
山中ありささん(以下、A):知名度はかなり高いです。マレーシア人にとっても認知度が高く、私の配偶者の父は中華系で54歳なのですが、大きなイベントだと知ってました。インド系の19歳の女子大生も同様で、マハティール元首相が施行した「ルックイースト政策」の影響で、マレーシア人による日本人へのリスペクトや関心が高さが世代を超えて根付いていることが背景にあるかもしれません。もちろん、マレーシア在住の日本人の間では毎年恒例のビッグイベントなので、認知度はほぼ100%です。
――イドリス宗教担当大臣がイスラム教徒向けに「参加しないように」と呼びかけを行ったことで、何らかの影響はあったのでしょうか?
A:通達の影響は大きく、ネット上は騒然としてました。コロナの影響で、一時は有刺鉄線が街中に張られるような厳しいロックダウンが行われていたのですが、2年間の中止を経ての復活のアナウンスがあって、TwitterやInstagramなどでも期待感で盛り上がっていました。そこに大臣のムスリム参加自粛要請があって、SNSでも一時は「行かないほうがいいのかな」という投稿も多く上がっていましたね。
――参加自粛の通達に対して、マレーシア人や現地在住の日本人の反応はどうだったのでしょう?
A:「政治と宗教を結びつけないで」「イスラム教徒が外国文化のイベントの影響で信仰心が揺らぐことはない」といった批判が殺到していましたし、日本人からは「国同士の40年以上続く友好行事を止めないで」「起源は宗教的かもしれないが、現在宗教という意識のイベント参加者はいない」という意見が上がっていました。結果的に、話題が大きくなりすぎて参加者を増やすきっかけになったのかもしれません(笑)。ロックダウン以降で初の大規模イベントということもあって注目されていましたね。
【現在の状況】盆踊り電波悪くライブ配信ができなかったので、こちらで配信します♀️✨太鼓が素敵です!クアラルンプール日本人学校の生徒の皆さんの演奏らしいです!✨#マレーシア#盆踊りpic.twitter.com/LaBqtXqjPv—Arisa/山中ありさ (@malaypan_tv) July 16, 2022
――写真や動画を見ましたが、会場はかなり広そうですね。
A:毎年35000人来場すると聞いていましたが、2年間の中止を経ての開催ということで、とても盛り上がっていました! 盆踊りステージのやぐらのある広大な陸上競技場・サッカー場エリアとは別に、屋台エリアがあって、48ものテナントが終結したそうです。
――屋台にはどんなものが?
A:一風堂のラーメンやドトールのコーヒー、抹茶ドリンクやデザートなど、軽食レベルをはるかに上回るグルメ・デザートばかりで、とても充実していました!
盆踊りまとめますと下記です。・完全に日本・祭りというかもはやライブ・太鼓&盆踊り3ステージも聴けちゃう・ドトールコーヒーや一風堂など日本の盆踊りで食べられない豪華フード満載・行きはgrab可、帰りは1-2時間バス列に並ぶので早めの帰宅が◎#マレーシア#盆踊り#イベント#レポpic.twitter.com/OuvkiLFGbd—Arisa/山中ありさ (@malaypan_tv) July 16, 2022
――それはすごいですね! 盆踊りに参加された率直なご感想をお願いします。
A:人種問わず、みんなが楽しんでいました! 現代の日本では盆踊りに行くことはあっても実際踊りに参加する方は少ないイメージですが、マレーシアの盆踊りは不思議と積極的にイベントに参加しやすい雰囲気がありました。おかげで私も踊る人々の波に乗って思わず踊っていました(笑)。盆踊り、というよりライブ会場でファンが一体となっているような気分。マレーシアは多民族国家で、いろんな文化をリスペクトしながら暮らすのがマレーシアの文化。知らない人とも文化や民族の違いを超えて、人目もはばからず開放的に一緒に踊れたのがとても楽しかったです!
――YouTubeで現地に向かうバスの配信を拝見していたのですが、残念ながら現地の電波が通じなかったと……。
A:ツイートすら出来ず、生配信は泣く泣く中止にしました……。楽しみにされていた方々には本当に申し訳なかったです。盆踊りの様子を映した動画は、近日配信予定なのでぜひチェックしてほしいです。言葉ではなかなか伝えきれない規模や熱量を映像で体感してもらえると思います!
――2022年1月にYoutubeチャンネル『まれーぱんTV』を開設されていますが、今後どのような活動をしていこうとお考えなのでしょうか?
A:マレーシアで活躍する日本人インフルエンサーになることが目標です。嬉しいことに『まれーぱんTV』は開設から半年ほどでチャンネル登録者数は23500人になり、InstagramやTwitter、つい最近に投稿を始めたTikTokでも、それぞれフォロワーが毎日増えていて、多くの方々が応援して下さっているのを実感してます。
――現地での買い物やフードの動画を見ていると、マレーシアを満喫していらっしゃるのが伝わってきますし、コメントを見ていると英語が多いですね。
A:そうですね。「私は日本人です」と言うと、それだけで全世代にものすごく喜ばれますし、マレーシア人にとって店名や商品名など、何かしら日本語が入ると「おしゃれ」「信頼できる」「高級」「本物志向」というイメージを持たれるようです。どこでも暖かく接して頂けています。だから、『まれーぱんTV』では、マレーシア人にとって「愛する自国マレーシアをPRしてくれる日本人」として、日本人をはじめ各国の視聴者には「マレーシア旅行や移住に興味を持ったり情報収集のきっかけとなるキーマン」として、マレーシアの「今」の魅力を日本や世界へお届けできるようなYoutubeコンテンツを拡充していこうと考えてます。
――マレーシアからの架け橋を目指す、ということですね。
A:「なんだか、いろいろな場所で見かけるな〜あの人」という人を目指して、今後も活動していきたいです。まだまだヒヨッコYoutuberですが、応援よろしくお願いします!
――マレーシアについて知りたいなら、まず『まれーぱんTV』となるといいですね! ありがとうございました!
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