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どうもどうも、特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。
先日、ジャニーズ『KAT-TUN』の元メンバーの田口淳之介が女優の小嶺麗奈と、大麻所持で逮捕されました。
入手経路が比較的楽と言われる大麻ですが、実はこの大麻を国内で、さらには自室で栽培をしているという男性に出会いました。しかも彼は全盲という障害を背負っていたのです。
今回は、盲目の大麻栽培人・芹沢氏(仮名/35歳)に、なぜ大麻を栽培、精製、販売するというブラックマーケット精通するに至ったのかの話を聞いてみました。
丸野(以下、丸)「まず、ハンディキャップを負ってしまった経緯を教えていただけませんか?」
芹沢氏「趣味だったバイクで走っているときに、ちょうど子供が赤信号で飛び出してきて、ハンドル切っったんですが、歩道の鉄柵にバイクごと衝突したんですね。かぶってたのが半ヘルだったから、思いっきり顔面を強打して……。柵がまぶたを貫通して、角膜やられたんですわ、両目とも。それからは、2ヶ月間の入院。目をやられたので、18才で全盲になったんです。ジュニアさんやないけど、どこに鼻があって、どこに目があるのかがわからないくらい腫れあがって……」
丸「それは大変でしたね」
芹沢氏「何にも見えへんから、それからは荒れて、荒れて。母子家庭やったから、母親には悪いことをしました、ホンマに。自損事故やし、治療費を請求する先もない。外出するのさえ怖くなってね。光を奪われた生活は想像を越えてましたね。まずは自傷行為ですよ。壁を1日中殴ったりして、やることない。酒飲んでましたね、ずっと。そんな状態で、引きこもりは24才まで続きました。遊び相手はテレビとラジオ、酒だけです」
丸「ああ、それは……」
芹沢氏「でもね、そんな荒れた生活でも気がついたことがありました」
丸「なんですか?」
芹沢氏「五感のうちの視覚が奪われると、他の四感が研ぎ澄まされるんです。ほんの少しの物音、気配、味、触れた形状、匂いなど視覚以外の微妙な変化を見逃さなくなるんです。やることが何もないので、母親が中庭に植えていた花の世話をしはじめたんです。パンジーやシクラメン、ミント、育ちがいいものからはじめました。植物の知識をNHKの番組でつけて、最後には難しいバラまで咲かせました」
丸「ほほう」
芹沢氏「その頃には、母親が持病の肝臓で体調を崩し働けなくなりました。で、僕が“中途障害者支援施設”で働くことに……。そこでクッキーやパンを作って地域の催し物で販売したり、視覚障害者用の信号機を設けてもらえるように役所に申請に行くのも重要な仕事でした。卑屈だったから、働いてみるとすごく居心地が悪い」
丸「ああ、ブランクがあるから……」
芹沢氏「やっぱり最後まで水が合わず、辞めました。働くところもないし、在宅ワークでメール中心の業務と電話応対がメインになる仕事を目指すことにしました」
丸「志望の仕事に就くには、PCスキルが必要になるんじゃないですか?」
芹沢氏「ええ。点字ピンディスプレイ、点字プリンタ、オプタコン(触覚文字読取り装置)、点字のグラフィックソフトなどの高額機器を購入して、勉強をしないといけませんでした。それをやらないと、仕事はできない。全部含めて、およそ300万くらいですかね。ネットで親しくなった視覚障害仲間を頼り、紹介されたのが詐欺集団やったんです。購入代金は消費者金融から借りていたので、生活は破綻状態でしたよ。でも、障害年金もらってるので、小口融資の闇金融は金を貸してくれます。障害者手帳を預けてね」
丸「ああ、マズい展開ですね」
芹沢氏「そんなときです。この話をもらったのは……。僕の趣味がガーデニングやと知った金融会社のヤクザが持ち込んできました。大麻の栽培を。乾燥、精製して、マリファナ、ヘンプ、ガンジャ、葉っぱ、クサ、大麻樹脂(ハッシュ、ハッシシ、チョコ)、93、グラスなどにして売るというんです。厳しい取立てに怯える生活を脱出するには乗るしかなかったです。それが3年前」
丸「あ~あ」
芹沢氏「でもね、この大麻ってなかなか奥が深い植物なんです。まずは、大麻グッズを扱っているショップ店員を紹介してもらい、勉強です。彼から、栽培の手ほどきを受けました。元々、大麻草の種子を購入することは違法ではありません。多幸感を味わえるアッパーや鎮静作用のあるダウナーという高揚感を味わえる物質THC(テトラ・ヒドロ・カンナビノール)は発芽して初めて生成されます。購入してもいいが、植えたらアウトという代物なんです」
芹沢氏「それから、室内に大きなプラスチックの平型プランターに大麻の種を水栽培して、高圧ナトリウムランプで照らし続けます。大麻を短期間で育てられるんです。僕は押し入れで“棚栽培”をはじめました。意外にも、大麻はホームセンターで売っているものでも栽培できます。栽培場所は押入れの中で、空気循環のために扇風機や換気扇など設置します。栽培法は、あまり詳しく記載するといけないと思うので、割愛しますね」
丸「詳しくは書けないですね」
芹沢氏「発芽期、幼苗期、生長期、前開花期、開花期の5段階の成長期を経て、それぞれ育て方に変化をつけていきます。水に気をつけたり、二酸化炭素で成長を促進させたり、芽摘みしたり、といよいよ収穫時期を迎えます。全体の80%が茶色、赤色に変色していれば、1~2週間後で収穫です(※)。ハサミで切り取って、乾燥。これも難しいです。で商品として出荷。ウチのは上物で、1グラム6,000~9,000円で売れます。顧客は150人を越えて、毎月の売上が300万円をくだりませんね」
※注・彼をその道に誘ったフロント企業の金融屋が、週に数回チェックを行う。出荷ができるようになると“別部署”に回すという
丸「月の収入は?」
芹沢氏「約60万円ほど。この3年で闇金融などの借り入れは完済しました。他の国では医療目的にも使用されているし、酒なんかより健康にいい。日本は開放化が遅すぎますわ」
■
芹沢氏は最後に言った。
「植物の姿は見えへんけど、自分の手で育てると向こうから語りかけてくるような気がするんです。僕はこの大麻で、人を幸せにするのが夢」
彼が夢見る日は、果たしてやってくるのでしょうか?
(C)写真AC
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