「60年代は人生最良の時だった」


熱狂の60年代、スウィンギング・ロンドンを体験したマイケル・ケインはそう振り返る。1/5より日本公開されるドキュメンタリー『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっ飛ばせ!』のワンシーンだ。



階級意識の根強いイギリスでは、かつて労働者階級の人々は一人前の人間扱いすらされなかったという。「労働者階級の俳優に上流階級の役は無理」今では不動の名優であるマイケル・ケインも、若い頃は偏見の壁にぶち当たっていた。


しかし、時代は変化を見せはじめる――。才能に、生まれた階級など関係ない。世間はようやくそれに気付いたのだ。


コックニー訛りの若者たちは、いかにして未来を切り拓き、時代の主役に躍り出たのか。本作は、60年代当時のアーカイヴ映像に、現在のスターたちの言葉をのせたスタイルで時代を振り返る。


登場するのは時代の変化を先導したスターたち。ザ・ビートルズ、代表曲が本作のタイトルにもなっているザ・フーザ・ローリング・ストーンズドノヴァンといったミュージシャンや、モデルのツイッギー、ミニスカートを世に送り出したデザイナーのマリー・クヮント、カメラマンのデヴィッド・ベイリーなどなど。


監督のデイヴィッド・バッティは本作のために1600時間を超える映像素材を集め、マイケル・ケインとともに6年がかりで本作を作ったという。



【David Redfern Redferns Getty Images】


スウィンギング・ロンドンと聞けばゴキゲンなイメージがつきまとうが、本作に映し出されるのは時代の華々しい側面だけではない。パーティーは必ず終わるときが来る――。


「若さとは年齢ではない 心のあり方のこと」


過去を振り返る旅のおしまいに、マイケル・ケインの口から飛び出す至言の数々。彼が当時を“最良の時”と称したのは、決して懐古趣味からではないのがよく分かる。保守的な大人たちと戦い、自分たちの力で常識をアップデートさせた輝かしい功績こそが、最良だったのではないだろうか。“かつての時代”が最良だったとするならば、それこそかつての自分が戦った保守的な大人に、今、自分がなってしまう。


押し付けの常識や時代と戦う人たちは今の時代にも、どんな時代にもいるのだ。マイケル・ケインの言葉は、そんなあなたの心に響き、熱い勇気をもたらしてくれるはずだ。



【Photo by Stephan C ArchettiKeystone FeaturesHulton ArchiveGetty Images】



作品概要


『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』

2019 年 1 月 5 日(土)より Bunkamura ル・シネマ他全国順次ロードショー

公式サイト: mygeneration-movie.jp


監督:デイヴィッド・バッティ ナビゲーター、プロデューサー:マイケル・ケイン 出演:マイケル・ケイン、デイヴィッド・ベイリー、ポール・マッカートニー、ツィギー、ローリング・ストーンズ、ザ・フーほか 原題:MY GENERATION/2018 年/イギリス/カラー(一部モノクロ)/85 分/英語/PG12/日本語字幕:野崎文子/字幕監修:ピーター・バラカン

配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES



【Paul Popper Popperfoto Getty Images】


(C) Raymi Hero Productions 2017


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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 熱狂の60年代UKを描く『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』 世代を問わず“戦う者”に響く傑作ドキュメンタリー