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こんにちは。美女読書での初執筆となりますUmeといいます。
普段は大学で身体の機能や仕組みを学んでいます。自宅から大学までが遠いということもあって、電車内ではビジネス書を読む習慣ができました。
そこで気づいたのは、ビジネス書の中には「著者の体験談だけが主張の根拠となっていて、読者が同じように再現できるかのか怪しい」ものや、「科学的な根拠のないテクニックやノウハウばかり書かれている」ものがたくさんあるということです。
せっかく世界中の研究者たちによってたくさんの研究成果が生まれているのに、これでは私たちの生活に全然役立てられていないことになります。そこで健康科学や脳科学、心理学といったジャンルで、科学的根拠がある方法について書かれた本を探して読んでみました。
「”本当に効果がある方法”とのことですが、その根拠はなんですか?」
面倒だと思うかもしれませんが、僕はこう考えてしまうタイプです(笑)
これからは科学的根拠のある本を中心に、本当に効果があると言える方法について紹介していきますので、間違ったテクニックに騙されたくない人は、ぜひ今後の更新もぜひチェックしてください。
最近、ビジネス書では「集中するためには瞑想が~」「ジョブズが、グーグルが瞑想を取り入れ~」のように、瞑想・マインドフルネスについて書かれたものをよく目にしますよね。しかし、それらの本を読んだ人は、毎日瞑想を実践し続けられているのでしょうか。
今回紹介する本は『1分間瞑想法』。ヨガ・瞑想講師である著者は、「続かない瞑想には意味がない」と断言し、習慣化することの重要性を説いています。
そして習慣化するためのカギが、この本のタイトルである「1分間瞑想」なのです。
さて、まずマインドフルネスの意味ってなんでしょう? 答えは「今、この瞬間」に集中して、ジャッジをしないこと。
これだけでは分かりにくいですね。
ではやり方を知らないまま、1分ほど目をつぶってみましょう。(長いと思う人は20秒でも30秒でも構いません)
・・・
無心でいるつもりでも、頭の中で何か妄想してしまいませんでしたか?
「昨日会った人との会話」のような過去の出来事、「このあと何を食べようかな」といった未来の出来事かもしれません。
これが「今、この瞬間」に集中していない状態です。
そして「変えようのない過去」や「自分でコントロールすることができない未来」にとらわれている時間を減らし、「今、この瞬間」に集中して生きる時間を増やす取り組みがマインドフルネスです。
次に「ジャッジしない」とは何か。
先ほど目をつぶった時、「あの時は嬉しかったな」「あれやるの面倒だな」のように浮かんできた妄想に意味づけをしていませんでしたか? これがジャッジしている状態です。
良い悪いの判断をしない、言葉で意味をつけたり解釈したりしないことが「ジャッジしない」ということです。何か思い浮かんだ時は、「今、あの時のことを思い出したな」と第三者目線で眺めている状態を目指しましょう。
では、実践する方法を…と行きたいのですが、先に瞑想の効果を紹介します。
僕がこの記事で一番書きたかった箇所がついに来ました! 科学的根拠について気になるタイプの人は、一番読みたい箇所かもしれないですね(笑)
本書で紹介されているメリットの一部をご紹介します。読めばきっと瞑想を実践してみたくなるはずです。
「今ここにある時間」が増え、ストレスを感じるような思考が減っていくので、前向きになれます。
カルフォルニア大学の研究では、瞑想によってストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」を減らせるという結果が出ています。
瞑想を習慣化することで心身が安定し、免疫機能が上がり、病気になりにくくなります。
ウィスコンシン大学のメタ分析では、瞑想によって心身の健康がいずれも改善させ、免疫力が高まることが分かっています。
ストレスが減ることで自律神経が整い、睡眠の質が向上します。また、それにより疲れが取れやすくなります。
ユタ大学によると、瞑想に熟練するほど睡眠の質も良くなるそうです。
瞑想はひとつのことに集中する練習なので、目の前のことに意識を集中しやすくなります。その結果、趣味やスポーツ、仕事、学業など全てのクオリティが上がります。
ハーバード大学の研究では、脳が活発になり、集中力を保つための脳の部位が増えると発表されています。またカルフォルニア大学の研究では、テストの前にマインドフルネス瞑想を行うと成績がよくなったんだとか。すごい。
瞑想をすると思いやりが深まり、他人の気持ちに共感する力が高まるので、よい人間関係が築けるようになります。
ハーバード大学によると、脳の扁桃体(感情をつかさどる場所)が変化することで共感能力が上がり、親切な行動をとりやすくなったそうです。瞑想は脳の構造をも変えるんですね。
著者の吉田昌生さんは、この本の中で瞑想を習慣化することの大切さを何度も説いています。
その中で、カルフォルニア大学リュボミアスキー心理学教授の言葉を引用しています。
人間の幸福の約50%は遺伝に左右される。一方、財産や社会的地位を含めた生活環境は人の幸福に約10%程度しか貢献せず、残りの40%は意識的に日常の行動や振る舞いを変えることで最大化できる。
つまり「お金さえあれば…あの職業なら…」と思っている人は、実は、たった10%の幸福度にだけフォーカスして努力していることになるのです。
生活環境を自分の思い通りに変えるのは難しいでしょう。しかし日々の中に、小さな行動や思考習慣を増やすことは簡単です。そして心身を整える瞑想を習慣化することで、幸福度は格段に高まっていくのです。
それでは瞑想のやり方を具体的に見ていきましょう。
本書では深く瞑想する方法の3つの基本として
を意識することが大事だとしています。
難しくはないので1つずつ確認していきましょう。
瞑想の姿勢の基本は、背筋を真っすぐに伸ばすことです。背筋を伸ばすことで下腹が軽く引き締まり、内臓や神経が整い、胸が広がり呼吸もしやすくなります。
座り方はあぐらでも正座でも椅子に座っていても、安定して快適であれば大丈夫です。
上半身、とくに首や肩、頭、眉間の余分な力を抜いていきましょう。手の平の向きはどちらでもよいので、太ももの上あたりに置きます。目は軽く閉じるか、半眼で1点を見つめましょう。
呼吸は基本的に鼻で行います。心が落ち着いてリラックスしているとき、呼吸もゆったりしています。吐く息とともに余分な緊張、力を手放していきましょう。
呼吸は船のイカリのような役割をします。呼吸(今吸ってるな…)に意識を向けることで、雑念でそれた注意を戻しやすくなります。
最初に述べた「今、この瞬間」に集中し、ジャッジしないというポイントを覚えていますか?
瞑想では「無」になる必要はありません。本書では、瞑想の大切なことは
の2つであると述べられています。
瞑想は「脳の筋トレ」のようなものです。ダンベルの重さに抵抗して筋肉を収縮させることが筋肉のトレーニングです。
瞑想において雑念はダンベルのようなもので、それに気付き、それた注意を戻すことで脳が鍛えられるのです。
好きなことをやっている時、時間を忘れてしまったことはないですか?
ランニング、映画、登山など、大好きなことに没頭している時の状態。瞑想で目指すべきはこの一心不乱、無我夢中に没頭した状態です。
習慣化することで、日常生活の中で「今、この瞬間」に集中する時間が増えます。すると思考がクリアになり、幸せを感じやすくなるでしょう。
本書では、感情や思考、身体を整えるなど目的に合わせた瞑想法が数多く紹介されていますが、その中から思考が静まり、感情が安定する「呼吸瞑想」を実践してみましょう。
今、この瞬間に鼻、またはお腹で感じている呼吸に注意を向け続けてみましょう。
雑念が湧いてきてもジャッジせず、受け流して呼吸に意識を戻します。
コツは「お腹が今膨らんでいるな」「今吸っているな」と外から見ているような感覚で注意を確認することです。
習慣化ができてきたら、時間を少しずつ伸ばしてみてください。その分効果も大きくなるはずです。
間違っても最初から長くやろうとして三日坊主にならないように(笑)
では、僕も瞑想してきます! 次の記事でお会いしましょう。