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DXを推進するには、既存業務のデジタル化とクラウドの活用は避けて通れません。
しかし、クラウドの活用にはどうしてもセキュリティの問題がつきまとうものです。
そこで、2023年はデジタル免疫システムの最適化が重要な要素となると予想されています。
デジタル免疫システムとは、複数のセキュリティ技術を組み合わせ、企業のサービスやアプリケーションをセキュリティ問題から保護することを目的としたシステムの総称を指しています。
ただし、2023年のデジタル免疫システムは、単に強固なセキュリティを構築するだけではなく、より使いやすいUX(ユーザーエクスペリエンス)に最適化していく必要があるでしょう。
こうして最適化されたデジタル免疫システムを採用すれば、バグなどの障害から迅速に回復ができ、80%のダウンタイムを削減することが可能と試算されています。
デジタル社会においては、収集されたデータをもとに業務プロセスや作業を最適化し、組織の意思決定を加速させることが求められます。
そのためにはシステム内部の状態を、外部に出力される情報(データ)から推測する必要があり、そのデータから内部を調査する能力をオブザーバビリティ(可観測性)と呼ぶのです。
オブザーバビリティをうまく応用できれば、データを戦略的に利用でき、データドリブンな意思決定を迅速に行い、競争優位を獲得することができるでしょう。
アメリカの調査会社ガートナーが開発したAI TRiSMとは「Trust Risk and Security Management」、つまり、AI(人工知能)の信頼性とリスク、セキュリティ管理を意味するフレームワークです。
AI TRiSMを使えば、統計処理ではカバーしきれない、プライバシーや倫理面からの判断リスクへの対応や、判断に至ったロジックを可視化することにより、AIの信頼性を高めセキュリティ対策をはじめとするリスクヘッジがより的確に行えます。
同社によれば、「41%の組織が過去にAIのプライバシー侵害やセキュリティ・インシデントを経験したことがある。一方、AI TRiSMを積極的に管理している組織では、積極的に管理していない組織と比べ、より多くのAIプロジェクトを概念実証から実稼働に移行し、より多くのビジネス価値を達成している」とされており、その重要性は計りしれません。
経済産業省(以下:経産省)は、グリーントランスフォーメーションの促進に向けて、前年度対比20%増の8,273億円を予算として概算予算として要求しています。
これは、脱炭素に積極的に取り組む企業が賛同する「GXリーグ」の本格稼働に関する予算も含まれており、経産省はますますグリーンエネルギーに関する取り組みを強めているといってよいでしょう。
先ごろ発表された経産省のDXに関する取り組みをまとめた「デジタルガバナンス・コード2.0」の中でも、「SX(サステナビリティトランスフォーメーション:持続可能性を重視した経営方針への変革)」と「GX(グリーントランスフォーメーション:カーボンニュートラルの実現を目的として温室効果ガスの削減を目指し、脱炭素ガス社会経済への変革)」は大きな軸として捉えられており、今後DXを進める企業は、自社の利益拡大だけではなく、社会の中の一企業としての責任のもと、より社会に対するポジティブなアプローチが望まれます。
日本企業が今後国際社会で戦い抜いていくためにも、DXとあわせてSXとGXの推進は不可欠であり、2023年はそうした企業の取り組みがより大きく取り沙汰されるでしょう。
2023年の初頭にあたり、今年企業がおさせておきたいDXトレンドや、取るべきアクションについて紹介してまいりました。
日本全体で考えれば、特に中小企業のDX推進への取り組みは、まだまだ道半ばであることは疑いようもありません。
しかし、手をこまねいて見ているだけでは企業としての競争力は上がりませんし、やらなければならないことはどんどん増加し、さらに高度化していってしまいます。
ぜひとも2023年は、手を出せる部分からでも構いませんので、少しでも多くの企業様がDX推進に取り組まれることを、心より願ってやみません。
そして、DX推進に取り組まれる企業様にとって、いつでも有益な情報を発信し続けられる「DXportal®」であるよう、今年も誠心誠意取り組んでまいります。
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