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皆さんはこんな話を聞いたことがあるでしょうか?
バケツの中に、大きな石と砂を入れる場合、どちらを先に入れるか。
先に砂を入れてしまうと、大きな石を入れた時は砂の上にのっていく状態になるので、あまり入らなくなってしまいます。
一方、先に大きな石を入れてから砂をいれれば、石の隙間に砂が入っていくのでより多くの量を入れる事ができます。
つまり、先に大きいものをいれた方が沢山のものが入るのです。
……がしかし、スキンケアでは逆です。
というのも、上の例で言えばスキンケアの場合は既に大きな石(角質細胞)が沢山あるところに、砂だけ流し込む作業。
しかも、大きな石の隙間はかなり小さいので、細かい砂でも目詰まりを起こしてしまいます。
そのため、なるべく小さいものから入れないと、浸透させられる成分が少なくなってしまうのです。
スキンケアコスメのメインといえば、化粧水と乳液。保湿という点で言えば、最初に化粧水で水分を入れて、その後で乳液によるフタというのは正しい順序。
しかし、保湿だけではなく肌に美容成分を浸透させようとすると、この二つはなるべく後回しにした方が良くなります。
というのも、化粧水や乳液による保湿は、肌のバリア機能を高めるためのもの。
肌にとってバリア機能が高まるのは良い事なのですが、このバリア機能は肌に入れたい美容成分の浸透も妨げてしまう働きをしてしまうので、肌のコンディションを整えた後で美容成分をいれようとしても難しいのです。
肌に浸透させたい美容成分を先に入れて、そのあとで保湿を行うような流れでスキンケアを行うようにしましょう。
ここからは、具体的にいくつかの種類の美容成分を、使うべき順序別に紹介します。
一番最初に利用するべき美容成分は、EGFを始めとした成長因子。成長因子によるスキンケア効果が期待できる「ヒト幹細胞培養液エキス」や「プラセンタエキス」も同様です。
成長因子は肌の深い部分にある細胞に届ける必要があり、かつペプチド化という技術により分子が小さく、浸透しやすくなっているものが多いので、真っ先に使うようにすると効果的です。
上記以外でも「ペプチド」と表記される美容成分の多くは早めに使って浸透させるようにすると効果を得やすくなります。
次に使うべき成分は、シミを薄くする目的の美白成分。シミは肌の深い部分でメラニンが定着してしまっているもののため、なるべく肌の深くまで成分が届けられる最初の方のタイミングがベストです。
深いシミの部分まで届かなくても、美白成分は肌の色素を解消するのでくすみを薄くする効果が発揮されます。
高い抗酸化作用を持ち、肌のダメージを持つフラーレンなどは、なるべく肌内部に留まらせたいので早めに利用しましょう。
フラーレンについてはビタミンC誘導体と一緒に利用する事でより効果を発揮しやすくなると言われています。
セラミドやナノ化ヒアルロン酸など、肌内部に浸透して保湿する成分は、肌の奥まで届けるべき美容成分の次に利用しましょう。
肌内部の保湿力を高める事で、より健康な肌作りをする事が可能となります。
レチノールなど、肌へのピーリング作用によってターンオーバーを促進する成分は、後の方に利用しましょう。保湿より先に利用してしまうと肌が強いダメージを受けやすいため、あまり最初の方に利用しない方が良いと言えます。
オイル系のケアは、基本的に肌へ膜をはって保湿する効果ですので、一番最後に利用します。
オイルではなくクリームや乳液なども、保湿目的として使う場合は一番最後にしましょう。
ここまで、美容成分と油分の順序を紹介しましたが、単純な水分の補給については特に無くても大丈夫です。
水分は体内からもどんどん供給されますし、そもそも洗顔で水をつかっているように、ただ水分を肌追加するという意味はあまりありません。
化粧水は単純な水分ではなく、美容成分やグリセリンなど保湿成分を目的としたものなので、化粧水を使う場合も肌に取り入れたい有効成分から、順序を決めると良いでしょう。
ここまで、美容成分をなるべくしっかり浸透させるための順番を紹介してきましたが、実はもう一つ、スキンケアコスメを使う順番で重要なポイントがあります。
それは、一番自分の肌トラブル解消に期待しているものからつけるという事。
上で紹介している通り、肌に浸透させる美容成分は、後の方になるほど浸透しにくくなっていきます。持っているスキンケアコスメの美容成分を、万遍なく利用するためには小さいものから大きいものという順序にした方がいいのですが、例えばシミ解消にハイドロキノンやビタミンC誘導体を使いたいなど、目的がはっきりしている場合はその美容成分を真っ先に利用した方が効果を得やすくなります。
肌はすぐ満腹になってしまうので、好きな物、欲しいものから使うようにしましょう。