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「びまん」とは「一面に広がる」というような意味で、頭髪が一部だけ薄くなるのではなく、全体が少しずつ、均等に薄くなってしまう症状の事を指します。
男性の「薄毛」は男性ホルモンの影響により髪が前の方から徐々に薄くなっていったり、頭頂部から薄くなっていくタイプであって、頭髪全体が薄くなるびまん性脱毛症とはとくに女性に多い薄毛の症状です。
女性の薄毛としてはびまん性脱毛症以外にも、過度なストレスなどによっていわゆる10円ハゲの「円形脱毛症」という症状となる場合がありますが、円形脱毛症が局所的に脱毛して薄くなってくのに対し、びまん性脱毛症は全体的に減少して髪が薄くなっていくという違いがあります。
びまん性脱毛症の主な原因は、髪が育つ「ヘアサイクル」が乱れ、頭髪が十分に育たないまま抜け落ちてしまう事です。
通常、頭髪は2~5年程度の「成長期」の間、太く長い髪の毛として成長を続け、その後成長が止まって「退行期」となり抜け落ち、毛穴から髪が生えていない「休止期」が半年ほど続きます。
しかし、ホルモンバランスの乱れなどによってこのヘアサイクルが乱れてしまうと、充分に髪が成長しないまま抜け落ちてしまったり、髪が太くならずに細い状態のままったりという状況になり、頭髪全体が薄い「びまん性脱毛症」の状態となるのです。
ヘアサイクルを適切な状態に保つ事は男女問わずヘアケアのために大切な事。
そのためにはヘアサイクルが乱れる原因を解消する事が重要となりますが、特に女性に多い原因を中心に紹介します。
女性ホルモンの一つである「エストロゲン」は、女性らしい髪質や体型を作るために重要な役割を持っています。
エストロゲンは毛の成長に大きく関わっていて、分泌量が減少するなど影響が低下すると、健康的なヘアサイクルが保たれなくなってしまいます。
女性ホルモンは加齢、特に閉経などによって大幅に減少してしまうため、これがヘアサイクルを乱す一つの原因となります。
女性ホルモンが頭髪を美しく保つために働くのに対し、男性ホルモンは皮脂の分泌などを促してヘアサイクルを乱してしまう原因にもなります。
男性ホルモンは「戦うためのホルモン」という役割であり、ストレスなどがかかると生き延びるために影響が強くなる性質がある事から、精神的なストレスや環境変化によるストレスがかかると、女性であっても男性ホルモンの分泌が増えて、男性ホルモンの働きが強くなってきます。
このホルモンバランスの乱れが正常なヘアサイクルが乱れていく原因となるのですが、女性の社会進出によりストレスがかかりやすくなった現代で瀰漫性脱毛症が増えている原因の一つとも言えます。
また、強いストレスがかかると体がストレスから身を守るために「亜鉛」などの栄養素を大量に消費するのですが、亜鉛は頭髪の育成にも欠かせない成分。
亜鉛など栄養成分が消費されてしまう事で、髪の育成が不十分になるというのも原因の一つです。
「髪を美しく保つ」という触れ込みで、世の中には数多くのヘアケア商品が出回っています。
もちろん、それぞれのケア商品を利用する事で頭皮環境を整えたり、髪のキューティクルをケアしてキレイな髪の毛を作るなどの美髪効果を得られる事は確かなのですが、それぞれを過剰に利用してしまうなど、利用方法が適切でなければヘアサイクルを乱す原因となります。
とくに女性の場合は長い髪をケアするため、油脂分の多いトリートメント剤を利用したり、パーマやカラーを頻繁に行うという傾向がありますが、この時に利用される薬剤などが頭皮に付着すると、頭皮の細胞にダメージを与えて乾燥しやすくなり、ヘアサイクルが乱れる原因となります。
髪を育むための材料となる栄養成分は、基本的に全て例外なく食事によって摂取しています。
ダイエットのために食事制限をしたり、そもそも食事量が少ないために食べる内容も偏った内容になってしまいがちな女性では、充分に栄養成分が摂取できず髪の育成が出来ないという状況になりがちです。
びまん性脱毛症はヘアサイクルの乱れで髪の毛が弱くなってしまう症状なので、髪が薄くなり始めたタイミングであれば回復もしやすい症状。
しっかりと改善するためには早めの対策や治療必要となります。
びまん性脱毛症の改善として、まず最初に行うべき事は毎日のヘアケアの見直し。
強すぎるシャンプーの利用や、頻繁な洗髪。トリートメントなど頭皮に悪影響となる成分の頭皮への残留など、間違ったヘアケアはすぐに直しましょう。
正しいヘアケア方法は、簡単に言えば下記のポイントを守ったケア方法になります。
・シャンプーは1日1回、夜に行う
・洗った後で頭皮が痒くなるくらいに強い洗浄力のものを使用しない
・頭皮の毛穴につまった皮脂はしっかりと洗い流す
・トリートメントやコンディショナーなどを頭皮に付けない
・ヘアケア用品は基本的にすべてしっかりと濯いで流す
・カラーやパーマは頭皮がダメージを受けている時は行わない
女性のびまん性脱毛症はホルモンバランスの乱れが大きく影響するため、ホルモン療法などによってバランスを整えるような治療も改善に効果があります。
最近では男性の薄毛治療だけではなく、女性の薄毛改善のための治療を取り扱っている皮膚科クリニックも増えていますので、まずは早めに相談してみましょう。
ヘアサイクルの乱れを引き起こす原因を解消するだけも、長期的にみれば髪は増えて元に戻っていきますが、ある程度進行してしまった薄毛の人では、中々元の状態まで髪を増やす事が難しくなります。
HARG療法であれば、髪の成長を促す因子と育毛成分を毛髪に与える事で、早く髪を成長させていく事ができますので、短期間での薄毛治療が可能となります。
ヘアケアの改善や医療機関による治療でしっかりと毛が生えてきても、ホルモンバランスの乱れを引き起こす強いストレスなどが改善されない限り、薄毛の症状は再発を引き起こしてしまいます。
ストレスは十分な睡眠など、正しい生活習慣を守る事でも軽減が可能となりますので、いわゆる健康的な生活習慣をとるように心がける改善も、とても大切です。
びまん性脱毛症はしっかりとしたケアを行えば改善できる症状。早めの対策で、美しくボリュームのある髪を維持しましょう。