たかが頭痛、されど頭痛。

ちょっとした頭の痛みでも、笑うだけで響いたり、ちょっとでも動くとズキンと痛みが走ったりと、日常生活を大きく妨げます。それが精神面にも作用し、イライラしたりネガティブなことを口走ってしまったりすることも。

この頭痛、楽にする方法はないのでしょうか。

生活の質を下げない、頭痛との付き合い方についてお伝えします。

 
天気が頭痛の引き金になる!?


気圧の変化や天気の変化で頭痛が起こること、ありませんか。「今日は気圧が低いから、体調が悪い」「頭が重い」という話はよく聞きますし、実際に体験している人も多そうです。

季節の変わり⽬や梅⾬など、気象の変化によって引き起こされる体調不良は⼀般的に「気象病」と呼ばれています。

症状は、倦怠感や肩こり、めまい、頭痛、関節痛など。その中でも痛みを伴うものを「天気痛」といいます。

「天気痛」の代表格が頭痛です。天気の変化に伴う頭痛の原因は、耳の奥にある内耳。この内耳は気圧を察知する働きをし、温度や湿度、気圧が大きく変化すると、内耳の気圧センサーが作動して自律神経が乱れ、頭痛が起こります。

天気の変化による頭痛は片頭痛持ちに多いという特徴があります。また、冷えやむくみがある人、乗り物酔いしやすい人も天気痛を感じやすい傾向にあります。

 
日本人の4割が頭痛持ち


ある調査によると、日本では成人の約4割が頭痛に悩んでいるそう。2005年に開催された第12回国際頭痛学会によれば、頭痛による⽣産性の低下で、⽇本の経済損失は毎年2,880億円に上るという試算になるのだとか。

話題には上らなくても、頭痛で悩んでいる人が周囲にたくさんいそうです。

頭痛は外からは見えにくい不調ですが、本人はとても辛いもの。いつものように思考できないのはもちろん、人の声が頭に響きつい「静かにして」と言ってしまったり、イライラが態度に出てしまったりすることも。

また、楽しみにしていた約束があったのに、頭痛のせいでキャンセルせざるをえなかったり、仕事をがんばりたいのに頭痛のせいでパフォーマンスを発揮できなかったりという経験をしている人も多いでしょう。

頭痛が原因で起こる不都合をなんとか回避したいですよね。

 
症状別・頭痛の種類と対処方法
頭痛は、命に別状はない一次性頭痛と、脳出血やくも膜下出血などの命に関わる二次性頭痛に分けられます。一次性頭痛はさらに3つに分類され、それぞれ原因や対処方法が異なります。

また、漢方薬でも症状をやわらげたり改善できます。

・片頭痛→呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
・三叉神経・自律神経頭痛→五苓散(ごれいさん)
・緊張型頭痛→葛根湯(かっこんとう)

使用する漢方薬は症状や体質によって異なり、医師が診断の上でさまざまな漢方薬を組み合わせて処方します。漢方薬を使ってみたい人は、医師に相談してみましょう。

 
來村先生おすすめ・頭痛ダイアリー


「らいむらクリニック」の院長で頭痛専門医でもある來村昌紀先生によると、頭痛頻度の多い人は「頭痛ダイアリー」を書くと自分の頭痛の傾向を知る助けになるそうです。

頭痛ダイアリーといっても、やることは簡単。頭痛の特徴を探るために、以下の情報をスマートフォンやノートにメモするだけです。

・頭痛が起こった時に何をしていたか?
・⽉経前後かどうか
・どうしたら改善したか?
・その時の天候
・飲んだ薬に関する情報
・睡眠時間

こうして記録することで、寝不⾜や寝過ぎなど不規則な睡眠、⽉経周期との関係など、自分の頭痛の傾向が分かってきます。

具体的な頭痛の原因やパターンが把握できれば、⽣活を正す、生理中には⼤切な予定を⼊れないようにするなど、頭痛とうまく付き合っていきやすくなるはず。

「頭痛ダイアリー」で⾃分の頭痛の傾向を知り、⽣活習慣を整え、必要な時は薬を使いながら、生活の質を上げていきましょう。

 
医師の診断を受ける目安


 

市販薬や月経ダイアリーの利用でもある程度の対策はできそうです。しかし、市販薬が効かない人や、効いても1か月に3日以上薬を飲むような頭痛がある場合は、一度病院を受診しましょう。

また、今まで経験したことがない頭痛が続いたり、痛みや頻度が悪化する場合も、早めの診察が必要です。

「とはいっても、今は頭痛がしていないし、具合が悪くないタイミングで受診するのも……」

と思う人もいるでしょう。受診したときに頭痛がなくても大丈夫。相談というかたちでも受診できますし、かかりつけ医に悩みを知っておいてもらえば、いざという時も安心です。

 

かかりつけ医がないという人は、これを機にかかりつけにしたい病院を探してもいいかもしれません。

「頭痛なんて」と軽く考えず、できる限りの対処をして生活の質を上げていきましょう。
情報提供元: ANGIE
記事名:「 頭痛の特徴を知りうまく付き合う、頭痛ダイアリー活用法