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UploadVRがDICE Summit 2017でのOculusコンテンツヘッドJason Rubinのコメントを掲載した。これは彼がVR業界のオープンプラットフォームに関する質問に答えたときのやり取りだ。
Oculusストアにあるコンテンツは、Oculusのプラットフォームでしか利用できない。非公式ツールであるReViveを使えばHTC Viveでプレイすることもできるが、この方法はかつて使用不能になったこともある。
このときにReViveが使えなくなったのは海賊版対策に巻き込まれたためとされている。現在はReViveによってOculus用のコンテンツをプレイできるが、あくまでも非公式な方法であることは認識しておくべきだろう。
DRM制限が解除されてからは、黙認という形が続いていた。しかし、今やOculusのエンジニアが「ハック」した場合に発生するトラブルの対処をしているという。もはや黙認以上の関係なのかもしれない。
Rubinはコメントの中で、彼自身が「ハックをしている」Viveユーザと一緒にOculusストアで販売されているDead and Buriedを遊んでいると語った。Dead and Buriedでは、ハックによってマイクの不都合が出るという。
Oculusはそれに対してハックを防止するどころか、不都合への対処を行っている。批判を受けてのことなのか、Oculusのコンテンツを囲い込む態度はかなり変わってきたと言えそうだ。
さらに、Rubinは「業界全体の問題であるオープンプラットフォームの考えに賛成している」と付け加えた。
RubinはOculusがVRのオープンプラットフォーム化に前向きであることを示すものとして、VRの標準APIを策定しようとするKhronosイニシアティブへの参加表明を挙げている。Oculusはオープンプラットフォームを支持し、そこに参加するという。
Oculusはオープンプラットフォームを支持するとしながらも、
「オープンプラットフォームは一つの企業によって作られるものではなく、オープンスタンダードで作られるべきです」
「オープン性を支持しないわけではありませんが、現時点では我々の考えに合うプラットフォームはありません」
とも語った。
ここでRubinの指摘した「一つの企業」は、Steamを運営するValveのことだろう。SteamのVRタイトルはViveだけでなくRiftでも利用できるため、Oculusストアよりもオープン性の高いプラットフォームとして評価されている。
Oculusも利益を上げなければいけない企業なので、ライバルとなるValveのSteamに素直に乗っかるわけにもいかないのだろう。
ユーザにとってはどのハードウェアからでも利用できる共通のプラットフォームが成長してくれるのが望ましい。それがSteamなのか、他のプラットフォームなのか、あるいは全く新しいものなのかよりも、その安定性が重要だ。
今回のコメントでOculusがオープンプラットフォームを支持していることは確認できたので、ReViveすら使えなくなるようなことは当面無さそうである。OculusストアでVRコンテンツを購入しているRiftユーザは一安心の内容だ。
プラットフォームの将来性に対する不安は、コンテンツ、ひいてはハードウェアの買い控えに繋がる。VRの普及と発展を考えるならば、業界一丸となって共通プラットフォームの設立に取り組んでほしいところだ。
商品開発でライバルと競争すべきときもあれば、消費者への浸透のために協力すべきときもある。そろそろ協力しても良い頃合いなのではないだろうか。Khronosグループの計画が成功することを祈らずにはいられない。この計画の成否はVR業界全体に大きな影響を与えるだろう。
参照元サイト名:UploadVR
URL:https://uploadvr.com/jason-rubin-vr-exclusivity-open-platform-never-created-one-company/
参照元サイト名:Khronos
URL:https://www.khronos.org/vr
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