コロプラの100%子会社である株式会社360Channelの運営する360度動画コンテンツ配信するプラットフォーム「360Channel」。



2015年11月に誕生してから約1年の短い期間でバラエティ、ドキュメンタリー、音楽、観光など番組数は20を超え、配信本数は100本以上に登る。

ユーザ数などの実数は公開されていないが、VR元年でいち早くVR動画番組に着目し運営を続けている。


番組の特徴として、普段は見れない場所への潜入動画や地上波さながらの豪華なキャストが顔を揃えるバラエティ番組など話題性高いコンテンツが目白押し。


番組制作をする上の予算やキャスティング案など、運営に関して取材を敢行。今回は株式会社360Channelの経営企画/プロデューサー中島健登氏にお受けいただきました。


株式会社360Channel経営企画/プロデューサー中島健登氏


360Channelの新規番組企画から制作・配信までの流れについて


──新規番組もしくは既存番組の続編を作る際に重要視する指標(KPIと設定しているもの)を教えてください。

中島氏:細かなKPIをお伝えすることは難しいですが「何が面白いか」を判断するうえで、ユーザー様から得ることができる数字というものは大事にしております。


黎明期からサービスを運営するメリットの一つでもあると考えております。


──こちらはつまりは再生数や視聴時間などが重要にされてそうですね。2016年でデイリーの再生数・再生時間が最も多かったコンテンツはなんでしょうか?

中島氏:はい、ANAの機体工場見学です。


──番組を構成するにあたって重要なキャスティングについて、決め手を教えてください。

中島氏:キャスティング=コンテンツ制作の決め手と捉え、それを前提としています。


これはVR化すると面白いだろうという企画ありきのものもあれば、その人、モノ、場所をVR化したいと考えるものもあります。


昨今のスマホでの動画ブームを考えると、平面で見る360度動画の面白さというものも考えていく必要もあると思っております。


──今回、ダチョウ倶楽部さんを使った番組でしたが、キャスティングの理由を教えてください。

中島氏:はい、ダチョウ倶楽部さんのキャスティングは「チャレンジ」だと思っております。


まだまだ黎明期であり何が面白いかわからないので、幅広い方々に慣れ親しまれているものをVR化できるのであれば、それはチャレンジして見たいと思ったのが発端です。



──番組予算はどのように決めていますでしょうか?また、予算の大小ある場合は最も予算のかかっている番組と獲得できた数値とのバランスはどうだったか教えてください

中島氏:正確な数字はお伝えすることは難しいですが、社内でKPIを設定しております。それに向けてコンテンツ制作しており、かけたコストに対してのKPIを見ています。


コストに関しては、映像制作をしている方であればなんとなくこれくらいかかっただろうなという概算はできると思いますが、思ったよりかけております。ここから、どんなコンテンツがいいのか、どう最適化していくのかを考えていく予定です。


──番組制作で一番苦労するポイントはどこですか?

中島氏:未だにこれは変わりませんが、体験していただかなければVRの良さが伝わらない点です。

VRで面白い映像が必ずしも平面で面白いわけではないので、幅広い方に興味を持っていただくうえでそこの葛藤はあります。


──番組は何人で、どのくらいの期間で作っていますか?

中島氏:徐々にコンテンツ制作チームの人員を増やしており、会社全体の人数は、数十人になりました。


制作期間は短いものだと今年のハロウィーンがあり、撮影から配信まで1日程度でした。


制作体制も充実してきているので配信量も更に増やしていければと思っております。


──男性ユーザと女性ユーザ、それぞれに対して意識している訴求ポイントはありますか?

中島氏:これは老若男女問わず考えておりますが「ドキドキする感覚」は訴求したいポイントの一つです。


工場見学のチャンネル


ユーザー様は「VR=体験」という意識が強いと感じており、工場見学のような少しギークなものから、その場で聞いているかのようなアイドルのライブ、また、バラエティの中でも少しセクシーなグラドルに誘惑されるコンテンツなど、「ドキドキ」を意識しながらも幅広いコンテンツ展開をしております。


また、こちらは女性のみという訳ではありませんが、アニマルカフェのコンテンツは凄くかわいいと思うので、お気に入りの動物たちに囲まれながらコンテンツを楽しんでいただけるといいと思います。


──360Channelの番組は現状、ほとんどが定点撮影だと思いますが、今後動きのあるVR動画にはトライしていきますか?

中島氏:はい、取り組みたいとは思っております。


既にあるコンテンツでターザンがありますが、今後はこういったコンテンツもチャレンジしたいと思います。


360Channelにもある程度コンテンツが増えてきていますので、なかには酔いを感じてしまう、動きのあるコンテンツもあってもいいかなとは思っております。


ターザン


──2017年に拡充していきたい分野の番組などありましたら教えてください。

中島氏:既に様々な領域に取り組んでおりますので、これといったものはありませんがVR、平面動画(平面で視聴する360度動画)に限らず、思わず見てしまうキラーコンテンツを作りたいと思います。


2016年はある程度の端末が出揃い、2017年は出揃った端末で動くコンテンツが充実していくフェーズだと思っています。そこでキラーコンテンツが出ればいいなと考えており、そのコンテンツをしっかりと我々から出せるようにしたいです。もし出せなかったとしてもしっかりとその動向は追っていきたいと思います。


2017年がVRにとって変化の年になることを楽しみにしております。


360Channel

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情報提供元: VR Inside
記事名:「 番組1本あたりの予算は?KPIは?今後の番組展開は?360Channelの裏側に迫る