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Meta社のプロダクトマネージャーであるSarthak Ray氏は、複合現実感(MR)によって周囲の世界を見て対話できるようになることで、VRの新しい可能性が開けるとというビジョンを明らかにしました。
同じ物理的な部屋にいる友人と遊んだり、巨大な仮想モニターと物理的なツールを組み合わせた生産性向上体験が可能で、ARに対する我々の長期的なビジョンに向けた一歩となります。
一般に信じられているのとは異なり、MR体験は、VR/ARデバイスが説得力を持って物理世界と仮想世界を融合させることができる場合に最も効果的です。
これは、VR/ARゴーグルが単に2Dのビデオフィードを提供する以上のことをしなければならないことを意味します。
上記の課題に対しMeta Realityは
・立体カラーパススルー
・シーン理解
・空間アンカーリング
により、よりリアルな複合現実体験を実現するものです。
Meta社は、快適で没入感のあるMR体験を提供する上で、カラーパススルーとステレオスコピック3D技術が重要だと考えてきました。
この点について、Metaのコンピュータビジョン技術マネージャーのRicardo Silveira Cabral氏は以下のように説明します。
Meta Quest Proは、2つのカメラビューを組み合わせてリアルな奥行きを再構築するため、カラーパススルーを使って構築された複合現実感体験が人々にとって快適です。
また、奥行きの再構成が完璧でない場合やシステムの範囲を超えている場合でも、ステレオテクスチャの手がかりにより、ユーザーの脳が残りの部分を行い、奥行きを推測することができます。
初期の消費者向けスタンドアロンVRゴーグルのトラッキングシステムでは、部屋の中でのヘッドセットの位置を決定するために100の関心点しか捉えることができませんでした。
その点、Meta Quest Proでは、異なる照明条件下で毎秒最大10,000の関心点を生成できます。
このデータを使って、現実環境の画像を生成する予測レンダリングフレームワークを作成し、物理空間に重ね合わせる3D表現をすべてリアルタイムで作成することが可能です。
Connect 2021のイベントにおいて、シーンを意識したMR験を作成することができるScene Understanding(シーン理解)コンポーネントが紹介されました。
シーン理解は以下の3つにより行われます。
・シーンモデル:床、天井、壁、机、ソファなど幾何学的・意味的な情報からなる環境の表現
・シーンキャプチャ:シーンモデルを生成するために、ユーザーが歩き回り、部屋の構造や家具をキャプチャできるシステムガイドのフロー
・シーンAPI:コンテンツの配置、物理、ナビゲーションなど、様々なユースケースのために、アプリケーションが空間情報にアクセスするためのインターフェース
シーンAPIを使用すると、コンテンツ開発者はシーンモデルを使って、実際の部屋の物理的な表面で仮想のボールを跳ね返したり、物理的な壁をスケールできる仮想ロボットを動作させることができます。
Meta Quest Proプラットフォームのコア機能であるSpatial Anchorsを使用することで、開発者は最高品質のMRコンテンツを簡単に作成することができます。
Gravity Sketchのようなプラットフォームを使って、複数の3Dモデルを物理的な空間全体に簡単に固定し、製品のためのシームレスな環境を作り出すことも可能です。
Meta社のプロジェクトマネージャーLaura Onu氏は、「シーン理解と空間アンカーを組み合わせることで、MR体験をユーザーの環境にブレンドして適応させ、可能性に満ちた新しい世界を作り出すことができます」と語ります。
さらにMetaは、プラットフォームに共有空間アンカー機能を追加しました。
これにより、同じ空間にいる他のユーザーとアンカーを共有することで、ローカルなマルチプレイヤー体験を実現することができます。
例えば、友人と物理的なテーブルの上でVRボードゲームをプレイすることができるようになるとのことです。
Meta社が新しいMRシステム「Meta Reality」を発表しました。
ビデオパススルーを活用したMR体験となりますが、より高品質なものを消費者向けに提供していくことを構想しているようです。
この動きはAppleやMicrosoftといったMR体験の開発・提供を行うライバルを見据えたものと考えられます。
ただ、「Meta Reality」という名称はMeta社が注力しているメタバースとの混同を招きそうだという危惧があるようです。
それ以上に、Meta-Reality自体が既に存在しているテクノロジーの名称であり、そうしたネーミングを使用することに対する疑問の声も生じるかもしれません。
Meta社が提供する複合現実体験である以上当然のネーミングですが、実用化・商品化の前にクリアすべき壁が多くなりそうです。
「Meta Reality」のビジョンは優れているので、問題点をスッキリさせてさらなる研究開発に邁進して欲しいですね。
参考:Meta Unveils Its Meta Reality Mixed Reality System[VR Scout]
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