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HTCはVR事業に力を入れており、スマートフォン事業での不調をこの新しい業界での成功によって乗り越えようとしている。
今年の3月には、過去に中国市場に向けて年間200万台のスマートフォンを製造していたという上海の工場を中国企業に売却したことも伝えられた。売却額は6億3千万元(103億円)とされており、この売却によって得た資金はVR事業への投資に使われているはずだ。
先日完全な売却も含めてVR事業の先行きを検討しているというニュースのあったHTCだが、VR事業ではなくスマートフォン事業を売却する可能性も出てきた。一説では、Googleへの売却に向けて交渉の最終段階にあるとされている。
かつては世界的なスマートフォンメーカーだったHTCだが、同社のスマートフォン事業は不調の真っ只中にある。最新スマートフォンU11の売上も振るわず、8月の売上高は過去13年間で最低となる30億台湾ドル(108億円)だったという。
この金額は7月と比べて51.5%、昨年の8月と比べて54.4%となっている。昨年に比べて落ち込んでいるのはともかく、1ヶ月で売上がほぼ半減してしまったことになる。
HTCの発売した最新スマートフォンU11の販売台数は明らかにされていないが、どうやらその需要のピークは既に過ぎているらしい。
Digitimesが市場筋からの情報として伝えたところによれば、需要のピークは7月だったという。8月に入ると販売台数は大きく落ち込んだようだ。
売上高の減少を見ると危機に瀕しているHTCのスマートフォン事業だが、同社は第3四半期全体で見たスマートフォン販売台数に対して肯定的な態度を取っている。
9月にもGoogleに対して次世代Pixelスマートフォンの出荷を開始する可能性があり、この端末がスマートフォン出荷台数を大きく引き上げる可能性があるからだ。
ただし、現時点ではHTCの8月までの売上高は前年に比べて14.4%減少して390億8,600万台湾ドル(1,410億円)になっているという。
第一世代の人気からしてもPixelが期待のブランドであることは確かだが、決して楽観できる状況ではない。
先日の情報ではVR事業の売却またはHTC本体からの独立の可能性が伝えられたHTCだが、今回は同社の基礎となるスマートフォン事業を売却する可能性まで浮上している。しかも、情報が正しいならば既に売却に向けた交渉の最終段階だという。
DigitimesがHTCのスマートフォン事業を引き継ぐかもしれない交渉相手として名前を挙げているのはGoogleだ。
実際に売却に向けた交渉が行われているのか、行われているとしてどの程度交渉が進んでいるのかは不明だが、あり得ない話ではない。
GoogleとHTCは、既にGoogle Pixelの製造で繋がりがある。出荷が近いとされているPixelブランドの次世代スマートフォン開発もHTCが行っているとされているので、その関係は続いているだろう。
Googleは現在、HTCと戦略的パートナーの関係となるか、スマートフォン事業を買い取るかということも含めて検討を重ねているとされている。
ただし、GoogleがHTCそのものやVive VR事業を買収することはないとのことだ。この買収でGoogleに移動するかもしれないのは、HTCの事業の一部であるスマートフォン事業に限られている。
この情報が正しければ、GoogleはPixelブランドのスマートフォンを自社内で開発・製造することができるようになる。GoogleがDaydream VRやARCoreといったプラットフォームを普及させる上で、オリジナルのハードウェアを作る能力は役に立つはずだ。
Googleの側から見ると、HTCのスマートフォン事業を購入することはあり得る選択肢である。
一方で、事業を売却したHTCにはかなりの資金が渡るはずだ。同社は現在VR事業に力を入れているが、Viveは低価格で勝負するOculusRiftに追い上げられている。
Viveのプロモーションや新型ヘッドセットの開発などに投資する資金が欲しいHTCにとっても、スマートフォン事業の売却はメリットがある。
HTCは既にスマートフォンを製造する工場の売却も行っているので、ついに事業全体を手放すことになったとしても意外性は低い。
交渉が進んでいるというのが事実であれば、近くスマートフォン事業に関する何らかのアナウンスがあるかもしれない。
参照元サイト名:Digitimes
URL:http://www.digitimes.com/news/a20170907VL202.html
参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/report-htc-looking-sell-smartphone-business-google/
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