Acerの360度カメラ2種


8月30日、Acerは2種類の360度カメラを発表した。


この二つのカメラに共通する特徴は、本体を直接LTEに接続できることだ。


これまでの360度カメラでは撮影した映像を有線でスマートフォンやパソコンに送るか、Wi-Fiスポットやスマートフォンのテザリングを使って映像をアップロードしなければならなかった。しかし、Holo360とVision360ではカメラが直接LTEに接続する。


Wi-Fiスポットを探す必要もなければ、一度スマートフォンを経由させる必要もない。


Holo360



Holo360は今年の4月に開催されたNext@Acer2017でも紹介された360度カメラだ。Next@Acerではその存在と概要が伝えられただけだったが、今回は価格や発売時期といった情報も公開されている。


Holo360の機能


Holo360は、瞬間を追体験することを可能にする360度カメラだ。360度の映像を撮影してVRヘッドセットで視聴することで、過去のシーンを再び味わうことができる。あるいは、パーティーに参加できなかった友人にVR映像を共有することでその雰囲気を疑似体験してもらうこともできるだろう。


Holo360には、QualcommのSnapdragon 625モバイルプロセッサが搭載される。360度映像を撮影するだけでなく、本体を操作するための3インチタッチスクリーンとLTEネットワークへの接続機能も備えたオールインワンのVR配信用カメラだ。


ImmerVisionによって認められた光学部品により、6.9K(写真)、4K(映像)の高画質なデータを残すことができる。


3インチのスクリーンを備えているため、スマートフォンやPCがなくてもカメラだけで映像のプレビューが可能だ。LTEネットワークに接続できるため、SNSへの共有もカメラ単体で行える。


Next@AcerではAndroidベースのOSを搭載するとされていたが、Android 7.1を搭載すると発表された。


価格と発売時期


Holo360の発売時期は、2017年を予定している。


北米では11月に耐水ケースとのバンドルで発売され、価格は価格は429ドル(4.7万円)の予定だ。


ヨーロッパ、中東、アフリカ地域では第4四半期に発売され、価格は349ユーロ(4.6万円)からとなっている。正確な価格、発売時期は地域によって異なるという。


アジア地域での発売時期については情報がない。


Vision360



Vision360はHolo360とともに紹介されたAcerの360度カメラだが、思い出を残す・共有することを狙ったHolo360とは設計思想の異なる製品だ。


Vision360は、ドライブレコーダーとしての使用を想定している。


運転記録をクラウドに


自動運転車とまではいかずとも、ブレーキとアクセルの踏み間違えを防ぐ機能や自動ブレーキを搭載した自動車は既に販売されている。それでも無くならないのが交通事故だ。


目撃者のいない交通事故では、ドライブレコーダーに記録された映像が責任の所在を明らかにする決め手となることも多い。もしドライブレコーダーが正面だけでなく360度の映像を撮影できれば、その効果は大きいだろう。


AcerのVision360なら、ユーザの車の周囲360度を4K品質の映像で残すことが可能だ。


Vision360は、映像を証拠として使用するためにGPSによって撮影位置を付加して保存する。保存先は本体内部のストレージだが、証拠保全のためにクラウドにもアップロードが行われるという。LTEへの接続機能を搭載しているのはこのためだ。


事故が起きてしまった場合に役立つだけでなく、安全運転にも役立つデバイスだ。本体をフロントガラスに取り付けて、ドライバーの目の高さに車両の現在速度を表示できる。


駐車中も働く


自分が自動車を運転しているときだけでなく、駐車中に他の車にぶつけられてしまう事故もある。


Vision360は駐車中もユーザの車を見守っており、衝突があれば映像を記録してくれる。また、ユーザのスマートフォンに通知を送信するという。


VR映像の記録


360度映像を記録できるドライブレコーダーとしての機能を持つVision360は、VRヘッドセットで再生する映像を録画する普通の360度カメラとしての役割も果たせる。


家族での旅行の記録をアクションカム品質で残し、運転席にいる気分でその映像をチェックすることも可能だ。


価格と発売時期


Holo360と異なり、Vision360の発売時期や価格は発表されていない。


 


Acerが紹介している2種類の360度カメラはいずれもLTEに接続できるという特徴があるが、その機能や狙いは異なっている。


Holo360は1台でVR映像の撮影から共有まで完結するオールインワンのデバイスだ。価格は約5万円で安くはないが、手軽に利用できることからVR映像を初めて作成したいというユーザには向いているだろう。


一方のVision360は進化したドライブレコーダーだ。運転席からの映像を残すこともできるというが、自動車周辺の映像を撮影・保存するのが主な機能となっている。


自分が安全運転を心がけていても事故に巻き込まれる可能性はあるため、設置する価値はある。証拠映像を録画しておけば、犯人の特定や賠償の請求などで役立つだろう。


 


参照元サイト名:PR Newswire

URL:http://www.prnewswire.com/news-releases/acer-introduces-two-connected-360-degree-cameras-300511032.html


参照元サイト名:Android Guys

URL:http://www.androidguys.com/2017/08/30/acer-introduces-two-lte-connected-360-degree-cameras/


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 AcerがLTEに接続できる2種類の360度カメラを発表