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Simworksは4D効果の入った映画やモーションシミュレーションを活用したアトラクションの開発において、世界有数のリーディンカンパニーとして知られている。
今回のパラグライディングを体験するシミュレーションはロケーションベースのVRとして構想されているようで、完成すれば、両社の強みを活かしたアトラクションに仕上がりそうだ。
パラグライダーはスカイスポーツの1つだが、場合によってはエクストリームスポーツにカテゴライズされることもある競技だ。
パラシュートと繋がったハーネスを体に装着し、風を上手く捉えつつ飛行する。高所から絶景を楽しめることなどから、特に観光地での人気が高く、日本でも朝霧高原や鳥取砂丘など、広いスペースが確保できる場所で体験可能だ。
今回アナウンスされた「ParadropVR」においては、体験者はハーネスを装着し、上下に動くモーションシミュレーターに揺られながらVRフライトを体験する。
VR空間の中で体験者が突然がくんと急降下したり、減速したりすると、それに合わせてモーションシミュレーターも正確に動作するというわけだ。
さらにParadropVRは単にVRエクスペリエンスを提供するだけではなく、ゲームのようにプレイヤーが能動的に参加して特定の目的を達成するといった要素も含まれているようだ。
具体的には、特定位置に配置されたターゲットを通過するとユーザーにポイントが付与されるゲームシステムが導入される見通しだ。ポイントを多く稼ぎたいのであれば、ユーザーは正確にパラグライダーを操作して精度の高いフライトを目指さなければならない、というわけだ。
アトラクションと銘打たれている以上、流石にただ360°動画を体験するというわけではなく、プレイヤーが主体的にVRに参加できるよう工夫がなされているようだ。
Frontgridは現在、ParadropVRをテーマパークを始めショッピングモール、映画館、ボーリング場など様々な場所に導入しやすいように、アトラクションという性格に照らし合わせつつデザインを行っているという。
この他に、潜在需要が見込めるバイヤーに向けて提示するための複数のコンテンツオプションや、運営コストを削減しつつ効率よくプレイヤーを入れ替えることが出来るようなアトラクションの構造設計などに取り組んでいる。
ではこうした取り組みを続けるParadropVRを実際に体験できる日はいつ来るのだろうか。
Frontgridは稼働予定日について明言はしていないが、同社CEOであるMatt Wells氏のコメントによれば、ParadropVRは今年度9月に開催予定の「Euro Attractions Show 2017(EAS)」に出展され、お披露目される予定だという。
とはいえ一般ユーザーが、アトラクションとして設置されたParadropVRをテーマパークなどで楽しめるようになるまでにはもう少し時間がかかりそうだ。
Matt Wells氏はParadropVRに向けた期待感を以下のよう言葉で語っている。
「ParadropVRは全く新しいコンセプトで制作されており、(EASの)展示会で公開されればオペレーター達に強い関心を引かせることが出来るものと確信しています」
ParadropVRが実際にパラグライディングをおこなって撮影された画像や360°動画を使用するのかどうかは明らかにされていない。またゲーム画面も公開されていないため、ParadropVRの詳細には現段階では不明な点も多い。
スカイスポーツに近いVR体験を提供するものとして、VRスカイダイビング体験プラットフォーム「Tunnel Vision」が存在しているが、空を飛ぶという体験は非日常的であるからこそ、VRで是非体験してみたくなるもの。
個人的にはParadropVRに、ユーザーを上下に動かすだけでなく、VR空間内での移動に伴って体に風が吹き付けられる等のシステムが盛り込まれていれば、より没入感が高まると思うのだが、いかがだろうか。
参考URL:
FrontGrid
http://www.frontgrid.co.uk/
VRfocus
https://www.vrfocus.com/2017/08/location-based-vr-experience-simulated-paragliding/
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