- 週間ランキング
インディーデベロッパーのNK氏によって、ARKitを用いたゲームデモ動画が公開された。
これは街中を舞台にしてミステリーゲームをプレイする内容で、ARによって街中に構築されたステージ内を歩き回りながら、アイテムを探したりバトルをする内容だ。
アップルのAR開発キット、ARKitを用いて制作したこのデモでは、壁に表示されたQRコードをスキャンすることによってゲームが始まる。
ゲームが開始すると、道路上のあちこちにゲームのオブジェクトやキャラクターが表示され、プレイヤーはそれらとインタラクトしたり、地面を歩き回るキャラクター達とバトルすることができる。
I've been experimenting with making ARKit artwork and games tied to a location. Looking for feedback and collaborators! pic.twitter.com/lIxnGnzoGH
—from the future (@nk) 2017年8月22日
このデモでは、QRコードをスキャンすると道路上に小さなキツネが現れ、画面下にはセリフが表示される。曰く、モンスターによって仲間を連れ去られてしまったので、仲間を連れ戻す手助けをしてほしい、とのこと。
後ろを振り向くと、そこにはゲーム内のオブジェクトやキャラクターたちのホログラムががあちこちにAR表示されており、プレイヤーはキツネの仲間の居どころを探るべく手がかりを見つけ、そこからモンスターとのバトルが始まるという内容だ。
「ポケモンGO」のようにスマートフォンのカメラを通してゲームをプレイするという形式だが、本デモではゲーム内に登場するオブジェクトやキャラクターの数がより豊富だ。
また、QRコードをスキャンしてゲームをプレイするというやり方も、観光地や町おこしなど様々な用途に使えそうだ。
A little physics demo with vertical planes pic.twitter.com/z2LvRU0hDN
—from the future (@nk) 2017年8月23日
NK氏はこの他にもARKitを用いたデモを複数制作しており、たとえば地下鉄構内の線路にボールのホログラムが飛び跳ねながら線路に落ちていくデモを制作している。
本デモはゲームコンテンツではないが、スマートフォンによって空間スキャンしたデータを基に、まるで実物のボールが線路内に落ちていくような感覚でリアルに再現している。
普段何気なく利用している地下鉄駅や、様々な施設の装飾としても活用できそうで、その他にもNK氏が作成したARKitのデモは彼のツイッターアカウントから閲覧できる。
これらのデモはプロトタイプであるためリリースに関しては定かではないが、ARを用いたロケーションベースのゲームの面白さを示している。
2Dゲームにように限られたスクリーンでプレイするのではなく、またVRゲームのように丸ごと異世界に移動するゲームとも異なり、ARゲームはリアル世界をあちこち移動しながらプレイできる点が特徴だ。
このようなプレイ方法は「ポケモンGO」にも採用され広く世間でも認知されており、ロケーションベースのARゲームは今後数多くのタイトルが登場しそうだ。
ARKitによって、ARアプリの開発はこれまで以上に容易になるので、ARゲーム市場のこれからの展開に注目される。
ARKitを用いたゲームデモの別の例として、ゲーム開発者のLauri Rustanius氏はARゲームの「General World」を現在開発しており、複数のデモ動画をツイッターに投稿している。
「General World」はファンタジー系RPGをARによって街中に再現するもので、街中に現れた少年のキャラクターに助けを依頼される場面や、プレイヤーがいる街中に風車などの様々なオブジェクトが配置されている場面、もしくは路上を闊歩するモンスターの軍団の様子などを確認することができる。
ARを用いたゲームは、「ポケモンGO」や「Ingress」などが知られているが、ARKitを用いることによって、従来よりもよりインタラクティブで、ストーリー展開のあるゲームをプレイできるようになり、大きな可能性を感じられる。
これらのデモに使用されている技術は、従来の位置情報を活用したARゲームがさらに進化すると共に、単なるゲームにとどまらず様々なキャンペーンやプロモーションなどに活用できる他にも、低コストで制作できるというメリットもある。
ARを活用したゲームコンテンツやエンターテイメントは、これまでに経験したことのない形で新しい面白さを提供してくれそうだ。
参照元:Next Reality
Copyright ©2017 VR Inside All Rights Reserved.