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2013年に設立された古参ソーシャルVRプラットフォームの一つ、『AltspaceVR』が資金難を理由に今週閉鎖される予定となっている。
AltspaceVRのブログでは「資金調達を行っていたが上手く行かなかった」とされているが、同社の苦境をある人物が救う可能性が出てきた。
その人物とはOculusの創設者であり、現在は同社を離れたPalmer Luckeyである。彼がTwitterの投票機能を使って「AltspaceVRを救うべきか?」というアンケートを始めたのだ。
Should I try to save @AltspaceVR? (caveat: may not be possible)
— Palmer Luckey (@PalmerLuckey) 2017年7月29日
Oculusを創設したPalmer Luckeyは、今年の3月にOculusを離れた。
彼は2016年の9月から3月の辞任まではTwitterへの投稿を行っていなかったが、現在は数日に1回から1日に数回程度のペースでツイートを行っている。
29日にTwitterの投票機能を利用して投稿されたのが、「私はAltspaceVRを救うために動くべきか(可能とは限らない)」というアンケートだ。
現在も投票は続いており、あと5日の期間を残して4,700票以上が投じられている。
7月31日の時点では、投票全体の66%が閉鎖の予定されているAltspaceVRを救うことに対する賛成票だ。
7月29日のRoad To VRの記事では62%がYesだったとされているので、さらにAltspaceVRを救いたいと考えているユーザが増えているようだ。
これはVRプラットフォームとしてのAltspaceVRに期待するユーザや、AltspaceVRを利用するユーザによる票なのだろうか。
AltspaceVRがサービスを閉鎖しなければならない直接の理由は、運営を続けていくための資金を確保できなかったことだ。
Oculusを20億ドル(2,208億円)の現金と株式でFacebookに販売したLuckeyが資金を注入して、これを延命することは可能だろう。
Oculusの代金の大部分はFacebookの株式によって支払われたが、その株価は2倍以上になっている。Forbesの推定によれば、Luckeyの純資産は7億3,000万ドル(806億円)だ。
だが、Luckeyはこのツイートに「可能とは限らない」と注意書きを付けている。
彼は単に資金を投じて同サービスの閉鎖を先送りしようと考えているわけではなく、何らかの改革を行う可能性がある。
Oculusを離れたことで自由に動けるようになったためか、様々な場面に登場するLuckey。
先月の末には、Reviveの開発者に対する継続的な支援を発表している。
ReviveはOculus Rift専用のアプリケーションをHTC Viveで動作させるためのハックツールであり、過去にはOculusの対策によって利用できなくなっていたこともある。
これは海賊版への対策に巻き込まれたものでReviveの利用を防止する狙いはなかったという話もあるが、非公式なツールであることは間違いない。
Luckeyがこのアプリを支援できるのは、彼がOculusと関係のない一般人になったからこそだ。
彼は以前からVRはオープンプラットフォームであるべきだと主張していたが、Oculusを代表する人物が自社のプラットフォームをハックするためのツールを支援するわけにもいかないだろう。
ソーシャルVRアプリと言えば、LuckeyからOculusを購入したFacebookが最近力を入れているFacebook Spacesがある。
また、現状Gear VR専用ながらOculusの『Oculus Rooms』もVR空間でのコミュニケーションに使えるアプリだ。
AltspaceVRは、これらのアプリと競合するコミュニケーションアプリである。もしLuckeyがまだOculusに所属していれば、このアプリを援助することはできなかっただろう。
LuckeyがAltspaceVRを救うことになるとすれば、彼の辞任がAltspaceVRにとっては重要な伏線だったことになる。
まだ実際に何が起きるかは分からないが、利用者の少ないソーシャルVRというカテゴリをLuckeyとAltspaceVRが変えるかもしれない。
参照元サイト名:Road To VR
URL:https://www.roadtovr.com/oculus-founder-try-save-altspacevr/
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