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先日行われたGoogleの開発者会議「Google I/O 2017」で、Googleは新たに登場するDaydream Readyなスマートフォンを複数発表している。
LGは、2017年中に発売予定のフラッグシップモデルでDaydreamに対応する予定だ。
サムスンは現行のGalaxy S8とS8 PlusのバージョンアップでDaydreamへの対応を行う。アップデートは今年の夏に行われる予定となっている。
これによりGalaxy S8のオーナーはGear VRとDaydreamの両モバイルVRプラットフォームを利用できることになる。どちらを購入するべきなのか、それともまだVRヘッドセットを買うべき時期ではないのだろうか?
それぞれのプラットフォームの特徴がThe Vergeで検討されている。
Galaxy S8あるいはS8 Plusを購入したオーナーに対する無難な答えは、夏のアップデートでDaydreamへの対応が行われるまで様子見、というものだ。
Gear VRとDaydreamはどちらも優れたVRのプラットフォームで、処理や表示をスマートフォンに依存しているのでヘッドセット本体の価格も控えめになっている。Daydream Viewなら79ドル(約9,000円)、それより少し高価なGear VRでも129ドル(約1.4万円)だ。
この価格は、PCやゲーム機を処理に使用するVRヘッドセットに比べると手頃だ。両方のヘッドセットを購入したとしても、PCベースのハイエンドヘッドセット1台よりも安い。しかも、そのヘッドセットを動作させるには高性能なパソコンが必要となる。
二つのヘッドセットの基本的な使い方は同じで、どちらも本体にスマートフォンを取り付けて頭に付ける。DaydreamにはGoogleのPlayストア、DaydreamはFacebook(Oculus)のOculus Homeからアプリを追加できるのも同様だ。
操作時にはどちらのプラットフォームでもリモコンを使用する。今年発売されたGear VRにはリモコンが付属するようになったため、この点もよく似たものとなった。
だが、二つのヘッドセットはデザインが異なっている。プラットフォームで使えるアプリにも互換性はないため、考えなしにプラットフォームを選ぶと目当てのアプリが使えないこともあり得る。
モバイルVRの価格はデスクトップVRに比べると安いので、いっそ両方買ってしまっても良い…というのも一つの考え方ではある。しかし、ヘッドセット本体の価格が安いのはメーカーや小売店にとっても同じだ。
メーカーがVRヘッドセットを赤字価格で販売するか、ことによっては何かの特典として無料で提供することすら考えられる。プラットフォーム競争で優位に立てば、コンテンツの売上や次世代機の売上で十分投資分を取り返せる。
特にサムスンは、Galaxyスマートフォンの予約購入者に対して無料または格安でGear VRを提供してきた。Galaxy S8でも予約購入者にGear VRをプレゼントするキャンペーンを展開しており、今後も大幅な値引きやバンドルが行われる可能性は高い。
モバイルVRの環境を構築する場合、その費用のほとんどはスマートフォン本体の代金になるだろう。Google PixelとGalaxy S8を両方購入するとなると、確かに少々高価な買い物になってしまう。だが、Galaxy S8を選んでおけばあとから少ない投資でGear VRまたはDaydreamの環境を構築できる。
Galaxy S8よりも古いGear VR対応スマートフォンを使っているならGear VRを、Daydream Readyのスマートフォンを使っているならDaydream Viewを購入するという選択は決して悪手ではない。だが、せっかく両方のプラットフォームに対応できるGalaxy S8を選ぶならしばらく待つという手も有効だ。
どちらかのプラットフォームで多くのコンテンツを購入してしまえば、移行するときの損失も大きくなる。
それぞれのプラットフォームに長所はある。Daydreamは以下の点で優れている。
・価格
価格で言えば、Daydream ViewはGear VRよりも50ドル安い。どちらもVRデバイスとしては手頃な価格なのだが、より安いのはDaydreamの方だ。
この差だけで選ぶことはなくても、後押しにはなるかもしれない。
・デザイン
Daydream Viewの方がGear VRよりもコンパクトで、ファブリック素材が使われているためにカジュアルな印象を与えるデザインとなっている。
ユーザの好み次第ではあるが、より威圧感がないのはDaydreamだ。
・YouTube VRへの対応
アプリを使ってYouTube VRにアクセスできる。YouTube VRを使うことは、360度動画の共有プラットフォームとして一般的な選択肢の一つとなっている。
Gear VRでもウェブブラウザ経由でYouTubeのVR動画を表示することは可能だが、専用アプリの方が便利だ。
・Googleアカウントとの連携
多くのユーザがGoogleのアカウントを持っているだろう。特にGalaxyシリーズを含むAndroidスマートフォンを使っているならば、Play Storeを使うためにアカウントを登録しているはずだ。
VRデバイスのためだけにOculusアカウントを作成して管理する必要はない。
・WebVRとの連携
最新のChromeでウェブとVRの統合がより強力にサポートされている。
将来性がある技術の積極的なサポートが行われているのは良い兆候だ。
もちろん、Gear VRにも選ぶべき理由はある。Galaxy S8を予約購入すれば無料でもらえてしまうのだが、「予約はしない」というユーザもいるだろう。
・キャンペーン
Gear VRの通常価格はDaydream Viewと比べると50ドル高い。だが、サムスンはGear VRを普及させるためにGalaxy S8予約購入者へのプレゼントとしてGear VRを提供する。
・豊富なアプリ
対応アプリの数を比べれば、Gear VRはDaydreamよりもはるかに優れたプラットフォームだ。アプリ数は2017年5月の時点で5倍以上もある。
Daydreamプラットフォームのアプリ数は急激に成長しているが、短期間でGear VRを超えることは想像しにくい。
・Facebook 360
Gear VRにはYouTube VRのアプリが存在しない。代わりに、Facebook 360ビデオのアプリがある。
・フィットするヘッドセット
Gear VRのデザインはDaydream Viewよりもゴツゴツして実用性重視だ。だが、しっかりと頭にフィットしてくれる。
ユーザの目に合わせて見え方を調節できるフォーカスダイヤルも搭載されており、より快適な体験を可能にする。
・トラックパッドの存在
Gear VRには従来のモデルと同様のトラックパッドが搭載されている。普段は新しく付属するようになったリモコンを使えば良いが、リモコンのバッテリーが切れてしまったときには使えるだろう。
プラットフォームごとに異なる特徴はあるものの、どちらかが圧倒的に優位というわけではない。大きな差となっているのは対応アプリの数だが、対応アプリが少ないのはDaydreamの方が後発だからだ。さらに時間が経てば差は小さくなっていくだろう。
二つのプラットフォームの両方に対応するというだけでも、Galaxy S8は価値ある端末と言えそうだ。
国によっては行われていないキャンペーンだが、日本ではGalaxy S8を予約するとGear VRが無料でもらえる。これを受け取った上で、アプリの増加を見つつDaydreamの購入を検討するというのがお得かもしれない。
参照元サイト名:The Verge
URL:https://www.theverge.com/2017/5/19/15659296/google-daydream-gear-vr-samsung-galaxy-s8-vr-comparison
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