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「最後まで絶対最後までやり抜く!」こうした強い覚悟を持てるのは、もはやその人の才能と言えるかもしれません。しかし、こうした才能は誰もが持てるもの。では、身に付けるには何が必要か。どんな努力をすべきか。弱い覚悟を強くするにはどんな心構えを持つべきか…。「本気でやり抜く才能」を育むときに大切なポイントについて考えます。【週刊SUZUKI #80】
物事に本気で向き合えるかどうか、最後まで本気でやり抜けるかどうかは、人が成長するかどうかに大きく依存します。本気で取り組めなければ成長を見込めないし、最後まで貫き通せなければももちろん成長しません。どれだけ本気か、どれだけ強い意志を継続できるかが、成長する上で極めて大切です。
こうした強い姿勢は、もはや才能と言ってよいでしょう。才能を備えた人だけが、一途な気持ちで最後までその気持ちを貫き通せるのです。もちろん生まれ持って強い意志に恵まれた人はいますが、もともと弱かった意志を育んで伸ばすことは可能です。「自分は意志が弱い」と思っている人でも、その才能を育み開花させられるのです。
もっとも、才能はそう簡単に育めないのが一般的です。しかし、本気で取り組めるかどうか、最後まで意志を貫き通せるかどうかは、気持ち1つで容易に身に付けることができます。あなたの考え方次第で、本気度を高められるし、意志を最後まで継続できるようになります。「本気で取り組もう」。そう思った瞬間から本気でやり抜く才能はあなた自身に備わるのです。
ただし、才能をさらに伸ばすには、継続した努力が不可欠です。努力を惜しめば、せっかく身に付けた才能は萎んでしまうでしょう。身に付けた才能をどう育み、どう伸ばすかに目を向けることも大切です。その1つが、繰り返し実践することです。才能を定着させ、より大きく伸ばすには、何度も本気でやり抜く機会を作るようにします。取り組む規模や期間は問いません。数日で終える小さなプロジェクトでもたくさんの実績を積み、本気でやり抜いた経験を重ねるべきです。この繰り返しが、本気でやり抜く覚悟を引き上げます。さらに、興味のあることに取り組むのも有効です。主体的な姿勢が本気度を高めるし、最後まで楽しみながらやり遂げる力を養えます。
物事を本気でやり抜こうとすると、多くの人がつい身構えてしまいます。道半ばで諦めてしまうかもと思う人もいるでしょう。そんなときはまず、やり抜いた先にどんなゴールを描いているのかを改めて思い浮かべてください。ビジョンを明確にすることで、成し遂げるために必要な考え方や手段も明確になります。こうした考えを巡らせることで、ネガティブな気持ちも切り替えられます。気持ちをコントロールできるようになれば、本気でやり抜く才能はあなたに必ず定着します。その才能が開花したとき、あなたは成長を手に入れられるのです。
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。