「敵対的AIは政府ネットワークに入るな」──6月25日、米下院と上院に超党派で「No Adversarial AI Act」が提出され、中国製をはじめとする敵対国のAIモデルを連邦政府機関から一律禁止する枠組みが動き出しました。国家安全を守る新たな“AIファイアウォール”とは?

米議会が描く“AI安全網”

6月25日、米下院のジョン・ムーレンナー議員(共和党)とラジャ・クリシュナムルシ議員(民主党)は、「No Adversarial AI Act」を共同で提出しました。本法案は、中国、ロシア、イラン、北朝鮮で開発されたすべてのAIモデルを、連邦政府機関の調達・使用対象から除外する永久的な仕組みを定めています。

法案では、連邦調達安全保障委員会に敵対国AIモデルのリスト作成を義務付け、定期的に更新。政府機関は例外的に研究用途など明確な承認がない限り、リスト入りモデルを使用できません。モデルをリストから除外する場合は、外国勢力の支配・影響がないことを証明する手続きが必要です。

米議会の動きは、昨年1月にDeepSeek製モデルがNVIDIAのチップ大量利用とともに中国軍・諜報機関に横流しされたとの情報を受けたもの。議員たちは「国家機密を守る防壁を築く」と強調し、敵対的AI技術を排除することで機密データの流出リスクを最小化しようとしています。

提出にあたっては、下院では共和党リッチー・トーレス議員、ダリン・ラフード議員が、上院ではリック・スコット議員(共和党)とゲイリー・ピーターズ議員(民主党)が共同提案者として名を連ねました。可決すれば、米政府の調達ポリシーそのものを大きく転換するインパクトを持ちます。

詳しくは「Reuters」まで。
レポート/DXマガジン編集部

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 【99対1の圧倒多数】米議会が中国製AIを政府機関から締め出す「No Adversarial AI Act」提出