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日本の鉄道インフラに、AIの力が本格的に導入されようとしています。エッジAI技術を提供するTokyo Artisan Intelligence株式会社が、シリーズB+で総額約11.1億円もの資金調達を完了。さらに九州旅客鉄道との資本業務提携も発表し、鉄道DX(デジタルトランスフォーメーション)を共同で推進するというのです。
Tokyo Artisan Intelligence株式会社は、エッジAI技術に特化したスタートアップとして、シリーズB+の資金調達で総額約11.1億円を完了しました。エッジAIとは、クラウドではなく、デバイス(エッジ)側でAI処理を行う技術であり、リアルタイム性、セキュリティ、コスト効率の面で優れています。
このエッジAI技術が、日本の鉄道DXを大きく加速させようとしています。同社は、九州旅客鉄道株式会社(JR九州)と資本業務提携を結び、新幹線点検業務へのAI活用を強化し、鉄道DXを共同で推進していくと発表しました。
これまで、鉄道の点検業務は、熟練の技術者による目視や手作業に頼る部分が多く、人手不足や効率化が課題となっていました。しかし、エッジAIを搭載したカメラやセンサーを導入することで、線路や車両の異常をリアルタイムで検知し、故障の予兆を早期に発見することが可能になります。これにより、安全性の向上、保守作業の省力化、そして運行の安定化に大きく貢献するでしょう。
鉄道インフラにおけるAI活用は、単なる効率化に留まりません。AIが膨大な点検データを解析することで、これまで見過ごされてきた微細な変化を捉え、事故を未然に防ぐ「予知保全」を実現します。これは、乗客の安全を確保する上で極めて重要なDXです。
また、AIによる自動点検は、人手不足が深刻化する鉄道業界において、労働力不足を補い、従業員の負担を軽減する効果も期待されます。これにより、鉄道会社は、より付加価値の高い業務に人材を集中させることが可能になるでしょう。
詳しくは「Tokyo Artisan Intelligence株式会社」まで。
レポート/DXマガジン編集部海道