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セレンディクス株式会社は、JR西日本グループと共同で、世界初の3Dプリンター技術を活用した駅舎の建設を完了しました。場所は、JR紀勢本線「初島駅」(和歌山県有田市)で、2025年3月26日に建設が完了しました。この新しい駅舎は、今後外構工事や改札機の設置工事を行った後、2025年7月に供用開始を予定しています。
このプロジェクトの特徴は、3Dプリンターを用いた建設方法にあります。通常、鉄筋コンクリート造の駅舎は数ヶ月を要する工期が必要ですが、今回は最終列車から始発までのわずか「6時間」で躯体工事を完了することを目標に掲げ、実際に約2時間で作業を完了させました。この工期短縮とコスト削減は、鉄道インフラの生産性向上と、建設業界の効率化に大きなインパクトを与えるものです。
駅舎の部材は、熊本県水俣市の協力工場で製造された3Dプリンターパーツで、最終的には鉄筋とコンクリートで強度を高めています。建設作業は、夜間の最終列車の後、設置作業を行い、予定通り作業を終了しました。2時間の作業時間のうち、約45分はトラックの入れ替え時間であり、実質1時間15分で躯体の組み上げが完了しました。
今後、セレンディクスは、今回の工期短縮とコスト削減効果を他の鉄道施設にも展開できるか検討し、技術的な検証を行っていく予定です。鉄道施設における3Dプリンター技術の導入は、建設業界に革新的な進展をもたらす可能性があり、さらに他の分野での応用も期待されています。
レポート/DXマガジン編集部折川