犬好きな人が犬から好かれるとは限らない

長く犬と一緒に暮らしている方や、ドッグトレーナー、獣医師、動物看護師、トリマーなどの毎日たくさんの犬と触れ合う職業の方を除き、犬好きを自認している方の中には、犬と仲良くなりたいのに敬遠されてしまいがちな方が一定数います。

相手に好感や嫌悪感を覚える状況は、人も犬も似ていると言われています。例えば、初対面でいきなりなれなれしくされるのは、人も犬も不快に感じるでしょう。また、初対面であろうがなかろうが、礼儀正しく接してくれる相手には好感を抱くはずです。

ところが、人と犬とでは礼儀に違いがあります。この違いが、犬に「何をするか分からないちょっと危ない人だな」という印象を与えてしまうことがあり、なかなか好きになってもらえない原因になっていることがあるようです。

犬にとっての「礼儀」や「ルール」を知ることで、知らず知らずにとっていた犬から嫌われる行動を改め、好きになってもらえる行動が取れる人を目指してみませんか。

犬が人を好きになったり嫌いになったりするときの心理

1.初対面の犬から好かれる人の行動

「それ以上近寄ってほしくない」という相手との距離感は、個人によって異なります。これは人だけではなく犬でも同じです。そのため、特に初対面の犬と挨拶を交わす時には、少なくとも一般的な犬のパーソナルスペースを意識することが必須条件になります。

特に気をつけたいのは、問題になるのが距離だけではないということです。目の高さを犬と合わせる、正面から向き合わない、じっと目を見つめない、近寄る時はゆっくりと弧を描くように斜めから、などにも気を付ける必要があります。

2.愛犬から好かれる飼い主の行動

長く一緒に暮らす飼い主さんと飼い犬の関係の場合でも、やはり大切なのは犬の気持ちを尊重するということです。日頃から愛犬の行動をよく観察し、愛犬の好むこと、嫌がることを把握しておきましょう。愛犬と信頼関係を築くことが大切です。

「毎日ご飯をあげていれば信頼される」と考えるのは、早計でしょう。犬は穏やかな暮らしを望んでいます。そのため、突然大きな声を出したり脈絡のない行動を取る人は犬を不安にさせ、警戒されてしまいます。愛犬と一緒のときは、穏やかな話し方やゆっくりした動作を心がけましょう。

3.初対面の犬から嫌われる人の行動

初対面の人と会うときは、誰でも緊張します。それは犬も同じです。ですから、初対面の犬と仲良くなりたいのであれば、緊張させないこと、そして犬の世界の礼儀を守ることが大切です。

特に初対面の犬との挨拶は、必ずルールを守りましょう。下記のような行動をとると、初対面の犬からはほぼ嫌われてしまうので注意が必要です。

  • 正面から犬の目をじっと見つめる
  • いきなり頭の上から手を伸ばして撫でようとする

4.愛犬から嫌われる飼い主の行動

ある程度長く暮らしていると、犬は飼い主さんのことを必要な人だと認識します。しかし、飼い主さんが犬を不安にするような行動をとれば、犬からは快く思われなくなってしまう可能性は高いです。

犬を不安にさせる飼い主さんによく見られる行動が、言動のブレです。愛犬が同じことをしても、飼い主さんのその日の気分で褒めたり怒ったりしてはいないでしょうか。これは、愛犬をどうしていいのかわからなくさせる行動です。

犬と仲良くなるときのコツ

初対面の犬との正しい挨拶の仕方

初対面の犬との挨拶は、下記の手順に従いましょう。

①最初に飼い主さんに犬と触れ合う許可をもらう
②弧を描くように、ゆっくりと犬の側面に近づく
③しゃがんで目線を犬の高さに合わせる
④犬に「こんにちは」と優しく声をかける
⑤緩く握った手の甲を、犬の顔の下の方からそっと差し出す
⑥犬が手の甲のニオイを嗅ぎ始めたら、気が済むまで嗅いでもらう
⑦そのまま受け入れてくれるなら、首の辺りを優しく撫でてあげる

もし途中で犬が嫌がる素振りを見せたら、お礼を言ってその場を立ち去りましょう。また頭の上から手を差し出すと、犬は怖がります。犬の目線よりも低い位置を撫でましょう。手を広げたり指先から手を差し出すのは危険です。

万が一噛みつかれた場合の被害を最小限に抑えるために、必ず手の甲から近づけていきましょう。犬が受け入れてくれたときは、手を開いて撫でても大丈夫です。

他家の犬との交流は、まず飼い主から

犬は、発汗量や声のトーンの変化で人の感情の動きを察知できると言われています。そのため、まずは飼い主さんの信頼を得ることが、犬から好かれる早道になるでしょう。飼い主さんに声をかけるのはマナーでもありますが、飼い主さんを通して犬にも安心してもらうという側面もあるのです。

ゆっくり距離を縮めていこう!

初対面の犬には、無視するくらいの方が早く距離が縮まることが多いです。グイグイと距離を詰められると犬は警戒してしまうので、逆に距離が離れてしまいがちです。ガツガツした姿勢を見せなければ、自然と犬の方から距離を縮めてくれることが多いのです。

まとめ

今回は、犬が人に対して「好き」「嫌い」の感情を抱く心理についてご紹介しました。初対面の犬と仲良くなりたいのに嫌がられてしまうという方は、グイグイと迫り過ぎて犬に引かれたり、正しい挨拶の仕方を知らずに怖がらせたりしているのかもしれません。

また、感情に流されて言動が変わったり、忙しさにかまけて愛犬と向き合う時間が減っていると、犬は飼い主さんの心が離れてしまったとストレスに感じているかもしれません。犬の気持ちを尊重し、犬の習性を理解して行動できれば、多くの犬から好かれる愛犬家になれることでしょう。


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情報提供元: わんちゃんホンポ
記事名:「 犬が『人を好き嫌い』するときの4つの心理 好みが分かれる理由から仲良くなるためのコツまで