犬のアトピー治療薬について|種類とメリット・デメリット、副作用のリスクまで【獣医が解説】
効果的な治療法を知ろう
犬のアトピー性皮膚炎は、かゆみや皮膚の炎症が長期間続く病気で、飼い主としては治療法に頭を悩ませることが多いです。治療にはいくつかのアプローチがあり、症状の重さや副作用のリスクを考慮しながら最適な薬を選ぶことが大切です。
本記事では、犬のアトピー治療薬としてよく使用される飲み薬として、「ステロイド」「免疫抑制剤」「分子標的薬」の特徴とその効果について解説いたします。
ステロイド:即効性があり安価だが副作用のリスクも
アトピー性皮膚炎の治療で最も広く使われる薬の一つがステロイドです。ステロイドは非常に強力な抗炎症作用を持ち、アトピーの症状を素早く軽減します。しかし、ステロイドには副作用も伴い、その使用には注意が必要です。
ステロイドのメリット
ステロイドの最大の魅力は、その即効性です。かゆみや炎症を短期間で抑えることができ、犬の状態を迅速に改善するため、症状がひどくなる前に使うことが効果的です。また、ステロイドは他の治療薬と比較して比較的安価で、また入手もしやすいという利点があります。獣医師による処方も多く、広く使用されている薬です。
ステロイドのデメリット
ステロイドは、短期間であれば安全に使用できますが、長期間使用することで以下のような副作用が発生する可能性があります。
- 免疫抑制:感染症にかかりやすくなる。
- 肝臓や腎臓への負担:長期使用が肝臓や腎臓に影響を与えることがある。
- 皮膚の変化:皮膚が薄くなり、毛が抜けやすくなる。
- 高血糖糖尿病のリスク:ステロイドが血糖値を上昇させ、糖尿病を引き起こす可能性がある。
免疫抑制剤:ステロイドが効かない場合に有効
免疫抑制剤は、ステロイドが効かない場合や、副作用が強く現れる場合に使用される薬です。免疫抑制剤は免疫系の反応を抑えることで、アトピー性皮膚炎による炎症やかゆみを軽減します。ただし、免疫を抑えるため、細菌やウイルスに対して抵抗力が弱まり、感染症にかかりやすくなったり、腫瘍ができやすくなる可能性があります。
免疫抑制剤は即効性がないため、症状が改善するまでに時間がかかることがあります。また、使用期間が長くなることがあり、飼い主としての根気が必要です。
シクロスポリンは代表的な免疫抑制剤で、アトピーの治療に用いられることがあります。シクロスポリンは、免疫反応を抑制することで、過剰な炎症反応を減少させ、アトピーによるかゆみを軽減します。
分子標的薬:新しい治療法の選択肢
分子標的薬は、アトピーの原因となる特定の免疫反応をターゲットにして作用する治療法です。これにより、従来の薬に比べて副作用が少なく、より効果的に症状を改善することができます。しかしながら、新しい治療法であるため、価格が高いことがデメリットとして挙げられます。代表的な分子標的薬には、アポキル、サイトポイント、ゼンレリアがあります。
アポキルとゼンレリアは、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬として、アトピーによるかゆみを抑える効果があります。かゆみや炎症を引き起こす信号をブロックすることで、迅速に症状を改善します。
サイトポイントは、インターロイキン-31(IL-31)という、犬のアトピー性皮膚炎のかゆみを引き起こす物質をターゲットにした治療薬です。これは、アトピーによるかゆみを抑えるための注射薬で、注射1回で、かゆみを数週間から数ヶ月にわたり抑える効果があります。
まとめ
犬のアトピー性皮膚炎には、ステロイド、免疫抑制剤、分子標的薬などさまざまな治療法があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、症状や犬の体調に合わせて最適な薬を選ぶことが重要です。
また、このほかに塗り薬やサプリメントも有効です。獣医師と相談しながら治療法を決め、愛犬の健康を守りましょう。
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