犬が『相手のおしりを嗅ぐこと』で得ている4つの情報とは? 犬にとってのおしり嗅ぎは名刺交換のようなもの
犬が「相手のおしりを嗅ぐこと」で得ている情報
愛犬が他の犬のおしりを嗅いでいたら、止めに入る飼い主もいるかもしれません。また、他の犬が愛犬のおしりを執拗に嗅いでいたら、嫌な気持ちになる飼い主もいるかもしれません。
クルクル回りながらお互いのおしりを嗅ぎ合って、犬の輪ができているのを見かけたことはないでしょうか。
犬がお互いのおしりを嗅ぎ合うことは、挨拶です。人間が名刺を交換することと同じ行為です。
犬のおしり(肛門)には、肛門嚢という器官があります。嚢液という分泌物を溜めるための袋で、その分泌物は犬それぞれで異なり、その犬の個人情報が含まれています。この分泌物に含まれた情報を得るため、おしりを嗅ぐのです。
犬が相手のおしりを嗅ぐのは、(この子のことを知りたい!)という気持ちがあるからであり、犬が相手におしりを嗅がせるのは、(自分のことを知ってほしい!)という気持ちがあるからです。
ただし、相手のおしりを嗅ごうとしない犬もいますし、嗅がせない犬もいますが、遠く離れたところから鼻をヒクヒクと動かし、ニオイを嗅ごうとしている仕草はあると思います。警戒心が強く、近づけないでいるのでしょう。
人間の名刺交換で得られる情報には、氏名・会社名・役職・住所・電話番号・メールアドレスなど様々ありますが、犬同士はどんな情報を交換し合うのでしょうか。
1.個体識別情報
犬が相手のおしりを嗅ぐことで得ているのは、「個体識別情報」です。
相手の名前や顔で識別するのではなく、おしりを嗅ぐことで識別することができます。ひとつとして同じニオイはない、ということなのではないでしょうか。
お散歩中、仲良しの犬同士が会ったとき、おしりを嗅いだ後でテンションが上がったように喜び合うことがあります。おしりを嗅いだことで「○○ちゃんだ!」と、はっきり認識することができたからです。
お友達なのに、恐る恐る近づくことがありますが、おしりを嗅ぐまで“あの子だ”という自信がないからなのではないでしょうか。
2.性別
犬が相手のおしりを嗅ぐことで得ているのは、「性別」です。
去勢手術や避妊手術をしていても、おしりを嗅ぐことで性別を知ることができます。
オス同士も、メス同士も、異性同士も嗅ぎ合いますが、稀に同性のおしりは嗅がない犬もいるようです。
3.機嫌
犬が相手のおしりを嗅ぐことで得ているのは、「機嫌」です。
おしりを嗅ぐことで、相手の今現在の機嫌を知ることができます。(ちょっと機嫌が悪そうだな…)と分かれば、遊びに誘わないなどの配慮をすることがあります。
4.健康状態
犬が相手のおしりを嗅ぐことで得ているのは、「健康状態」です。
犬は我慢強く、弱っていることを敵に知られてはいけないという本能もあり、少しの体調不良では飼い主に分からないことがあります。
しかし、犬には分かってしまうようです。相手を気遣ったり、心配したりするような仕草や行動があれば、おしりを嗅ぐことで得た健康状態の情報からなのではないでしょうか。
飼い主にも分かる情報がある!?
愛犬のおしりから異様なニオイが感じられるときは、肛門嚢の健康状態を確認してみてください。肛門の周りに赤みや腫れはありませんか?
犬の肛門嚢に溜まる分泌物は、定期的に絞り出してあげる必要があります。トリミングサロンや動物病院で「肛門絞り」という処置を受けたことがあるのではないでしょうか。
- 量が多かった、少なかった
- 色が濃かった、薄かった
- ニオイがきつかった、正常だった
- 水っぽかった、ドロドロしていた
このような違いが見られることがあり、肛門嚢の健康状態を知ることができます。
分泌物を自然に排出することができる犬もいれば、できない犬もいます。溜まりすぎてしまうと、肛門嚢炎を引き起こしたり、肛門脳が破裂したりすることがあり、事前に分泌物の状態に変化が見られることがあります。
まとめ
犬が相手のおしりを嗅ぐことで得ている情報を4つ解説しました。
- 個体識別情報
- 性別
- 機嫌
- 健康状態
犬が相手のおしりを嗅いだり、嗅ぎ合っていたりするときは、挨拶を交わしています。引き離したり、やめなさい!と叱ったりする必要はありません。
犬が安全に挨拶をすることができるよう、愛犬のおしりは常に清潔にしておきたいですね。
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