洗濯機と猫のトラブルは想像以上に多い

洗濯機と猫の事故は決して珍しいものではなく、SNSやニュースメディアでもたびたび取り上げられています。「まさか中にいるとは思わなかった」「静かに入り込んでいたなんて気づかなかった」――そんな痛ましい事故には、猫の習性と人間の油断が複雑に絡んでいます。

猫は、静かで狭く、薄暗い空間を好む動物です。特にドラム式洗濯機は、密閉性が高く、内部が居心地よい寝床と化すことがあります。また、洗濯前の準備で一瞬ドアを開けて目を離した隙に、猫が入り込んでしまうことも少なくありません。

こうした事故の背景には、飼い主が“猫は洗濯機には入らないだろう”という思い込みを持ってしまう心理があります。身近で静かな家電であるがゆえに、危険を見落としがちなのです。

猫と洗濯機にまつわるトラブル5選

猫と洗濯機に関するトラブルには、想像以上に深刻なケースが含まれています。以下では、実際に起こった・起こり得る代表的な5つのトラブル事例を紹介します。

1.気づかず洗濯してしまった

最も深刻で命に関わる事故が、「中に猫がいることに気づかず、洗濯機を回してしまった」というケースです。イギリスでニュースになっていた事例では、飼い主が洗濯機のスタートボタンを押した後、猫の鳴き声に気づき、途中で停止。猫は重度の脱水と低体温により集中治療を受けましたが、幸いにも命を取り留めました。

このような事故はイギリスのみならず、アメリカなど他の国でも取り沙汰されています。わずかな油断が命を脅かすことを、この事例から教えられます。

2.脱水槽に入り込んで出られなくなる

洗濯機の構造によっては、猫が入り込んだ後、内部で迷子になってしまうことも。特にドラム式洗濯機や乾燥機付きのモデルは、複雑な構造になっており、一度入り込んでしまうと自力で出られなくなる危険性があります。

とあるペット情報でも、猫が乾燥機の下部に入り込み、引っぱり出すのに苦労したという実例が紹介されていました。

3.洗濯機内で眠ってしまう

猫は居心地のよい場所を見つけると、そこで眠ってしまう習性があります。使っていない洗濯機の中が静かで暗く、適度な温度であれば、猫にとってはまさに理想の寝床。

実際、洗濯機の中で丸くなって寝ている猫を偶然見つけてゾッとしたという飼い主の声も多く見られます。発見が遅れていたら、大事故につながっていた可能性もあります。

4.電源ボタンやスタートを猫が踏んでしまう

洗濯物を入れた状態で猫が誤ってスタートボタンに乗ってしまい、意図せず稼働してしまうという事例も想定されています。

ボタンが軽いタッチで反応するタイプの洗濯機では、こうしたトラブルが起きやすく、実際に「猫が電化製品の操作をしてしまった」例は他の家電でも報告されています。トラブルになりそうな家電のある部屋には入れない、使っていないときも電源はオフにしておく、といった対応が望ましいです。

5.ドアが閉まり密閉状態になる

ドラム式洗濯機のドアは、自動で閉まる・重みで閉じるタイプが多く、猫が中に入った状態で自然とドアが閉まってしまうことがあります。この密閉状態が長時間続けば、酸欠や脱水のリスクが急激に高まります。

猫の鳴き声が聞こえないような静かな時間帯や外出中に起きた場合、発見が遅れて命に関わるかもしれません。

猫を洗濯機事故から守るためのポイント

猫の命を守るうえで、洗濯機に関する事故は“未然に防ぐ”ことが何より重要です。以下に紹介する対策は、どれも今すぐ始められるものばかり。小さな習慣が、大きな事故を防ぐカギになります。

使っていないときは常にドアを閉めておく

洗濯機の使用後や、洗濯物を取り出した後にドアを開けたままにしていませんか?

猫にとって開いたドアは「自由に入っていい空間」。その好奇心を未然に断つためにも、使用後は必ずドアを閉め、猫が入り込めない状態を維持することが基本です。

スタート前に中を確認する習慣を

洗濯機を回す前に「必ず中を見て洗濯物の中を触る」――このワンアクションが命を守ります。衣類の下に猫がもぐりこんでいる可能性もあるため、洗濯物を入れる前・入れた後の両方で確認するようにしましょう。慣れるまでは「洗濯前チェックリスト」などを掲示するのもおすすめです。

猫が入り込みやすい構造を見直す

特にドラム式洗濯機は、床に近い位置に開閉ドアがあるため、猫が入りやすい構造です。こうしたタイプを使用している家庭では、使用中・未使用中ともに物理的にアクセスできないよう、ベビーゲートや簡易扉などで仕切りを設けると安心です。

また、猫が興味を持たないように、洗濯機周辺に“別の快適な居場所”を用意してあげるのも有効です。

まとめ

洗濯機は、私たちにとっては日常的な家電でも、猫にとっては思いがけない「隠れ家」になりうる場所です。しかし、そのわずかな油断が、命に関わる事故を引き起こす可能性があることを、私たちは忘れてはいけません。

中を確認する習慣、ドアを閉める意識、そして“猫目線”での住環境の見直し――これらの小さな行動が、猫の安全を大きく守ってくれます。「こんなところには入らないだろう」という思い込みこそが、一番の落とし穴かもしれません。

愛猫の命を守るのは、日々のちょっとした注意と配慮です。洗濯機まわりの安全対策、今日から始めてみませんか?


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 猫の『洗濯機』にまつわるトラブル5選 気づかず洗濯してしまった事例も…