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②「トイレが汚れているぞ」
③「甘えたいなぁ」
④「だいちゅき!(大好き!)」
黒帯飼い主さんであれば、これまでの経験、前後の文脈を踏まえたうえで、おそらく、即答できるイージー問題でしょう。ただ、飼い始めの方は、愛猫の美しい瞳にタジタジになるばかりで、かなり迷ってしまう難問です。
ちなみに、正解が④だった場合、凝視の後の「まばたき」が貴重なヒントです。猫の「まばたき」は、相手への好意を示す何よりのメッセージ。飼い主さんも同じように「まばたき」をお返しすると、晴れて相思相愛の仲となります。
2つ目の行動は、「膝乗り長居チャレンジ」です。
甘えん坊猫は、とにかく、飼い主さんの膝のうえが大好きです。特に冬になると、飼い主さんの膝のうえは、ほぼホットカーペット。いったん愛猫が「定位置」に収まれば、居心地の良さのあまり、漬物石みたいにそこを動きません。
飼い主さんもぬくぬくできるので、喜ばしい状況ですが、困ったことに、人間には生理現象がつきものです。膝乗りが長時間に及べば、間違いなく、尿意とのチキンレースが始まります。「わたしへの愛と、あなたの尿意、先にあふれるのはどっちだ?」という試練です。
急に席を立てば、せっかくの幸せなひとときが台無しになり、愛猫も困惑するはずです。かと言って、このまま限界値を超えれば、人として自己嫌悪に陥ってしまいます。
膝乗り大好きっ子を抱える飼い主さんにありがちな、激しい心の葛藤です。
尿意との不毛な戦いを回避する唯一の方法は、膝乗り前に、あらかじめ膝のうえに毛布を敷き、愛猫に座ってもらうことです。こうしておけば、愛猫に無用なストレスを与えずに、飼い主さんもスムーズに席を立てます。
愛猫の快適性と自分の利便性をも両立させる―最も絶妙な妥協点を見出した飼い主さんは、晴れて「膝乗り長居チャレンジ」突破です。きっと愛猫からも「なかなかやるな…」と一目置かれるにちがいありません。
最後の3つ目は、「つかず離れず耐久マラソン」です。
猫は基本的にツンデレで、パーソナルスペースをとても大事にする動物です。たとえば、ひとりでくつろいでいたいときに、飼い主さんに邪魔されると、愛猫は露骨に不機嫌になり、その場をさっさと離れていきます。
飼う前から、寝る時もいっしょ、という愛猫ライフを夢見ていた飼い主さんほど、シビアな現実にとまどってしまうかもしれません。
「つかず離れずの距離感」を受け入れられるかどうかは、愛猫から飼い主さんに課せられた宿題のようなものです。
個体差はありますが、一般的には、猫が好む飼い主さんとの距離感は、50cm~1.5mと言われています。つまり、多くの猫は、たとえ飼い主さんに密着していなくても、近くにいれば、居心地の良さを十分に実感できるわけです。
経験を積んでそのことが理解できれば、飼い主さんも、「愛猫が甘えてきたときにしっかり甘えてもらおう」と思い直せます。
愛猫との「つかず離れずの距離感」を受け入れることは、黒帯飼い主さんの必須条件です。身についた他者への距離の取り方は、上手に使いこなせば、人間関係にも応用できます。
理想と現実のギャップを埋めるのは大変な作業ですが、相手(愛猫)との適切な距離感を保つことで良好な関係を築き、猫界、人間界の両方で、ぜひ黒帯をゲットしてみてください。
今回は、愛猫が飼い主さんの愛情レベルを確かめる手段として、「凝視」「膝乗り」「つかず離れずの距離感」、3つの行動を紹介しました。
みなさんは常日頃から、愛猫に満足してもらえるように、適切に対応できているでしょうか?
黒帯飼い主さんへの道は険しく、さらなる奇問、珍問が降りかかってきます。決して油断することなく、これからも飼い主道に精進してみてください。