わたし自身も実際に自分の猫に『輸血』を行ったことはありません。
しかしFIPのせいでひどい貧血になり動物病院に運ばれた叔母宅の猫は死の間際に輸血を受けたことがあります。輸血をしても猫の命が助からなかったことが本当に悔やまれますが…。
猫の輸血はそこまで頻繁に行われるものではないため、詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。
あまり詳しく知られていない猫の輸血。
猫の血液型や猫の輸血費用などと共に、病気の猫を救うために頑張ってくれている、小さな命もご紹介したいと思います。
◆猫も血液型がある
猫にも人間同様、血液型があります。
自分の飼い猫の血液型を知っている人はあまりいないかもしれませんね。
人間もそうですが、猫も基本的に同じ血液型同士でしか輸血することができません。
人間の場合にはO型の人は何型の人にも輸血することが可能です。
しかし猫には『O型』がありません。
そのため猫は基本的には同じ血液型同士でしか輸血することができないようです。
7~8割り程度の猫はA型だと言われています。雑種の日本猫の多くはA型で、まれにB型がでると言われており、AB型は非常にまれなのだそう。
ブリティッシュショートヘアやペルシャなど、特定の純血種ではB型が出ることが多少増加すると言われています。
AB型は本当に非常に稀な血液型なそうですが、スフィンクスやソマリ、好こティッシュフォールドにたまにいるようです。
数が少ないのでAB型の猫は輸血をすることが大きい病院でも難しい場合があるようです。
やむおえない場合にはAB型の猫にA型の血液をいれることもあるとのこと。
事前に猫の血液型を調べ、珍しい血液型だった場合に『輸血』可能な病院はあるか、調べておいた方が万が一の際に安心できるかもしれませんね。
◆輸血の費用と流れ
猫の輸血自体の費用は病院によりますがだいたい1万円~3万前後と言われています。
ただそれは猫に『輸血』するだけの費用です。
猫に血液を提供してくれる『ドナー猫』の血液検査などの費用も合わせるともう少しかかるでしょう。
5万円ほど用意しておけば他の事態が起きたとしても安心して対応できるかもしれませんね。
猫の輸血はまず血液型を調べ、クロスマッチと呼ばれる『血液同士の相性テスト』をすることから始まります。
血液をくれるドナー猫と輸血される猫、猫同士の血液型と血液相性が合致し、ドナー猫に病気などがみつからなければ初めて『輸血』となるようです。
輸血する際にはドナー猫は首辺りから血を抜き、他の猫に提供します。
◆病気の猫を助ける小さな命
上記しましたが、輸血するためにはドナー猫・供血猫が必要です。
人間には血液バンクがありますが、猫には悲しいことに血液バンクはありません。
そのため猫に輸血するためには近くに血を分けてくれる『供血猫』が必要なのです。
元気いっぱいの若い同居猫や友達猫がいる場合は、その猫ちゃんから輸血してもらうこともあるでしょう。
しかし、猫全員に同居猫や友達猫がいるわけではありません。
叔母の猫には、血を分けてくれる猫はいませんでした。
そんな猫は輸血ができないのでしょうか?
そんなことはありません。
輸血できる猫を登録している病院や獣医さんや看護師さんの猫が輸血に協力してくれることもあるようです。
叔母の場合は病院が登録している輸血に協力してくれる猫ちゃんから血を分けてもらいました。
このように病気の猫を助けるため、血を提供してくれる猫を『供血猫』といいます。
見知らぬ仲間の命を救う供血猫ですが、輸血する以外は普通の生活を送っています。
普通に遊び、愛情をたっぷり受け、生活をしている供血猫。
そのなかで血が必要な猫がいたときに、そっと力を貸してくれているのです。
『供血猫』という存在自体があまりしられていない日本ですが、あなたの猫たちを救うため頑張ってくれている小さな命がいます。
どうか影で頑張る猫のことを忘れないであげてださいね。 情報提供元: 猫壱