- 週間ランキング
さらに深刻なのは、生息環境の破壊です。
バルバドス島では、16世紀の植民地化以降、大規模な農地開発が行われてきました。
その結果、現在残されている原生林は、島全体のわずか2%程度しかありません。
今回のヘビが見つかった森林も、スコットランド・ディストリクトと呼ばれる未開発地域に限られた貴重な自然の一部です。
このような生息地の減少と競合種の影響により、バルバドスではすでにいくつもの固有種が絶滅しました。
たとえばバルバドス・スキンクやバルバドス・レーサー(固有のヘビ)は、インドマングースの導入によって姿を消したと考えられています。
今回のスレッドスネーク再発見を受けて、調査チームは今後も島内の森林を重点的に調べ、分布や生態の詳細を把握することを計画しています。
それに基づき、具体的な保護策を立案することが急務となっています。
参考文献
World’s Smallest Snake Rediscovered After Vanishing For Decades
https://www.sciencealert.com/worlds-smallest-snake-rediscovered-after-vanishing-for-decades
World’s smallest snake, lost to science for nearly 20 years, rediscovered in Barbados
https://www.rewild.org/press/barbados-threadsnake-rediscovery
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部