心ないイタズラによって傷つけられた犬

イギリス・ロンドンの鉄道線路に1匹の犬がいました。その犬は、生後6ヶ月のアナトリアン・シェパードで、何者かによって鉄道線路に繋がれたままにされてたのだそう。 そのせいで、尻尾と左後ろ足を轢かれてしまったのです。
イギリスの動物虐待防止協会が救助したのは、その事故があって約5日後のことでした。
すでに傷口は感染症にかかっており、事故に遭った尻尾と左の後ろ足は切断しなければいけませんでした。

里親の元に引き取られた子犬

「ハチ」と命名されたその子犬は、里親が見つかりその家へと移動したのですが、そこで飼っていた犬と打ち解けることができませんでした。

再び、保護施設へと戻されたハチに安楽死という選択肢も浮かびました。

ハチが救助されてから6週間後、ある夫婦によってハチは引き取られました。
今度こそ、うまくいくのでしょうか。

その夫婦には、シュワルツ・ヤンペル症候群という難病を抱えた息子オーエンくんがいました。
両親は、子犬のハチと息子オーエンくんが仲良くなるのかどうか心配していたそうです。

というのも、実はオーエンくんは、シュワルツ・ヤンペル症候群だけでなく広場恐怖症でもあったのです。

シュワルツ・ヤンペル症候群は治療法が確立されておらず、世界で約100例の症例しかありません。
遺伝子の異常が原因の難病で、筋肉がこわばったり、骨の異常が起こり上手く動くことができないのです。

また、広場恐怖症とは、公共交通機関などの特定の場所に行くと恐怖や不安を誘発してしまうため、それらの場所を避けてしまう症状です。

そんな2つの症状とオーエンくんは戦っていたのです・・。
子犬のハチが来てから、なんとオーエンくんの様子が変わってきたのです。

次のページで、オーエンくんの驚きの変化をご覧ください。

そこに以前の姿はありませんでした。

オーエンくんとハチは仲良くなっていきます

両親の心配をよそに、オーエンくんとハチはすぐに仲良くなります。
まるで親友のようにいつも一緒にいたといいます。

ハチと一緒に過ごすようになってから、オーエンくんは広場恐怖症を克服することができたのです。
オーエンくんは「ハチのことを誰かに知ってほしい」そんな気持ちから、「外に出て人に会ってみたい」と言い出したといいます。

今までになかったオーエンくんの一面が出てきました。

そしてついに、オーエンくんはこれまで怖くて行けなかった学校へと通えるようになったのです。
オーエンくんはハチの登場により、とても社交的になったのです。

セラピー犬として活躍するハチ

ハチはその後、訓練を受けてセラピー犬として活躍しています。
その功績が認められ、『国際動物福祉基金』という団体から2012年で最も活躍した犬として表彰されます。

さらに翌年の2013年には、「フレンズ・オブ・ライフ賞」という友情を称えた賞をオーエン君とハチは受賞しました。

ハチの登場により、大きく変わったオーエンくん。
彼が大きく変われたのは、初めて本当の友情に触れたからなのではないでしょうか。

本当の友情には、人も犬も関係ないようですね。
これからも彼らの友情はずっと続くはずです。

虐待されたり、捨てられたりする犬が多い中、こういった素敵な話が増えるといいですね^^

オーエンくんとハチの様子

 
情報提供元: mofmo
記事名:「 虐待され左足と尻尾を失った犬が、引きとられた家族の少年の難病を克服させた