【獣医師監修】猫にささみはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!【2022年版】
猫にささみを与えても問題ない?
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ささみは、鶏胸肉の一部です。脂肪分が少なく、低カロリー・高たんぱく質な食材なので、ダイエット食品としても注目されています。
また、ささみには健康を維持するのに必要な栄養素が豊富に含まれています。主な栄養素は「たんぱく質」「カリウム」「リン」「カルシウム」「ナイアシン」「脂質」などです。
基本的には猫にささみを与えても問題ありません。ささみは腹持ちもよく、消化もしやすいので猫にとってもメリットの大きい食材の一つと言えるでしょう。しかし、猫にささみを与える場合、注意しなければいけない点がいくつかあります。
猫にささみを与えてもいい量
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少量であれば、猫にささみを与えても大丈夫です。しかし、ささみには「リン」が多く含まれているので、猫にささみを大量に与えてしまうと、リンの過剰摂取で腎不全などを患うリスクが高くなります。
腎臓は、血中の老廃物をろ過したり、体に必要な水分を調節するなど大切な役割があります。しかし、その機能がリンの過剰摂取により衰えてしまうと、尿毒症や脱水症状などを引き起こす可能性があるので、注意が必要です。
子猫の場合
AAFCO(米国飼料検査官協会)が定めている栄養基準では、子猫のリンの摂取量は0.8%以上が適正とされています。
生後12カ月未満で、体重が1kg未満の子猫の場合、消化器官機能が未発達なので、ささみを与える量には気をつけなければいけません。ささみには健康に良い栄養素がたくさん含まれていますが、子猫に与えすぎると腎臓などに障害が出ることもあります。
リスクを上げないためにも、子猫にささみを与えるのはやめた方が良いでしょう。
成猫の場合
成猫の場合は、0.5%以上のリンを摂取するのが適正とされています。
リンを過剰摂取するとカルシウムが不足して骨が弱くなるので、ささみを与えるときは、リンとカルシウムのバランスを考えてあげるのも大切です。リンとカルシウムの割合は、リン1に対してカルシウム1.2~1.5が理想的とされています。
成猫にささみを与える場合は、ほぐした状態のささみを少量、おやつとしてまた通常のフードに混ぜて与えることができるでしょう。
老猫の場合
高齢期になると消化器官が弱ってくるので、子猫同様、ささみを与えるときは量に気をつけなければいけません。
腎臓機能に障害を持っていたり、機能が低下している老猫にささみをたくさん与えてしまうと、体調不良を引き起こしかねないので注意が必要です。
老猫にささみを与えるのはリスクが高いので、わざわざ与える必要はないでしょう。
猫にささみを与えることで期待できる効果
ささみには、「たんぱく質」が含まれています。たんぱく質は、猫の筋肉や皮膚、被毛、臓器などの健康維持を助ける働きをします。また、エネルギー源となるため、丈夫で健康な体づくりのために必要な栄養素です。
さらに、ささみにはミネラルの一つである「リン」も豊富に含まれています。リンはカルシウムと同じく、歯や骨を丈夫にする働きがあります。
加えて、脂質や糖質を分解することのできる「ナイアシン」という成分がささみには含まれています。この成分は、猫のコレステロール値を下げたり、肥満予防に効果が期待できるでしょう。
猫にささみを与えるときの注意点
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猫にささみを与えるときは、感染症の恐れがあるので、生の状態ではなくきちんと茹でたものを与えるようにしてください。味付けされたささみを与えるのは猫の体に負担をかけてしまうのでNGです。何も味付けされていないものを与えるようにしましょう。
先ほども述べたように、ささみには「たんぱく質」や「リン」が豊富に含まれています。どちらも猫にとって必要な栄養素ですが、過剰摂取すると腎不全などの病気を引き起こす可能性があります。また、すでに腎臓に疾患を抱えている猫も、ささみを大量に食べると病気の症状を悪化させる恐れがあるので注意が必要です。
さらに、猫の中には鶏肉アレルギーを持っている子もいるので、最初は少量だけ与え、アレルギー反応が出ないか様子を見るようにしてください。体をかゆがったり、下痢や嘔吐など少しでも異常が見られる場合は、すぐに病院に連れて行って獣医師の指示に従うようにしましょう。
ささみのゆで汁は与えても問題ない?
ささみを茹でた後の、ゆで汁を猫に与えても大丈夫なのでしょうか。
結論からいうと、ゆで汁を与えても問題ありません。ささみのゆで汁は猫の水分補給や、食欲低下した猫の栄養補給などにとても効果的です。
ささみのゆで汁を猫に与える場合は、何も味付けせずに、十分冷ましてから与えるようにしてください。