- 週間ランキング
結紮法は、尻尾をゴムバンドできつく締め付けて血流を遮断させて、結び目以降の組織を壊死させ、自然に尻尾を脱落させる方法です。およそ3日程度で尻尾が落ちます。
・切断法
切断法とは、外科的にメスやはさみなどで尻尾を切り落とす方法です。
通常、生後2~5日程度の子犬に断尾する場合、まだ知覚が発達しておらず痛みに鈍感なので、麻酔をせずにブリーダーや獣医師の手によって行われます。生後8日を過ぎてからの断尾は、痛覚をはじめとする知覚が発達してきているので、断尾することは苦痛になるという理由から全身麻酔での断尾になります。
近年犬の尻尾に関する研究が進むことで、安易に尻尾を切り落とすことは悪影響を及ぼすことが分かってきています。
たとえば尻尾にはボディバランスをとるため”舵”の役割がありますが、それを果たすことができず腰に大きなダメージを与えます。
また水中を泳ぐ際は、手足を動かす犬かきと同時に、しっぽをゆらゆらと揺らしながら推進力を作りだすという役割もあります。さらに走っているときも、尻尾を左右に振ることで微妙なバランスを維持しています。
断尾するとこれらの役割を担うことができないため、平衡感覚や身体能力が低下してしまうというデメリットがあります。
ヨーロッパでは「ペット動物保護に関する欧州規定(The European Convention for the Protection of Pet Animals)」という規律の中で、断尾の廃絶が推奨されています。そしてヨーロッパの多くの国では、断尾を動物虐待として認めています。
断尾を禁止している国はイギリス、エストニア、オーストラリア、オランダ、キプロス、スイス、スウェーデン、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、ルクセンブルク、ポルトガル、ベルギーなどが挙げられます。
日本において犬種標準を管理している「ジャパン・ケンネルクラブ」では、断尾に対して反対の姿勢は見せていません。
また動物に関する国家法令「動物の愛護に関する法律」では、動物を傷つけてはいけないという規定はあっても、断尾を禁止する条文は記載されていません。そのため、断尾は獣医師と飼い主さんの判断に任されています。