知っておきたい!猫の目と人間の目の違いとは?

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人間の目と比較すると、猫の目の色はバリエーションに富んでいると感じたことはありませんか?猫の目と人間の目には大きな違いがたくさんあります。基本的に猫の目は、夜に対して耐性が強くなっています。

光の明るさによって瞳孔の大きさを変化させるため、昼と夜では瞳孔の大きさが全く異なっています。瞳孔が大きければ大きいほど光の明るさが少ない場所におり、瞳孔が小さければ小さいほど光の明るさが多い場所にいるのです。

このように猫は、自分の目に入ってくる光の量を瞳孔の大きさを変えて調節しているのです。一方、人間の目は光の量に合わせて瞳孔が大きくなったり小さくなったりはしません。

また、猫と人間では視野の分野でも大きな違いがあります。人間の場合は180度の視野しか見えませんが、猫の視野は200度と言われています。断然、猫の方が広い視野を持っていると言えるでしょう。

さらに薄暗い場所での猫の視力は人間の6~8倍もよく見えると言われています。このように猫と人間の目は、大きな違いがあります。

猫の中で”オッドアイ”と呼ばれる目を持つ猫は意外と多いですが、非常にレアな”ダイクロイックアイ”を持つ猫ちゃんが存在していることをご存知ですか?

この記事では、猫のダイクロイックアイや原因、生まれる確率などについて詳しく解説していきます。

猫の「ダイクロイックアイ」とは?

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ダイクロイックアイとはどんな状態をしている猫のことでしょうか?それは同じ目の色が2色にはっきりと分かれている状態をしている猫のことです。ダイクロイックとは英語で”2色性の”という意味があります。つまり直訳すれば”2色性の目”ということになりますね。

ダイクロイックアイの特徴は、グラデーションのように少しずつ別の色に変化していくのではなく、色の変わり目がはっきりしっかり見えています。そして、同じ目なのに色が違うダイクロイックアイには、”中心型虹彩異色症(こうさいいしょくしょう)”と”扇型虹彩異色症”の2つのパターンがあります。

中心型虹彩異色症

中心型虹彩異色症とは、目の中心部分と縁の部分で色が異なっています。目の縁にドーナツ状に別の色が入っていて、一部分の色が異なっている状態となっています。例としては、目の中心部が青色で、その周りを緑色が覆っている状態などが挙げられます。

扇型虹彩異色症

目の瞳の中央付近に、まるで指輪のように縦などにはっきりと異なるカラーがある状態です。扇の形のように一部だけ、もしくは半分だけ異なる色をしている先天的なものです。

猫に見られるダイクロイックアイの多くは後者の扇型虹彩異色症で、出会える確率はかなり少ないためレアな希少性が高い猫です。そしてこれらの目は先天的なものなので、後天的に瞳のカラーが変わることはありません。

ですから普通の目を持つ猫が突然に目の色が2色に変わったら、ダイクロイックアイになったのではなく、何かの病気を患っている疑いがありますので注意が必要です。

ダイクロイックアイになる原因とは?

ダイクロイックアイになる原因にはさまざま説が言われていますが、中心型虹彩異色症と扇型虹彩異色症では原因がそれぞれ異っているようです。

中心型虹彩異色症になる原因

猫の目が中心型虹彩異色症になる原因は、キャットショーなどに出すための猫の交配が失敗した結果と言われています。つまり、人間のエゴが原因です。

そのためペットショップなどで販売されることはないので、交配の失敗によって目の色が異なる中心型虹彩異色症のダイクロイックアイを見かけることはめったにありません。

扇型虹彩異色症になる原因

扇型虹彩異色症になる原因は、メラニン色素のバラつきの影響と考えられています。目の色は虹彩と呼ばれる場所に集まったメラニン色素の量で決まるため、ただ単純に異なる色素が出現した、もしくは一部の色だけがなくなる遺伝子が作用していると思われます。

このようにメラニン色素の量が同じ目の中ではっきりと異なってしまうと、色にバラつきが出て2色のカラーになってしまうのです。

白猫に多く見られるダイクロイックアイ

ダイクロイックアイは、猫の中でも特に白猫に多く見られる症状として知られています。なぜ白猫に多くあらわれるのでしょうか?

それは白猫の持つ遺伝子が関係しています。白猫は劣勢の無色と言われる”白猫遺伝子”というものを持っており、この遺伝子が目の色素を薄くしています。またこの遺伝子が作用することで、ダイクロイックアイやオッドアイなどを生み出しやすくなる確率を高めます。

特にダイクロイックアイになると、目の色が左右対称の色になることも確認されています。つまり白猫はメラニン色素がないため、目の色が青くなります。そしてメラニン色素の量が増えるにつれて、黄色、アンバー、茶色などの色へと変わっていくわけです。

ダイクロイックアイが誕生するためには、瞳の中でメラニン色素の濃い部分と薄い部分が同時に発生することが必要なため、非常にレアと言われています。

では、ダイクロイックアイのように色違いの目を持つ猫は、普通の猫のような視力を持っているのでしょうか?

現在のところ、ダイクロイックアイを持つ猫が視力に問題があるという報告は寄せられていません。つまり普通の猫と変わらない視力を持っているので、生活には何の支障もありません。

ダイクロイックアイとオッドアイの違いとは?

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上記でも触れているように、ダイクロイックアイとは同じ目に2色の色が入っている状態を持つ猫のことです。

一方オッドアイは、右目と左目で目の色が色違いになっています。左右の目が違うオッドアイの猫の中でも、片方が黄色でもう片方が青色の猫は”金目銀目”と呼ばれており、昔から縁起が良い”福猫”として大切に扱われています。

では、両者の生まれる確率はどうなっているのでしょうか?ダイクロイックアイよりオッドアイの方が生まれる確率は高く、白猫の場合は25パーセントの確率で誕生すると言われています。

一方ダイクロイックアイの猫が誕生する確率は1000分の1と言われるほど、生まれる確率はとても低く、非常にレアな猫となっています。

また、オッドアイの猫でもダイクロイックアイの猫でも、視力は一般的な猫と同じで正常に機能していますが、聴覚障害を持っている可能性が高く、寿命が一般的な猫よりも短いと言われています。

ダイクロイックアイの猫は価格が高い!

ダイクロイックアイの猫は1000分の1の確率でしか誕生しない、非常に希少価値の高い猫なので、価格も当然ながらそれなりにします。同じ種類の猫であっても、通常の猫の2~3倍以上の値段がつけられているようです。

たとえば過去に販売されていたダイクロイックアイの猫の金額は、平均約30万円で取り引きされているスフィンクスのメスの子猫が78万円で販売されていたようです。驚くほどの価格ですね。

とても希少性が高いダイクロイックアイの猫は、ペットショップで販売されていることはほとんどないので、見つけることは容易ではありません。里親募集などで地道に粘り強く探していれば、いつか見つかるかもしれません。

人間でもダイクロイックアイになる?

猫の場合ダイクロイックアイになる確率はとても低いため、希少価値がとても高いですが、人間の場合もほとんど発症することはないので希少性が高いと言われています。

また猫の場合、白猫の発症確率が高いように、人間も黒人や黄色人種より白人の方が遺伝子的に発症する確率が高いことが分かっています。

たとえば人間がオッドアイになる確率は白人で1万人に3人、黄色人種の場合で1万人に1人の確率で誕生すると言われているので、さらにレアなダイクロイックアイはそれ以下の確率となり、滅多にいないと言えるでしょう。

人間も猫同様、先天的にオッドアイになることはあっても、後天的にダイクロイックアイが発症することはないので、色が変わってきたら病気の疑いがあります。


情報提供元: mofmo
記事名:「 猫の「ダイクロイックアイ」とは何?不思議な目を持つ猫が生まれる原因や確率を紹介!