犬の虐待が増えている?

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「犬は人間にとって最良の友」と呼ばれています。この言葉は多くの場合真実です。犬は警察犬や盲導犬など社会で活躍しているほか、最近ではアニマルセラピーでも使用されています。多くの家庭や組織において有用かつ癒しの存在であり、昔から人気が高く、猫と並んで最も飼育されている動物です。
しかし残念なことに犬を虐待するという事件が時折ニュースで聞かれることがあります。警察庁によると、全国の動物愛護法違反容疑の摘発数の統計を取り始めたのは2010年ですが、この時の件数は33件でした。しかし2017年には68件にものぼっています。逮捕・書類送検された人数は2010年が40人でしたが、2017年は76人にものぼりました。この虐待には犬だけではなく猫なども含まれています。虐待された動物のうち最も多いのは猫でしたが、犬も16件も報告されています。

犬を虐待するのはどんな人?

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愛犬家にとっては、「犬を虐待するなんて信じられない」と感じるでしょう。しかし虐待を行う人はそうではありません。福岡大人文学部の犯罪心理学の大上渉准教授によると、虐待を行う人は共感性や罪悪感が欠如しているようです。暴力的な犯罪を人間に対しても行う人の多くは、過去に動物を虐待していたようです。日本では有名な神戸の連続児童殺傷事件や佐世保の同級生殺害事件の犯人が動物を虐待していました。さらにこうした行為をネットにあげるという事件も頻発しています。例えば元税理士のある男性は、動物に熱湯をかけたりガスバーナーで焼いたりする動画をネット上に投稿しました。それに対するネットユーザーの反応も残酷で、芸術品だと評価したり、ほかの虐待の方法を示唆するなどの反応がありました。このような反応を見て、犯人がうれしくなってより行動を加速化する恐れもあります。つまり虐待を行う犯人は、サディスティック、自己顕示欲の傾向があるとも言えます。もちろん犯人にはそれぞれ特徴がありますが、少なくとも自然な愛情が欠けていることには変わりありません。

虐待の定義と傾向

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一般的に動物虐待とは、「動物に不必要な苦痛を与える事」つまりは、「動物の心身に肉体的な苦痛・精神的な苦痛・多大なストレス等を与えること」を意味します(公益社団法人「日本動物福祉協会」HPより抜粋)。虐待には主に以下の2つのパターンがあります。

・積極的虐待

殴ったり蹴ったりなど、動物に外傷を負わせる行為です。また心理的に恐怖感を与えるのも虐待にあたります。さらには使役に際して酷使するなど不必要に体に多大な負担をかけることも該当します。

・ネグレクト

これは本来動物に対して行うべきことを行わないという虐待です。ちゃんと健康管理をしてあげなかったり、病気なのに適切な処置を施さなかったり、食事を与えなかったりと、動物が必要なものを与えない行為全般を指します。

動物虐待についてニュースで取りざたされる場合は、おそらくほとんどが積極的虐待の方でしょう。おそらくこの方が世間的に注目を浴びるからです。しかしニュースで取り上げられる虐待よりもはるかに多くの虐待が世の中で起っていて、そのうちのほとんどがネグレクトだといわれています。ネグレクトは直接的な暴力をふるわないため、一見すると虐待と認識されない恐れがあります。その程度も様々でしょう。動物たちが痛みで叫ぶようなこともネグレクトではあまり起こらないかもしれません。このようなケースでは虐待が発見されにくく、結果的に動物を守ってあげられないことがあります。

犬の虐待の例

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犬が虐待されたという実際の事件をいくつかご紹介したいと思います(朝日新聞からの抜粋:https://sippo.asahi.com/article/11736705)。

・繁殖業者などによる事件

「福島県北部や山形県の路上で6~7月にかけてペット用の犬26匹が放置されていたことが分かった。福島市のNPO法人「SORAアニマルシェルター」は何者かが犬を捨てたとみて動物愛護管理法違反容疑で県警に告発状の提出を検討していると6日発表した。同法人によると、犬はマルチーズなど、ペットとして人気の犬種。福島県伊達市や桑折町、山形県米沢市の路上で、歩き回っていたところを同法人などに保護された。保護された場所が50キロ以内と近いことから、同法人は繁殖業者などが経営に行き詰まり、放置したとみている。」

こちらは繁殖業者による放棄の例です。ホームセンターなどではかわいい子犬や子猫がたくさんいますが、裏には悪質なブリーダーが関与しているケースがあります。繁殖業者は無計画に繁殖を行って、いざ経営に困ったら処分したり遺棄するなどの行動を取ることがあります。

・ネグレクトの例

「飼っていた犬を建物内に閉じ込め、えさを与えないなどの虐待行為をしたとして、岐阜県警大垣署は11日、住居不定、アルバイトの男(68)を動物愛護法違反と県動物愛護条例違反の疑いで逮捕し、発表した。「閉じ込めてはいない」などと容疑を一部否認しているという。署によると、男は、今年1月下旬から2月15日までの間に、大垣市の建物に飼い犬2匹を閉じ込め、えさや水を与えず虐待したほか、2月14日には県西濃保健所の立ち入り検査を拒否した疑いがある。昨年11月、同保健所が立ち入り検査をした際、30匹近くの犬を確認したが、2月15日に警察が捜索した時には2匹しかおらず、屋内には約20匹分の犬の骨が散乱し、排泄(はいせつ)物が堆積(たいせき)していたという。」

多くの犬を飼って飼育に行き詰まるというケースは珍しくありません。このような身勝手で無計画な態度で犬を飼う人が少しでも減ることが望まれます。

・多頭数の犬を置き去りにした例

「鳥取県警米子署は9日、米子市の60代の男を動物愛護法違反(愛護動物の遺棄)の疑いで書類送検し、発表した。容疑を認めているという。署によると、男は10月3、4の両日、同市皆生温泉4丁目の公園などに、飼っていたマルチーズなどの犬17匹を置き去りにした疑いがある。ほえて近所に迷惑がかかっていたなどと話しているという。4日以降、犬を保護したとの情報が署などに寄せられ、発覚した。6匹は見つかっていないという。いずれの犬も知人で市内の20代の女が譲ったとみられ、署は9日、この女を狂犬病予防法違反(未登録・予防注射の未接種)の疑いで書類送検し、発表した。容疑を認めているという。」

このような事件を見ていると心が痛みます。ペットの人気が高まるのは悪いことではありませんが、ペットブームは無計画な繁殖作業を招き、それはまた虐待を生むことがあります。それを考えるとペットに関連した法律の整備が一層迅速に行われなければいけないと言えるでしょう。







情報提供元: mofmo
記事名:「 あの犬虐待されてない!?近所の犬が虐待されていたらどうすればいい?