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中国のプロテニス選手・彭帥(ポン・シュアイ)が2日(2021年11月)に中国版ツイッター「ウェイボ」で前中国副首相の張高麗氏と不倫関係にあったと投稿した後、消息が途絶えていることを受け、17日に大坂なおみがツイッターで「『テニス仲間が性的虐待を受けていたと明かした直後に行方不明になった』と最近知らされた。私は今の状況にショックを受けており、彼女に愛を送り、行方に光をともす」と投稿した。
14日にはWTA女子テニス協会のスティーブ・サイモンCEOが「元中国指導者による性的虐待に対し行った彼女の告発を、最も深刻に扱わなければならない。彼女の訴えは調査される必要があり、見逃したり無視すべきではない」との声明を発表している。
「ニューヨークタイムズ」紙は彭帥の消息について「同CEOは『中国テニス協会を含むいくつかの情報源から、彼女は安全であり身体的な脅威にさらされていないという確認を受けた』と語った」と報じているが、WTAの関係者や選手で彭帥と直接連絡を取れた人はいなかったという。また、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチもATPファイナルズ試合後の会見で「彼女が行方不明になっているのは正直ショッキングだ」と述べている。
しかし、中国外務省の報道官は「私はこの状況を把握していない。これは外交問題ではない」とした。中国国内では彭帥に関する報道はされておらず、「彭帥」で検索しても「見つからない」と表示される状況が続いている。中国国営テレビ「CGTN」は「彭帥がWTAに対して『性的暴行は事実ではない』とするメールを送信した」と報じている。
タレントのモーリー・ロバートソンは「CGTNは彭帥選手のメールのスクリーンショットを公表し、『彼女は自宅で静養しており、欧米メディアの報道は誤報だと言っている』と伝えているが、CNNは白々しい文面だと指摘し、スクリーンショットのカーソルの位置が不自然で捏造の可能性もあると疑っています。またCGTNは、彭帥選手は『中国のテニスに貢献したい』と謝罪しているとも伝えているが、中国では消息不明になった財界人が現れて、謝罪会見するという例があり、その一連のパターンかもしれない」とCNNで報じられた速報を解説した。
さらに、「アスリートが消息不明になっても問題はないとされる。女性やアスリートの権利が守られていない中で行われる北京五輪をどう考えるかという話になる。欧米メディアも中国との関係性を考えて甘噛み状態。みんなビクビクしてまっとうなクレームもできないというのが現状」とも話した。
経営コンサルタントの坂口孝則は「ジャック・マー氏も一時消息不明になり、検索さえ引っかからない状態になった。各国が共同して中国に抗議することが必要」と訴えた。
モーリー・ロバートソンも「ミートゥー(Me Too)運動の声が中国でも上がったが、国営メディアは『国家転覆の謀略だ』として内政干渉するなと抗議した。日本だけで圧力をかけるのではなく、各国共同で人権の大切さを訴えるべき」と話した。
(バルバス)