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8月(2021年)の小笠原諸島周辺の海底火山の爆発で拡散した軽石が、日本近海の魚や生物からも検出されている。影響はどこまで広がるのか?自然現象の一環ではあるが、対応策は必要なのか?11月15日の「めざまし8」が検証した。
絶滅危惧種と言われるアオウミガメの子どものCTスキャンでの拡大映像が大きく写し出された(沖縄美ら島財団センター提供)。下腹や腸のあたりに細かい白い点が広がっている。小笠原諸島周辺の火山の爆発で拡散した軽石だとわかった。
同財団総合研究センター動物研究室の河津勲・上席研究員は「(ウミガメには)軽石の影響はないと思っていたのですが、ここまで大量に食べてしまうと、リスクが高くなってくる、と思い直した」。先週、沖縄県北谷町の砂浜で弱り切ったアオウミガメの子どもを、散歩中の人が見つけ、財団が保護したが、翌朝に死んだ。ウミガメは、生まれてすぐに砂から出て、沖合に向かって泳ぎ続けて、そのあと、浮遊生活をすると言われている。この生活中に、軽石を食べてしまったとみられる。
ウミガメが飲んだ軽石は、約3ミリ。爆発当初に小笠原諸島近くで採取した軽石は、約40センチの大きさだった。東海大学海洋学部の山田吉彦教授によると、大きな軽石が波にもまれて、互いに削り合って小さくなった、という。
先週末には、伊豆大島の南部でも確認され、東京湾にも迫っているとみられる。
沖縄県の久米島沖で泳ぐマンタも、軽石を大量に食べていることが分かった。水中写真家の茂野優太さんは、先週金曜日、マンタが放出したフンの中に、大量の軽石が混じっているのを確認した。「こんなところにも軽石の影響が出ているんだ、とびっくりした」。プランクトンを食べるときに、いっしょに飲み込んだ可能性がある。
海洋汚染など人的な自然破壊と違って、火山の爆発という自然現象の影響のため、何を守ればいいのか、人間にはどんな影響があるのか。
東海大の山田教授は「軽石が砂になると海底面を覆うので、(海洋生物の)生息域を壊してしまう可能性もあります」。これまでの、軽石の影響としては、(1)船の航行を妨げる(2)日光が海面を通らなくなる、が指摘されているが、細かくなって海底に沈んだ後も、サンゴが減少したり、魚が減るなど生態系に影響する可能性もあるという。
コメンテーターのタレントのカズレーザーは、「魚が食べる小さな生物などからの影響は、今のところ報告されていない。自然現象なので、何か解決策を行う方がいい、というわけでもない」。
(栄)