日本の食文化の原点ともいうべき、郷土料理。

このニッポンの郷土料理が、日本人の食生活の西欧化や少子高齢化による地域社会とのかかわりの希薄化などで、忘れられている―――。

そんな継承課題に、健康的な食生活といった視点でレシピを再構築することで、郷土料理の新たな魅力や可能性を創造し、次代に日本郷土料理を継承していくことをめざす料理コンテストが、「ご当地タニタごはんコンテストーヘルシー郷土料理でまちおこしー」。

ことしで7回目を数える同コンテストの全国大会が11月、服部栄養専門学校(東京・千駄ヶ谷)で開催され、総勢107チーム 都道府県大会を勝ち抜いてきた15チームが、飛び抜けたアイデアと郷土愛を込めたスペシャルメニューをプレゼンテーション。

まずは、総勢107チームがクリアしてきた参加条件をチェック↓↓↓

タニタが考える健康的な食事の目安

◆ 1食あたり500‐800kcal  

◆ 基本は主食、主菜、副菜とするが、これらの要素が入っていれば一皿でもよい

◆ 主食(ごはん、麺、パンなど)は100‐200gとする

◆ 主菜(肉、魚、大豆製品など)は70‐150gとする

◆ 野菜は150g以上使うこと(きのこ、いも、海藻は含まず) 

◆ 食塩相当量は3.4g以下

―――これが、タニタ(TANITA)が考える「健康的な食事の目安」。

このタニタが考える「健康的な食事の目安」にもとづいて、「ご当地タニタごはんコンテストーヘルシー郷土料理でまちおこしー」で現代風にアレンジした全国郷土料理メニューを競い合う。

レシピには必ず郷土料理をベースとし、参加資格には、「チームメンバーは全員同一都道府県在住、もしくは同じ職場、学校に在籍していること」「チームの中に必ず地元(その都道府県在住)の栄養士もしくは管理栄養士を入れること」などがある。

―――そして、見事入賞を果たしたメニューが↓↓↓

グランプリ
秋田県横手市
Comer(コメール)+
和気(わく) 湧く(わく) 具(た)沢山(くさん) お腹一杯プレート

いぶりがっこ香る和風リゾット
かやき仕立てにした地産豚肉と地ビール煮込み
にしんを使った地産野菜のカポナータ
豆腐カステラのミルフィーユ

「地域密着型のスーパーマーケット「スーパーモールラッキー」のデリカテッセンで日々生産者直送の野菜を扱う3人組が、優秀賞を獲得し全国大会へ進出します。塩分過多になりがちな秋田県民の健康を考え、物足りなさを感じない減塩の工夫を凝らしました」

「普段提供している食事とは違い、細かな栄養計算が求められるこのコンテストで初出場でグランプリを獲得できてとても嬉しいです。抗酸化作用をポイントに、美容や健康に役立つ栄養素を盛り込めるよう工夫しました。送り出していただいた生産者とも喜びを分かち合い、全国だけでなく地元の方々にも地物の食材や郷土料理の魅力を広げていきたいです」

準グランプリ
滋賀県米原市
杉江治子さんチーム
継承したい近江の味

近江米のごはん   
近江牛の一夜みそ漬
干しえび豆     
発芽大豆で打ち豆汁
たくあんの梅風味ぜいたく煮

「栄養豊富な大豆や近江牛などを使用することで、バランスの取れた滋味深い献立に仕上げました。先人たちの知恵が詰まった郷土料理を作りやすくアレンジすることで、現代生活に馴染みやすいレシピです」

「米原市の防災士としての経験を活かし、栄養が不足しがちな避難所での生活には発芽大豆が良いのではと考え、防災食と郷土料理を掛け合わせたアレンジレシピを考案しました。災害大国の日本では、アレンジレシピを日々の食生活に取り入れることで、日ごろから災害へ備える「ローリングストック」のようなことができるのではないかと考えています」

準グランプリ
山口県下関市
松岡沙耶香さんチーム
自給率100%「山口の鯨定食」

鯨めし丼
ちしゃなハスさんばい
けんちょう汁

「中学生と高校生のお子さんと共に、伝統的な山口県の郷土料理を作りやすく親しみやすいレシピにリクリエイトした松岡さんチーム。混ぜ込みご飯の鯨めしを牛丼風にアレンジするなど、幅広い世代に受け入れられやすい手法で鯨食文化の継承を促進します」

「前回大会に引き続き準グランプリをいただけて感無量です。今回から導入された「地産地消ルール」を活かし、食材の自給率が100%になるような献立ができるよう苦心しました。また、鯨めし丼のレシピを考案する際は中学生の息子に実際に作ってもらうなど、郷土料理を継承していけるよう簡単な調理工程にできるよう心掛けました。次回は自分の生徒たちと挑戦できたらいいなと思います」

特別賞
鹿児島県いちき串木野市
Infini Girls
みしょれ!!あたいどんのわっぜかみし

奇跡のコラボレーション 鶏素麺
キビナゴイ・クォン 黒糖ソース添え
ミキムースwith串木野のタンカン

「鹿児島県いちき串木野市の神村学園高等部調理科で管理栄養士を目指す生徒と先生が、奄美地域の食材をフル活用した健康レシピで全国大会へ挑みます。豚みその塩分を抑えるために、減塩ができるだけでなく味に深みの出る特製のタレを発案するなど様々な工夫を施しています」

「コンテストに挑戦する前は郷土料理をあまり知らなかったので、知識を増やしていくところや、アレンジレシピを基準値内に収めることにとても苦労しました。将来管理栄養士として食品開発の仕事につきたい、アスリートを食の面から支えたいという夢があるので、特別賞獲得で得られた自信を糧に次回のコンテストにも参加したいです」

人気メニュー賞
兵庫県相生市
喜多マリコさんチーム
兵庫の魅力再発見

兵庫の美味しい物を詰め込み姫路おでん
丹波黒豆ごはん
牡蠣入り豆乳柚子かす汁

全国大会へと進出する 15 チームのなかから、自分が食べてみたい献立に投票するSNS企画「人気投票キャンペーン」で最も得票数の多かった「人気メニュー賞」がこれ。

兵庫県相生市 喜多マリコさんチームの「兵庫の魅力再発見」。

総得票数は2776票で、全国から地元やチームを応援する温かいコメントも寄せられた。

―――ことしも幸せな笑顔、料理をつくる楽しさ、強度を愛するパッション、そしてうれしさあふれる涙があった「ご当地タニタごはんコンテストーヘルシー郷土料理でまちおこしー」。

最後は、審査を務めた 河村桃子 管理栄養士 とタニタ 谷田千里 代表取締役社長の想いを。

河村桃子 管理栄養士
食料の安全保障という面では
地産地消がすごく大事

「地産地消では、郷土の食材や料理をもっともっと地元の人たちが食べていただくことがとても大事だと思っています。

また、日常生活に慣れてしまうとどうしても忘れてしまうんですけど、今年はやっぱり食料安全保障を考えさせられる年でした。

お米が買えないなんていうときもありました。食料の安全保障という面では、地産地消がすごく大事になってくると思います。

私たちは栄養を優先してしまうんですけれども、食べてもらわなければ栄養は取れない。そしてその栄養を取ってもらうには、食材がなければいけない。

だから、郷土料理を通して、日本食文化をさらに守っていきたいと思っています。また来年もこのコンテストが開催されるそうです。また来年も楽しみにしています」

タニタ 谷田千里 代表
日本のメーカーとして
日本食文化をしっかり守っていく

「日本の食材や日本料理・郷土料理の存在や価値が薄れてきている、忘れられているいま、日本のメーカーとしてしっかり守っていく、継承していく活動を推進していかなければと思っています。

そして、このイベントを通して、郷土料理や日本文化・日本食材の素晴らしさありがたさに毎回はっと気付かされる。そんな気づきの場としても続けていきたい。

学習指導要領にも、日本文化や郷土料理の継承についてさらに盛り込んでいただきたい。文部科学省にもメッセージを伝えられるように、日本企業としてアクションを起こしていきたい」

◆ご当地タニタごはんコンテストーヘルシー郷土料理でまちおこしー
https://tanitagohan.net/

情報提供元: GZNews
記事名:「 タニタ TANITA 第7回「ご当地タニタごはんコンテストーヘルシー郷土料理でまちおこしー」日本食文化の継承や地産地消の大切さを再認識する“おいしい発見アワード”は続く