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4階建てぶんの高さ12m、広さ20m×52.5m の大空間を、木造でつくる!
―――そんな前例のない建造物に挑んでいるのが、木造建築の魅力を発信する情報拠点「ポラステクノシティ」(埼玉県吉川市)。
創業55周年をむかえたポラスグループ(本社:埼玉県越谷市)は、吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業の吉川美南駅東口周辺地区内の産業ゾーンに、ポラスグループ最大規模の木造建築拠点・魅力情報発信空間「ポラステクノシティ」を建設中。2025年3月竣工をめざす。
このポラステクノシティ(2025年3月竣工予定)は、住まいに関する技術展示スペースと地域住民のふれあいの場としてのイベントスペースからなる、交流と学びの場+事務所のオフィス棟、開発現場を見学できる実験棟・研究棟、注文住宅のモデルハウス4棟などで構成。
施設は消費する一次エネルギーの収支がゼロとなる ZEB認証も2024年度中に取得する予定という。
ポラステクノシティの最大の特長は、CLT(Cross Laminated Timber)を活用した、高さ12mの耐力壁。
強度と靭性(ねばり強さ)、施工性を両立した、3層によるひとつの壁で、大量のビスや釘の固定が不要になり、施工もかんたんに。
また、高強度+広範囲なMPブレースで水平構面を構成することで、大断面梁の本数を減らすことができ、トータルコストをおさえながら大空間を実現させている。
壁線間距離20mもある大空間の屋根面に必要な性能は、構造計算すると床倍率換算で最大6.5倍にもなるなか、広範囲を高強度な水平構面にできるMPブレースだからこそ、高さ12m、広さ20×52.5mという大空間を実現できた。
◆省エネ適合性判定にて各棟完全ZEB数値を達成、認証取得予定
◆BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)申請予定
◆木造建築でBIM(Building Information Modeling)活用、国土交通省補助事業 建築BIM加速化事業 利用
◆完全ZEBにより、3棟合計で年間杉10,214本分、森林面積11.3ha分のCO2排出削減効果(森林研究所HP資料を元に試算)がある
◆一般流通材と大断面集成材(大断面材は600mm~720mmの梁せい)、住宅用の金物を使用
◆75 分準耐火木造建築であるオフィス棟は環境省「建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業」に採択
◆オフィス棟と同程度以上の木造建築物で、75分準耐火構造+ZEB認証は日本初(当社調べ)
◆3階建ての戸建住宅サイズを室内に納め、さまざまな住宅性能実験を行うため982.5m2の空間に12000mmの天井高を実現
◆大断面集成材を使用(柱 420mm角・長さ12000mm燃えしろ設計による木構造の表し 梁=120mm×1200mm×20000mm)木目の綺麗さや香りなど木のぬくもりも体感できる
◆高さ3550mm の CLT耐力壁3段重ね、総高さ12000mm
◆全館避難安全検証法の適用により排煙設備・排煙窓を免除
ポラスグループは、この建設中のポラステクノシティを木造建築の魅力を発信する情報拠点として活用し、SDGS で注目が高まる木造非住宅事業を、さらに一層拡大していくという。
現場見学会で案内してくれた、ポラス CRE 企画部 菅原功 部長、ポラス暮し科学研究所 構造G 照井清貴 課長、ポラテック 木造建築事業部 テクノパーク PJ 石井幸佑 係長ら。