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4月とは思えない猛暑に早くもバテ気味な人もいる?
ことしの大型連休(ゴールデンウイーク)は「10年に一度の猛暑」といったニュースも報じられるほどのなか、汗を流すためにお風呂に入る回数が増える人もいるだろう。
そんなお風呂に関して気になるトピックを3月に公表したのが、ピジョン中央研究所。
皮膚科医が中心となって設計した計画にもとづいて、ピジョン中央研究所で行われた実験では、沐浴・入浴でどの程度肌の水分が蒸散し、水分量が減少するのかを調査すべく、生後3~7か月の赤ちゃん11名に対し、ボディソープを使用して腕の洗浄を行い、洗浄前・洗浄直後・洗浄15分後にそれぞれ「肌表面の水分の蒸散量」と「肌の水分量」を測定。
その結果が上図のとおり。驚くことに肌表面の水分の蒸散量は洗浄前と比べ、洗浄直後に約6.7倍増加。
また、洗浄前と洗浄15分後の赤ちゃんの肌の水分量を比較すると、平均で14%減少していた。
この結果について、本実験を監修した皮膚科医 日比野佐和子 先生はこう伝えている。
「沐浴・入浴中は肌がうるおっているように見えますが、肌の内側では、うるおいに不可欠なセラミドが流出し、乾燥が始まっています。
皮膚表面にある角層は、沐浴・入浴中に水分を含んで飽和状態(水分を最大限含んだ状態)になり、角層細胞の間隔が広がることで、肌のうるおいを保つセラミドなどの天然保湿成分が流れ出ているのです。
セラミドが流出すると、つなぎとめられていた水分が肌表面から蒸散して乾燥が進みます。
そうならないために、セラミドを補いながら洗ってあげることが大切。
セラミドは肌の構造の中でも一番外側の角質層で活躍する成分。
セラミド入りのボディソープなどで外側から洗ってあげることで、角質層に届けることができ、乾燥を防ぐことにつながります」(日比野医師)
なぜ、入浴直後からお肌の乾燥が始まってしまうのか、実はお肌のうるおい成分「セラミド」が大きく関わっている。
セラミドは、角層細胞どうしのすき間を満たし、肌内部の水分を繋ぎとめている肌の保湿成分。
肌を外部刺激から守る「バリア機能」をきちんと働かせるための主役となる成分で、十分なセラミドで満たされた肌はバリア機能の働きが高く、外部刺激で肌荒れしにくい状態になるという。
つまり、肌の保湿において「どれだけ多くのセラミドを維持できるのか」が重要という。
生後たった3か月から始まる“生涯最大のお肌の乾燥期”って、知ってる?
皮脂が不足すると肌内部の水分が蒸発しやすくなり乾燥を引き起こす。
肌が乾燥している状態だと、肌表面のバリア機能が低下し、ウイルスや紫外線などの外部刺激によって肌荒れやアトピーを引き起こしやすくなる。
そのため、保湿が重要になる。
その皮脂が著しく減少する“生涯最大のお肌の乾燥期”は生後3か月を境に訪れるという。
そもそも赤ちゃんの肌は大人の2分の1程度の厚さしかなく、バリア機能も未熟。
また、恐ろしいことに表皮が形成される0〜3才の間に肌トラブルを繰り返すと、大人になってからも肌トラブルが起こりやすくなるといわれている。
入浴中のうるおい流出からの乾燥は、赤ちゃんにとって最も大きいインパクトといえる。
日比野先生は、上記のような実験の結果やピジョン中央研究所が行った生活者調査などを踏まえ、洗いながらセラミドを補い保湿する「うる肌洗い(うるはだあらい)」のスキンケアを推奨している。
そこには、赤ちゃんの肌バリアを保つスキンケアの新常識“うる肌洗い”3つのポイントがあるという。
「沐浴・入浴によるセラミドの流出で、水分はどんどん蒸散してしまうので、沐浴・入浴の最中からセラミドを含んだボディソープでうるおいを補うことが重要です」
「赤ちゃんの肌のバリア機能を維持するためには、肌を弱酸性に保つことが重要です。
アルカリ性のソープは泡立ちがよく洗浄力も高いいっぽうで、汚れ以外にセラミドなどのうるおい成分も洗い流してしまい、洗いすぎにつながりやすくなります。
未熟な赤ちゃんの肌には刺激を与えすぎない「弱酸性」「低刺激」なものを選びましょう」
「汚れを落としたいと思うあまり、強くこすったりしてしまうのはNG。泡で包み込むように優しく洗い上げましょう。“洗いすぎない”やさしい沐浴・入浴がおすすめです」(日比野医師)
―――入浴頻度が増えるこれからの季節、赤ちゃんをお持ちの家庭では、赤ちゃんのお肌のうるおいを守る「うる肌洗い」を取り入れてみて。