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モデルサイクル末期(F30型)を狙うか、モデルチェンジ(G20型)を待つか。BMW 3シリーズの場合は?


クルマを買う、あるいは買い換える際に、最初に考えるのは「新車」か「中古車(新古車含む)」か、だろう。それぞれに利点も欠点もあるわけだが、新車を買う際には、「いまのモデル」を買うべきか、「もうすぐ登場する新型モデル」を買うべきか、迷うところだ。ここでは、BMWの3シリーズをベースに考えてみよう。BMW3シリーズだけでなく、2019年に登場するであろうVWゴルフ、アウディA1、ボルボV40、マツダ・アクセラ(マツダ3)、スバル・レガシィなどでも、同様の状況が生まれるはずだ。


TEXT &PHOTO◎鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi)PHOTO◎BMW

 モデルサイクル末期のモデルを買うか、フルモデルチェンジした(する)ばかりの新型車にするか。これは、クルマを買うときに悩むポイントのひとつだ。


 と書いている当の本人が、悩んでいるのだから、間違いない。


 筆者の現在のマイカーは、BMW320i(2013年モデル)である。5年で7万2000kmほど乗ってまもなく2回目の車検を迎えるタイミングだ。


 この320iの車検を通すか、買い換えるか、買い換えるとしたら、次のクルマは何にするか、というのが今回のテーマである。


 現行の3シリーズは、2011年発表、2012年発売開始された3シリーズとしては第6世代にあたるモデルで、「F30型」と呼ばれている。筆者のクルマは、発表されて1年経った2013年モデルだ。


 一方の新型3シリーズは、2018年のパリ・モーターショーでデビューした第7世代、G20型と呼ばれる新世代モデルだ。2019年早々には日本での発売も始まるはずだ。

筆者のBMW320i(F30型2013年モデル)

 つまり、表題通り、「モデルサイクル末期」と「新型車」ということになる。まずは、「2回目の車検は通さない」ことを前提に、どちらにするか考えてみたい。なぜ2回目の車検を通さないか?最近のクルマの多くは新車で買ったあとの保証期間のメンテナンスまで含んだサービスが提供されている。BMWの場合は、「BMWサービス・インクルーシブ」と呼ばれるメニューがそれだ。3年間は、エンジンオイルやフィルター、ワイパーブレード、ブレーキ液、法定1年点検などの費用が無料になる。また追加費用を支払えば、その期間を2年間延長できるのだ。だから、5年間は、大きな出費なしに載り続けられる一方、6年目になると、なにかあったらかなりの費用がかかってくるのでは……という懸念が出てきてしまう。


BMWの2ℓ直4ターボの進化度合いは? 320iの新旧パワーユニット比較 N20 vs B48

右のクルマが現行BMW3シリーズ(初期モデルで筆者のクルマ)、左が後期モデル。

 そこで、買い換えを考えてみたわけだ。

 モデルサイクル末期のクルマをあえて購入するメリットはなんだろうか?


1・熟成され尽くしているので、完成度が高い


2・モデルサイクル末期なので、好条件で購入できる(かも)


3・クルマの大きさが適度で使いやすい


4・そもそもの車両価格が新型モデルより安いことが多い


BMW3シリーズの新型と先代のボディサイズと室内を新旧比較!

2019年春には日本でも発売になるだろう新型BMW3シリーズ(G20型)

2019年春には日本でも発売になるだろう新型BMW3シリーズ(G20型)

 の3点がメリットに挙げられる。1については、どんなモデルでも大きなモデルチェンジ直後のクルマは、初期トラブルが出たり品質が安定しないことがある。どんなに生産技術が進んでも、やはりこれは紛れもない事実だと思う。実際、現行(F30)モデルも、モデルチェンジ直後に試乗したときは、正直、あれっ?と思う乗り心地だったり、ステアリングフィールだったりした(あくまでも個人的な感想ですが)。それが1年2年経つと、グッと良くなるというのはよくあることである(最近の例では先代メルセデス・ベンツAクラスなど。あくまでも個人的な感想ですが)。


 それが、モデル最終時期の生産ともなる「モデルサイクル末期」のクルマは、すべてのトラブル、不具合を修正したもっとも完成度の高いクルマと言えるわけだ。




 2については、想像の通りで、やはり新型車よりも値引きは期待できる。




 3については、少々説明が必要かもしれない。


 最近のモデルチェンジでは、クルマのサイズが大きくなることが多い。


 たとえば、メルセデス・ベンツCクラスは、2014年のモデルチェンジで


2014年モデル Cクラスセダン(W204) 全長×全幅×全高:4595×1770×1445mm ホイールベース:2760mm


2015年モデル Cクラスセダン(W205) 全長×全幅×全高:4690×1810×1445mm ホイールベース:2840mm


 


 と大きくなっている。


 たかが、長さ95mm、幅40mmと思う人も多いだろうが、駐車場が狭い人には切実な問題だ(筆者もそのひとり)。




 BMW3シリーズも


2018年モデル 320i(F30)全長×全幅×全高:4621×1811×1429mm ホイールベース:2810mm


2019年モデル 320i(G20)全長×全幅×全高:4709×1827×1435mm ホイールベース:2851mm


 とボディサイズは拡大している。たかが長さ88mm、幅16mmと思うなかれ(思う人は気にしなくていいです)。やはりボディサイズが大きくなることは、日本国内ではあまり歓迎できないと思う。


 価格についても、モデルチェンジのタイミングで上昇することが多いから、その点もモデルサイクル末期の超熟成車を選ぶメリットと言える。

 当たり前だが、モデルサイクル末期のクルマを買うデメリットも存在する。


1・せっかく新車を買ったのに、すぐに「旧型」となる。


2・先進安全装備(とくに自動運転に繋がる技術)は、確実に新型車より劣る


3・コネクテッドなども同様に新型車より劣る


4・燃費性能が新型車より劣る可能性が高い。




 というのがすぐに思いつく。1については、主にデザインについて、ということなのでデザインが気に入ってさえいえば、モデルサイクル末期の超熟成車を買っても後悔しない……かもしれない。マツダ3(アクセラ)のように次期モデルの発表が終わっていて、なおかつ素晴らしくカッコいいときは、これには当てはまらないだろう。BMW3シリーズの場合は、どちらになるか?




 2と3については、技術の進歩のスピードが速い分野だ。モデルサイクル末期の超熟成車にもアップデートが入っているが、やはりフルモデルチェンジの際にしか入れ込めないテクノロジーもある。問題は、その技術が自分に必要か、どうかだ。

上の2枚の写真は新型(G20型)のコックピットとメーター。どちらも、やはり新しい。ただし、この新しさが必要かどうか、である。

こちらは、「モデルサイクル末期の超熟成車」(F30型)のコックピット。新型から見ると、シンプルだ。

 ここまで「モデルサイクル末期の超熟成車」vs「新鮮味抜群の新型モデル」で購入を迷う例を書いてきたが、これはじつは正確ではない。価格を考えると、




「1クラス上のモデルサイクル末期の超熟成車」vs「新鮮味抜群の新型モデル」


というのが正解だ。つまり、「モデルサイクル末期の超熟成車」の最大の魅力は、自分の予算内で買えるであろうクルマより、1クラス上のクルマを狙えるということだ。


 たとえば、現行BMW320iの車両価格は320iスポーツ(AT)で560万円。G20新型車の価格はまだわからないが、たとえ560万円だとしても、こちらは値引きなしに近いところからのスタートになるだろう。「モデルサイクル末期の超熟成車」のBMW3シリーズを買おうと思ったら、320i(2.0ℓガソリン)ではなく、たとえば、330e(PHEV)が手に入るかもしれない。




 つまるところ、「モデルサイクル末期の超熟成車」を選んでもいいかは、その人がクルマに何を期待するか、による。


 たとえば、Motor Fan.jpのスタッフには、モデル末期に先代ジムニーシエラを買った猛者もいる。


連載第7回『よろしく! スズキ・ジムニーシエラ』 新旧ジムニー・比較検証あら探し ~新型の退化点を見つけて優越感にひたろう~

 筆者が結局なにを選んだのかは、また別の機会にお伝えしたい。

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