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「一生懸命」と「一所懸命」の違いって?【正しい日本語解説Vol.15】


社会人になると、新しい言葉を使う機会が増えますよね。使い慣れていない言葉を無理に使い、大事な場面で恥をかいてしまった……。なんていう人も少なくないのでは? そこでTABIZINEでは、知っているようで意外と知らない頻出ワードを徹底解説! 今回は、どっちを使えばいいの?と混乱しがちな「一生懸命」と「一所懸命」について、日本語に関する著書も多数手がけている、国語講師の吉田裕子さんに解説してもらいます。

>>「以降」と「以来」の違いって?【正しい日本語解説Vol.14】
 

「一生懸命」の意味



「一生懸命」は「いっしょうけんめい」と読み、命がけで事にあたること。
【例】
一生懸命ビーチクリーンに取り組んだおかげで、美しい砂浜を取り戻すことができた。

「一所懸命」の意味



「一所懸命」は「いっしょけんめい」と読み、「一生懸命」と同じく命がけで事にあたること。

もともとは武士が生活の頼みとなる一つの領地(「一所」)を命がけで守ろうとすることを由来とする言葉でした。しかし時代の移り変わりとともに場所や所領の意味あいが薄れ、「命がけでことにあたる」という部分だけが残り、文字も「一生懸命」と表記されることが多くなりました。

「一生懸命」と「一所懸命」はどちらも同じ意味で、正しい表現ですが、一般的には「一生懸命」を使うことが多くなっています。
【例】
その和菓子店は、歴代の主人が一所懸命に守り抜いた名店です。

「一生懸命」と「一所懸命」の使い分け方



現代では「一生懸命」を使うのが一般的ですが、「一所懸命」はもともと一つの場所を命がけで守り抜くという意味で使われていた言葉なので、場所や店、会社などに関する場面で使うと意気込みを感じられる表現になります。

NHK
教育出版
マイナビ

【クイズ】より適切なのはどっち?



【答え】
1→一所懸命
2→一生懸命

1の正解は一所懸命。「一生懸命」を使っても全く問題ありませんが、武将が領地を守り抜いた話なので、「一所懸命」を使うとより適切にニュアンスを表現できます。

2の正解は一生懸命。こちらも「一所懸命」を使ってもかまいませんが、現在では「一生懸命」を使うことが多いでしょう。
監修:吉田裕子先生
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。
>>>吉田裕子先生の(株)裕泉堂 公式サイトはこちら

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