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【台湾情報】地元の文化や物語を具現化。自然との融合が心地良い、桃園のアートフェスへ


はじめに

私たちが桃園と聞いて連想するのは、空の窓口・桃園国際空港でしょう。付近を散策したことはなくとも、豊かな緑に恵まれた土地であることは多くの人の知るところ。そんな桃園の美しい自然とアートを融合させるイベント「2022桃園地景藝術節 Taoyuan Land Art Festival」が、このほど開幕。すでに開催10年目に突入し、毎年人々の期待を集めるこの催し、今年のテーマは「川行脈動RIVER FLOWS, CITY VIBES」。歴史と文化、優美な自然、物語性ある地域の魅力に触れる絶好の機会の到来です! 桃園の大溪エリアの生活・生態・生産、そして街のエネルギーを表現。

桃園の大溪エリアの生活・生態・生産、そして街のエネルギーを表現。

現在好評開催中の「2022桃園地景藝術節 Taoyuan Land Art Festival」、今年は「川行脈動RIVER FLOWS, CITY VIBES」というテーマのもと、大溪エリアで展開しています。このテーマは、「川」の字の象形イメージに基づいているそう。大漢溪は安定した生活の源であり、豊かな生態系を育む渓流であり、さらには都市の発展と生産を促進する血液でもあります。生活、生態、生産というこれら3つの象徴的役割は、桃園という大きな「川」を形成する要素。そして桃園全体を巨人にたとえるなら、大漢溪の上流に位置する大溪流域は、桃園の心臓部を取り囲む動“脈”であり、力強く止まることのない鼓動を桃園に与えている…そうした概念で構成された展示となっています。 芸術家だけでなく、地元民の作品も多数。地域が一体となって盛り上げるフェス。

芸術家だけでなく、地元民の作品も多数。地域が一体となって盛り上げるフェス。

今年のアートフェスティバルは、大溪河濱公園、中庄調整池、大嵙崁親水園區、月眉人工濕地、山豬湖生態親水公園を主要な展示エリアとして、大漢溪の沿岸をはさんだ緑地帯を結ぶ形で開催。国内外から28人のアーティストを特別に招き、14組の地域コミュニティや学校と協力することで、30の作品をクリエイト。芸術作品によって、地域の人文科学と自然のありようを翻訳しようする試みは、大溪の新しく美しい姿を可視化するだけでなく、桃園大溪の地元の特色を探り、この土地の物語を伝えていく活動でもあります。 メイン会場の大溪河濱公園で見られるのは「來時路」「日光之下」など。

メイン会場の大溪河濱公園で見られるのは「來時路」「日光之下」など。

これらの5つの展示エリアは、大漢溪沿いの重要な景観であり、さまざまな形態の“水”を表しています。大溪河濱公園は、敷地面積が約8ヘクタールにも及ぶ大型公園で、開閉会式が行われるほか、数々の公演など、特色ある作品が披露されます。艶やかで青々とした広大な芝生と美しいカラマツ林を擁し、ピクニックをするのにもぴったりのロケーションが人気です。また、キッズ向けの遊び場は充実の設備が好評。親子のリラックスした時間が過ごせます。市営のレンタサイクルYouBikeスタンドもあり、サイクリングが気軽に楽しめるのも魅力。ここでの撮影スポットは、3つのハートのインスタレーションです。 中庄調整池の空に咲くのは「花田下的詩意」。

中庄調整池の空に咲くのは「花田下的詩意」。

中庄調整池は、台風の襲来時に貯水池である石門水庫の濁度が上昇した際、バックアップとして利用される緊急水源。会期中は、水面に大規模なインスタレーションが設置され、サファイアのような広大な水域にハイライトを配したような雰囲気に。見逃せない一大“映え”スポットとなっています。貯水池の周りをゆっくり散歩したり、自転車で走ったり…あらゆる角度から景色の美しさを楽しんでください。キラキラと水面が光る池と木々が揺れる一面の緑のコントラストの心地よさは格別です。 大嵙崁親水園區には、ドラゴンボートの「渡船頭」。

大嵙崁親水園區には、ドラゴンボートの「渡船頭」。

大嵙崁親水園區の「天空之城」は、丘陵ならではの地形を利用した公園で、眺めの良さと凧揚げを楽しむスポット。ここに新たに石の滑り台、自然遊戯場、砂利の洞穴、原木遊具、高さ8mの芝滑りなどの遊具を揃えた自然遊戯場が造られ、全ての年齢層が楽しめるプレイスポットとなっています。 月眉人工濕地生態公園には、生態系を破壊するザリガニ「蝦毀」。

月眉人工濕地生態公園には、生態系を破壊するザリガニ「蝦毀」。

カラマツ林が見どころの月眉人工濕地生態公園は、水質浄化に利用されている湿地で、陽光のもと、水面に映るカラマツの美しさで知られるエリアです。 山豬湖生態親水公園で一際目を引くのはジャンボタニシを模した「粉紅泡泡」。

山豬湖生態親水公園で一際目を引くのはジャンボタニシを模した「粉紅泡泡」。

山豬湖生態親水公園は、自然にやさしい工法で作られた生態公園で、水辺のスポットとして近年注目の地。園内には1.6kmの自転車道が敷かれていて、緑に囲まれた環境での快適なサイクリングが可能です。 物語性あるアートを満喫したあとは、老街散策で懐かしの味に舌鼓。

物語性あるアートを満喫したあとは、老街散策で懐かしの味に舌鼓。

展示エリア以外で、もっと大地に親しみたいという人は、大溪の農業の在り方に触れられる月眉休閒農業區での作業体験がおすすめ。また、大溪老城の散策も魅力的です。バロック式の装飾と閩南地方(福建省南部)の伝統的な装飾パターンを融合させた旧市街地を巡ったり、昔ながらの商店街・老街で台湾の懐かしの味に舌鼓を打ったり。周辺には国定史跡の李騰芳の古民家、1902年に建立された美しい歴史的建造物の普濟堂寺廟、大溪木藝生態博物館、迷宮巷-鳳飛飛故事館などの人気観光スポットも多数。大溪の暮らしと文化を深く掘り下げ、その美しさを留める“文化的景観”は、心身のリフレッシュにも最適です。「2022桃園地景藝術節」は、9月25日まで。ぐっと過ごしやすくなる初秋の休日は、ぜひ桃園へ。

◆2022桃園地景藝術節Taoyuan Land Art Festival
住所:大溪河濱公園、中庄調整池、大嵙崁親水園區、月眉人工溼地、山豬湖生態親水公園
(10:00~17:00、2022年9月25日まで開催中)
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