はじめに
「京都アートラウンジ」は、若手アーティストが京都で創作活動を続けられる環境を整備することを目的にした事業です。その一環として「表裏のバイパス」展が開催されています。3組の若手アーティストの作品を鑑賞できるこのチャンスをお見逃しなく。
京都で活動する若手アーティストを支援する展示会
寺社仏閣をはじめとした歴史的建造物を数多く残し、“文化”を大切にする土壌が整っている京都では、美術分野での若手育成にも力を入れています。「京都アートラウンジ」は、若手アーティストが京都で創作活動を続けられるように支援する事業で、展示会などを通して文化芸術に興味がある人々と作家をつなげる場を提供しています。
現在、活動の一環として「表裏のバイパス」展を開催中。公募によって選ばれた3組4人のアーティストたちの作品が、イベントスペース「藤井大丸 ブラックストレージ」に展示されています。機械装置・陶器作品・絵画と、3組それぞれ違った表現によって作られた作品が並べられ、じっくりと鑑賞できますよ。
機械装置・陶器・絵画。個性が光る若手アーティストの作品
今回公募で選ばれたのは、菊池和晃・TŌBOE(西條茜×バロンタン・ガブリエ)・吉田桃子の3組。全員京都近郊にアトリエを持ち、創作活動を続けているアーティストたちです。菊池さんの作品は、体を酷使することで動く装置によってイメージを生み出す作風が特徴で、機械工の仕事で培った知識を基に自作した機械装置もまた作品の一部となっています。
2人組ユニットのTŌBOEは、陶磁器と息・声を融合させた陶製のサウンドオブジェクトを中心に制作している作家です。お互いの専門領域をかけ合わせることで、さらに人の心を揺さぶるアートへと昇華させています。音楽から得られるイメージやそのときの高揚感を絵という形で表現している吉田さんの作品は、透明感のある独特のタッチが特徴。実際に音楽を聞いていなくても、作品を鑑賞することで、その世界観に引き込まれるように感じます。
作品につながる動画も要チェック!
「表裏のバイパス」展は、3月14日(日)まで開催されていて、「京都アートラウンジ」のウェブサイトでは各アーティストの制作風景とインタビュー動画を視聴できます。
展覧会のタイトルになっている“表裏”というのは、完成した作品が表とすれば、それを制作する過程が裏ということ。普段アートを鑑賞するときに、その制作過程まで知るという機会はあまりありませんが、作品が生み出されるまでの膨大な時間と過程は切っても切れない表裏一体のものです。展覧会と動画をリンクさせることで作品への見方が変わり、よりいっそう理解が深まりますよ。作品を鑑賞する前や後に、ぜひチェックしてみてくださいね。
◆表裏のバイパス
場所:藤井大丸 ブラックストレージ(京都市下京区綾小路通御幸町西入足袋屋町318)
会期:〜3月14日(日)
時間:11:00~18:00
入場料:無料
おわりに
これから寒さも和らぎ、お出かけ日和が続きます。週末の休みに、美術鑑賞に出かけてみてはいかがでしょうか? 新しい感性に触れることで、心の充実を得られますよ。