はじめに
初夏を彩る優雅で香り高い、バラの花。そんな季節の花をモチーフにしたチーズを見つけたのでご紹介します。バラとチーズの美味しくて美しい組み合わせ。贅沢な気分になれる逸品をぜひ楽しんでみてください。
文・写真/田口真由美
気品ある香りにうっとり。地元名産のバラ×チーズ
まずご紹介するのが、広島県にあるチーズ工房「乳ぃーずの物語」で作られるフレッシュなチーズのデザート。こちらの工房は車で約2分という距離に牧場があり、そこから取り寄せた新鮮なミルクでさまざまなチーズを作っています。なかでも季節限定の人気商品が、フレッシュなできたてのチーズにバラのジュースを合わせて仕上げた「薔薇のフロマージュ」です。
チーズはフロマージュ・ブランと呼ばれる、乳を乳酸菌などで凝固させて水切りした、とてもシンプルなもの。これに広島県福山市で無農薬・有機栽培で食用バラを作る「マチモト」のバラジュースを混ぜ合わせたら、花弁をひとひら添えて。地元の名産品同士を組み合わせた、この土地ならではのチーズは、2017年に「All JAPANナチュラルチーズコンテスト」で金賞を受賞しています。
ほんのりピンク色に染まったチーズを口に含むと、高貴なバラの香りが口いっぱいに広がりリッチな気分。くちどけはヨーグルトのようになめらかでみずみずしく、後味にはミルクの優しい味わいが感じられます。写真のバラはピンク色ですが、真っ赤なバラになることも。その時期のバラを使って仕上げているそうです。
◆チーズ工房 乳ぃーずの物語。(ちぃーずのものがたり)
住所:広島県庄原市一木町533-4
電話:0824-72-7634(土日祝は0824-72-2062)
チーズ工房 「乳ぃーずの物語。」
まさに職人技。お皿を華やかに彩る、バラのモッツァレラ
次に紹介するのは、チーズをバラの花のように仕上げた、なんともアーティスティックな一品です。このチーズを作るのは、栃木県の那須高原で地元のミルクを使ったチーズ作りを続けている「あまたにチーズ工房」の天谷さん。「ストリングチーズを作るときに端を切り落とさねばならず、その端を再利用できないかと思い作ってみたのがきっかけでした」。もともとパティシエとして働いていた経験があったことから、遊び半分で作ったところ人気がでたのだそう。
ストリングチーズは、成形の方法が異なるだけでモッツァレラチーズとほぼ同じ製法で作られることから、リクエストに応じて特別にモッツァレラチーズの生地で作ってくれるといいます。最近ではパーティーなど特別な席に使いたいという予約が増えているのだそう。気になる人はぜひ予約してみてください。トマトとバジルと一緒に盛り付ければ、特別なカプレーゼを作ることができますよ。
◆あまたにチーズ工房
住所:栃木県那須郡那須町湯本206-530
電話番号:0287-76-2723
あまたにチーズ工房
おわりに
いかがでしたか? バラの姿や香りをチーズに上手に取り入れた、なんとも優雅なチーズ。季節を楽しむ一品としてぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。